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第二章 リーリスト王国編

25.初依頼

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 2人が出入口に着くと王都に入る時に相手をしてくれた兵士がいてその人に声をかけられた。

「お、君たちは昨日の2人だね」

「あー、はい。よく覚えてましたね」

「そりゃね。盗賊達を討伐して、更には捕まってた人達まで助けてくれたからね」

「まぁ、助けたのはたまたまですけどね」

「それよりも君たち中々過激的な殺し方をしたね」

「あー」

「あ、それやったの私じゃなくて彼ですけどね。私は外で見張りをしてましたから」

「なるほど。という事は君1人で盗賊のアジトに乗り込んだのかい?」

「あー、まぁはい」

「かなり強いんだね」

「まぁまぁですね」

「所で君たちは何処に行くんだい?」

「冒険者登録したので今から一角兎5匹討伐しに行くんですよ」

「なるほど。あそうそう、昨日の2人合わせて銀貨6枚を返しておくよ。それじゃ気をつけて」

「はい」

 兵士との会話を終え2人は外に出て行き一角兎を探していた。暫く歩いていると一角兎ではなく何故かゴブリンに出会った。優が攻撃しようと思った時ユーナスが私がやると言って来たのでユーナスに任せることにした。
今回出会ったゴブリンの数は5匹でそれぞれ剣と棍棒を持っていた。
 ユーナスは前に出て火属性の火槍ファイアーランスを10本ほど浮かしてゴブリン目掛け放った。ゴブリン一体に2本ずつで片方は誘導でもう片方は頭部に放ちゴブリン達は1本を防いだ瞬間にもう1本が頭を貫通し一気に倒して行った。

「やっぱりランス系の属性魔法って便利だよな」

「確かにそうかも。私もよく使うしね。それよりも倒したゴブリンどうしようか?」

「んー、放っておいてもいいんじゃね?魔物達の餌になるだろ」

「それもそうか。それにゴブリン死んだ後臭いが酷いしね」

「そうだな。それじゃ、引き続き探すか」

「えぇ」

 2人はゴブリンの死体を放置して一角兎を探し始めた。だが、また一角兎ではなく今回は一角狼10匹が2人目掛けて突っ込んで来ていた。今回は優が相手をすることにして異空間ボックスから1本だけ刀を取り出しもうすぐ側まで来ていた一角狼達の首を斬り落としていき優と一角狼の戦闘は一角狼が何も出来ずに優に蹂躙されて死んでいった。

「こいつらは持って帰るか」

「うん。私はどっちでもいいけど」

「ただ、冒険者ギルドに出すのは2匹だけにしておこう。10匹も出したら絡まれそうだし」

「そうね」

「それにしても一角兎いないな」

「確かに。違うところに行ってみる?」

「そうするか」

 一角狼の死体を異空間ボックスに入れていきその場から離れ場所を変えることにした。暫く歩いているとやっと1匹目の一角兎を見つけ優が気配を消し近づいて首を斬り落として異空間ボックスに入れた、その後も次々と一角兎が出てきて5匹討伐だったのに10匹近く狩ってしまっていた。2人は目標数より多く討伐したが5匹討伐したので街に戻ることにした。

 王都に戻り中に入る時に出る時にも見かけた兵士がいたのでそのまま通され冒険者ギルドに向かっていった。

 冒険者ギルドに着く頃には昼になっており中に入ると朝来た時より冒険者達がいて依頼ボードの前と酒屋の方にかなり人がいた。朝いなかった冒険者達は優とユーナスが入ってくると2人に注目していた。すると、これまた、2人ほどの男の冒険者が近づいてきた。

「おいおいおい、ここはガキが来るところじゃねーぞ」

はぁ、ここに来てテンプレか。めんどくさっ。

 もう1人の方がユーナスを見てニヤけた。

「よく見たらお前連れている女中々の上玉じゃねーか。おい、お前俺達が冒険者と言うものを教えてやるからその報酬にその女をこっちによこせ」

「なぁ、受付さん」

 ここで、朝優とユーナスの相手をしてくれて現在冷や冷やしながら見ていた受付嬢に優が声をかけた。

「は、はい!なんでしょう?」

「もしここで、俺が手を出したら何か罰とかあるのか?」

「い、いえ。今回ユウさん達は絡まれた側なので特に罰とかありませんよ」

「わかった。ありがとう」

「おい!聞いてんのか」

「無視してんじゃねーぞ!」

「うるせぇ」

「ッ!がはっ!」

ドンっ!

 優は鬱陶しそうにユーナスを寄越せと言ってきた男の鳩尾を殴りギルドの壁まで飛んでいき勢いよくぶつかり白目を向いて倒れた。

「て、てめぇ!何しやがる!」

 そう言ってもう片方の男は武器を取り出し優に斬りかかったがあっさり躱され最初の男と同じ運命を辿った。その光景を見ていた冒険者達と受付嬢達は唖然としていた。そして、優は倒れている男達に近づきお金を奪って2人は受付嬢の元に行った。

「一角兎5匹討伐の依頼を終わったんだが。あ、それとこれ、ギルドの壁が壊れたからこれで直しといてくれ」

 優は男達から奪った金を受付嬢に渡した。

「は、はい!もう終わったんですね。それでその一角兎は?」

「あぁ、ほらここだ。5匹以上討伐してしまったんだが大丈夫か?」

 優は異空間ボックスから一角兎10匹を取り出し受付嬢に渡した。

「え?い、今何処から出したんですか?も、もしかしてアイテムボックス持ちですか?」

「あー、まぁそうだな」

「なるほど。珍しいですね。もしかしたらこの後は今の光景を見てた人達はもしかするとユウさん達を勧誘してくるかも知れませんね。あと、さっきの騒動でユウさんの実力も強いってことが分かりましたしね。気をつけてくださいね。中にはよからぬ事を考える人もいますから」

「あぁ、わかった。忠告ありがとう。それでも、どうして俺が強いって思うんだ?」

「さっき2人組の冒険者を瞬殺したではないですか。彼ら素行は悪かったですが実力は赤ランクでしたからね」

「なるほど」

えー、あれで、赤ランクなのか。弱すぎだろ。

『優よそれはお主がその世界では強すぎるだけじゃ』

『それでもだろ』

 受付嬢は一角兎を奥まで持って行き暫くして戻ってきた。

「お待たせしました。依頼達成の報酬銀貨2枚と一角兎10匹の買取金額が銀貨8枚で、合計銀貨10枚になります」

「どうも。あ、それと一角狼も討伐してアイテムボックスに入ってるんだが出しても大丈夫か?」

「え?一角狼も倒してきたのですか?」

「あぁ、一応。一角兎探してる時に出くわしたからな」

「な、なるほど。そちらも買い取ることが出来ますよ」

「なら頼む」

 優は首と胴体が綺麗に別れている一角狼を出した。

「査定しますので少し待っててくださいね」

 そして、受付嬢は一旦奥に戻ると今度は男を連れて戻ってきて、その男が一角狼を持って受付嬢と一緒に戻って行った。暫く待っていると受付嬢だけ戻ってきた。

「お待たせしました。一角狼2匹で銀貨9枚になります」

 優は受付嬢から銀貨9枚を受け取り冒険者ギルドを出ていった。出ていく際何人かが優とユーナスに声をかけようと立ち上がったが優が威圧をして強制的座らせ2人は絡まれることなくギルドを出た。

「この後は昼飯を食べようと思うけど何がいい?」

「なんでもいいよ」

「なら、また屋台とかにするか。その後は昨日の盗賊達が持っていた武器とかを売
りに行こうかと思うんだがいいか?」

「うん。ねぇ、ユウ売るのは良いんだけど、どこに売るかそれと場所は分かってるの?」

「大丈夫抜かりない」

「それならいいけど」

 今回優は朝のことを学んで受付嬢にオススメの武器屋と場所を聞いていたのだ。

 2人は色々な屋台で色々な食べ物を買い食べながら武器屋に向かっていった。
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