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第三章 イスカルド王国

39.王都

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 優達がユーナとセレナの所へ戻ると2人は仲良くなっていた。

「おかえり」

「おう。それにしてユーナが俺達以外とそんなに仲良く話すのは初めて見たな」

「そう?まぁユウ達が戻ってくる間色々話してたからね。この子いい子だったわ」

「そうか」

最初の頃は人間を信じられないとか言っていたがこの調子なら大丈夫そうだな。

「あ、因みにセレナはハーフエルフよ」

「ハーフエルフ?」

「そう。人間とエルフの血が半分ずつ入っているの」

「なるほど。エルフか。ハーフとは言え初めて見たな。それでユーナ達は何を話してたんだ?」

「秘密よ。それよりもそっちはどうだったの?」

「あー、実はな、」

 先程裏切り者たちから聞いたことを全て話した。そして今回のことを手伝おうか迷ってるとも伝えた。

「どこに行ってもあの国に関わっている連中がいそうだ。早めに決着をつけないとな」

「そうね。手伝うか手伝わないかはユウが決めて。私達はユウについて行くから。もちろんもしユウのする行動がおかしいとか絶対に間違ってると思ったらその時は私達が全力で止めるから」

「わかった。ありがとう」

そして2人の距離は近づいていき⋯⋯⋯

「うがぁぁぁぁ!」

「ん?ネルかどうした?」

「どうしたの?」

「どうしたじゃないのじゃ!イチャイチャするでない!イチャイチャするなら後でして欲しいのじゃ!セレナとユーリの顔が真っ赤なのじゃ」

 その光景を見ていたセレナとユーリは顔を真っ赤にしていた。

「んー、わかった」

「後でならいいのね?」

「うむ。今は王女達がいるのじゃから控えるように」

「「はーい」」

 その後優は今後の予定をマーセルと女騎士のユーリと話し合いをした。

 現在優達がいる場所からイスカルド王国王都までは馬車で順調に進んで翌日の夕方に着くそうだ。

 しかし今回裏切り者たちがいるので早くてあと3日かかって5日かかるとの事。そして今回裏切った騎士達は5人いるので4日かけてイスカルド王国の王都まで行くことにした。

 そして裏切った騎士達を拘束した状態でマーセルの荷馬車に載せることが出来るか聞いたところ荷物を少し下ろせば乗るという事だったので優の異空間ボックスに荷物を入れて捕まえたやつを乗せることにした。そしてこの後少し先に進んでから休む事になった。

 優達の話し合いが終わり今後の予定をユーナ達にも話しこれから出発すると伝えた。

 セレナの乗っていた馬車をマーセルの荷馬車の後につけて行くことにした。

 暫く進んでいると日が落ちて来たので2台の馬車は止まり野営の準備を始めることにした。

 夕食はセレナ達もいることだったので異空間ボックスから料理を出すのをやめ野営の準備をしている時に優が辺りを見て周り一角兎が数匹いたので優が捕まえて一角兎を食べる事にした。

 今回の見張りは騎士達と交代ですることに決まり優はテントを取り出してマーセルに貸した。ユーナとネルはセレナと一緒に馬車の中で寝る事になり騎士達はそれぞれテントがあるそうだった。

 優は自分のテントを出さずに騎士達とマーセルにバレないようにその場から少し離れていつ襲撃があっても対応できるように木にもたれかかって座り目を閉じたのだった。

 問題が起きることなく翌日を無事に迎え、その後の数日も問題は起きなかった。

 そして現在優達はイスカルド王国の王都を囲んでいる壁が見える場所まできていた。

 ユーナとネルとセレナと何故か女騎士のユーリがすごく仲良くなっていた。さらに新たなことがわかったがユーリは犬人族と言うことが判明した。

 なぜ会った時にわからなかったと言うとユーリはフード付きのマントを羽織っていたので耳と尻尾が見えなかったのだ。ユーリが犬人族だと分かったのは2日目の夜だった。

 2日目も同じようにバレないように離れたが運悪ユーリに見つかってしまった。その時色々と話をすることになりなんでフードを被っているのか聞くと自分は獣人で犬人族だと教えてもらってフード取ってもらい耳を見せてもらった。ユーリがフードを取って獣耳を見た時ユウ様は初めて見る獣人に少し興奮してしまったがすぐに落ち着き話を聞いた。

 フードを被っているのは獣人だとバレると攫う人がいるので余計な問題を起こさないようにフードを被っていたとの事。

閑話休題

 イスカルド王国の王都を囲んでいる壁が見えるともう大丈夫とのことだったのでセレナが自分の馬車に優を乗せた。

「ユウ様、この後王都に着きましたら城まで来てもらい父に謁見をしてもらいます」

「ん?なぜだ?」

「あ、はい、ユウ様はこの度私を助けて頂いたのでそのお礼と今回の件で多分父から話があるともうので」

「んー、わかった。ただ、俺は謁見するための作法とか知らないぞ?」

「後で執事から説明があると思いますので大丈夫だと」

「わかった」

 そして王都へ入る為の門へ着きギルドカードを出そうとしたら今回の事をユーリが説明をすると問題なく通された。

「へぇ、リーリスト王国も凄かったがここもすごい賑わっているな」

「この国は一応リーリスト王国の次に栄えている国なので」

「そうなんだな。それにしてもこの国はまだ見たことない種族が結構いるな」

「はい。私達の国では人種差別を厳しく取り締まっていますので、他種族からすれば他の国より暮らしやすいと思います」

「なるほどな。さっき着いたばかりだが俺はこの国好きだな」

「ありがとうございます」

 そして一旦マーセルと分かれることになったので捕まえていた騎士達を下ろしてマーセルの荷物を馬車に乗せて後でマーセルの店に行くことを伝えると場所を教えて貰った。

 優達はセレナの馬車に乗っておりそのまま城門前までくるとそのまま通されて城の中へと入っていき馬車が止まった。優達が降りると執事服とメイド服を着ている人達がいた。

「ユウ様、ユーナス様、スピネル様お待ちしておりました。姫様を助けていただきありがとうございます」

 執事服を着た男がお礼をいい頭を下げるとメイド達も頭を一斉に下げた。

「は、はぁ」

「ユウ様達はこの後国王様に謁見をして頂きます。なので、謁見をするための服を用意しておりますのでまずはそちらまで着いてきてください」

「あ、はい」

「では姫様私共はユウ様達を案内して参ります」

「分かりました。ユウ様達をお願いしますね」

「はっ!」

 そして執事が歩きだしたのでユウ様達は着いていった。

 因みに今回裏切った騎士達は待機していたほかの騎士達に連行されて行った。
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