5 / 9
大好きな旦那様(1) ※
しおりを挟むそれからひと月後。
「サクラ、起きて」
優しい声に目を開けると、サクラはベッドの上で大好きな旦那様であるセレスタンに抱き締められていた。
窓にかかったカーテンの隙間からは明るい日の光が差し込んでいて、とっくに夜が明けていることが分かる。
以前は朝が苦手なセレスタンをサクラが起こしていたが、今は逆になっていた。
毎晩セレスタンに愛されるようになって疲れ果て、朝起きられなくなったからだ。
「あ、あっ……」
「ねえ、いい?」
セレスタンは、サクラの乳首を指先で擽った。
昨晩脱がされたまま全裸で寝ていたから、身を包んでいたシーツを剥がされると何も隠すものがない。
「はあ、あっ……」
すっかり立ち上がった乳首を摘ままれて、サクラはこくこくと頷いた。
こんな朝から……とは思うが、大好きな夫に求められて嬉しい気持ちの方が大きい。
セレスタンはサクラの返事にぱあっと表情を輝かせると、ちゅ、ちゅ、とキスをしてきた。なんだか犬のようで可愛い。
キスをし終わると顔が離れて、万華鏡のような美しい瞳と目が合う。
以前セレスタンの目は隠されていたのだが、最近は寝室などサクラとふたりきりになるときは隠さないようになった。
他の人には見せない部分を見せてくれて、素直に嬉しいと思う。好きな人の美しいところを独り占めできるなんて、とても贅沢だ。
それに彼の瞳を見ていると、なんだかふわふわととても良い気持ちになる。
それだけ綺麗なのだ。こんな瞳、元の世界では見たことがない。
元の世界どころか、こちらの世界でも、少なくともサクラが会ったことのある人々の中にはいなかった。セレスタンだけだ。
この世界では忌み嫌われる目だと言っていたけれど、どうしてなのだろう。こんなに美しいのに……。
サクラがうっとりしていると、セレスタンが俯いたので瞳が見えなくなってしまった。
残念に思ったが、彼の顔が胸に寄せられ、その先端を咥えられたので甘い声を上げてしまう。
「あっ……!」
駆け抜ける性感に体を反らしたが、背中をセレスタンの大きな手に支えられて固定された。
セレスタンの手と唇に挟まれた胴体の弱いところを、ちうちうと吸い上げられる。
「あ、あっ、あんっ……ああっ……」
下腹部がじくじくして、腿を擦り合わせた。
サクラ以外に心を開ける人がいないという彼が、こうして甘える子供のように自分の胸を吸っていると思うと、気持ち良さと同時に母性のようなものが溢れてくる。
恋人もできたことがないと言っていた。
だから、サクラが自分を受け入れてくれてとても嬉しいと。
「あ、きもちいです、せれすたんさまぁっ……」
こうして素直に気持ち良いと言ったり、彼を求めると、とても嬉しそうにしてくれる。
今もセレスタンはうっとりとした顔でサクラを見上げながら乳首に舌を這わせ、反対の方も指先でくにくにと刺激してくれた。
気持ち良いのはもちろんだけど、幸せそうにしてくれるセレスタンが嬉しくて、ついサクラも恥ずかしいと思いつつ口走ってしまうのだ。
107
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。
義兄の執愛
真木
恋愛
陽花は姉の結婚と引き換えに、義兄に囲われることになる。
教え込むように執拗に抱き、甘く愛をささやく義兄に、陽花の心は砕けていき……。
悪の華のような義兄×中性的な義妹の歪んだ愛。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

ホストな彼と別れようとしたお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレ男子に捕まるお話です。
あるいは最終的にお互いに溺れていくお話です。
御都合主義のハッピーエンドのSSです。
小説家になろう様でも投稿しています。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる