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第一章 ティディール王国編

7.腕輪そして訓練開始

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翌日

 今日は午後から訓練があるらしいので優は朝食を食べ終わって部屋に戻り午後までゴロゴロして過ごしていた。

 そして、午後になり昼食を食べ終えたらそのまま訓練場まで行くことになった。

 訓練場に着くと鎧を着た男が数人おり全員が訓練場の中に入り終えると一人の男が前に出てきた。

「俺はティディール王国騎士団団長のガバスだ!今日から君たちには我々と一緒に訓練してもらう。そして、1ヶ月後この国の近くにある騎士団専用のダンジョンに行き、実戦形式で我々と一緒に訓練することになっている。それまでの間で自分の戦闘スタイルを決め実戦しても問題がなく戦えるようにしといてもらいたい」

 1ヶ月後にダンジョンに行くのか丁度いいなその時に魔物に襲われて死んだことにして、そのままダンジョンの最下層まで行くか。それがいいな。

だいぶ適当な優だった。

「そして、今から君たちに腕輪を渡そうと思う。この腕輪を付けていると自分たちが勇者だという事になるので、決して外さぬように。それでは1人ずつ渡していく」

 そして、腕輪を渡された皆はなんの警戒もせずに次々と腕に付けていった。

怪しいな。ちょっと見てみるか。

隷属化の腕輪
素材:オリハルコン
主人:ヘルディス・ティディール
スキル:奴隷化
効果:付けたものは自分の主人に逆らうことが出来ない。もし逆らった場合激痛が伴う。無理に外そうとする場合も同じく激痛が身体中を走り回り最悪死に至る。

 げぇっまじか。しかもオリハルコンって異世界では中々いい素材じゃ無かったか?まぁいいか。後で効果消しておくか。あと、海斗達のも消しておくか。こいつらが操られなかったら大丈夫だろ。

 他の奴らはこれが何なのか全く分かってないな。はぁ、先が思いやられるな。

 因みに優のクラスメイト達はそれぞれ腕輪をつけ、「これで俺も勇者の仲間入りだ!」とか言って喜んでいる。

「よし、全員付けたな。それでは訓練を始める。ではまず、5人ずつ組んでくれ。組み終わったら、我々騎士団が1人ずつ付き戦い方を教える」

 そして、皆は5人組を作っていった。優がどうしようかと悩んでいると海斗が近づいてきた。

「優、俺たちと一緒にやらないか?」

「ん?いいのか?俺弱いけど」

「関係ないさ!俺たち友達だろ?」

「そうだよ!優くん一緒にやろ?」

「もし周りの事が気になるなら気にしなくてもいいわよ?」

「そうですよ。音無君気にしなくても大丈夫ですよ」

「わかったよ。それじゃよろしく頼む」

 周りの人たちも組めたのが分かると、騎士団の人達がそれぞれの組へ行った。すると、優達の方に団長が近づいて行った。

「お前達には俺が着くからな。何せこのグループには勇者がいるからな。改めて俺はティディール王国騎士団団長ガバスだ。これからよろしくな」

「俺は来栖 海斗です。よろしくお願いします」

「井上 結です。よろしくお願いします」

「近衛 美咲です。よろしくお願いします」

「鈴原 莉夏です。よろしくお願いします」

「音無 優です。よろしくお願いします」

「それじゃ、まず最初にやってもらいたい事がある」

 優達は最初にガバスと軽く模擬戦をすることとなった。だが、模擬戦をするのは海斗と美咲と優の3人で結と莉夏は後で宮廷魔術師が来て魔力操作を教えてもらうとのこと。
組み手の順番だが、海斗、美咲、優となった。

 そして、海斗とガバスの模擬戦が始まろうとしていた。海斗とガバスはそれぞれ木剣をもち構えていた。

「それでは始めるか。クルスの好きなタイミングでいいぞ」

「分かりました。では、行きます」

 海斗は右足で地面を蹴り正面からガバスに斬りかかったがガバスは木剣で海斗の攻撃を弾き今度はガバスが海斗に攻撃したが海斗はとギリギリのところで受け止めそのまま後ろに下がり体制を整えた。

「よし、いいだろう大体はわかった。クルスは魔法とかも使いつつ戦う方がいいのかもしれないな。だがしっかりと鍛錬や特訓をしていくと、魔法使わずとも確実にこの世界のトップクラスの剣士にはなれるだろう。頑張れ」

「はい。ありがとうございます」

「コノエ、クルスから木剣をもらえ。好きなタイミングで攻撃をしてこい」

「分かりました。よろしくお願いします」

 美咲も海斗と同じように地面を蹴りガバスに接近した。スピードは海斗より速い。そして、横なぎに木剣を振ったがそれもガバスは難なく受け止めた、美咲はすぐさま距離を取りもう一度先ほどより速く動き今度は横から攻撃したが、それも受け止められた。

「よし、いいだろう。スピードは勇者のクルスより速いな。お前の場合はスピードを生かした戦い方がいいな。鍛錬や特訓をしていけば間違いなくお前の姿を目で追えるやつはいなくなるだろう。頑張れ」

「ありがとうございます」

「次が最後だな、オトナシ、コノエから木剣もらい構えろ。好きなタイミングでかかってこい」

「分かりました」

 まずいな、戦うにしてもどうするか、この中じゃ一番弱いことにしたいからな,,,,,,まぁスキル作って身体能力下げればいいか。制御でいいか、そして隠蔽したステータスと同じ実力になるようにっと。よし多分大丈夫かな。それじゃやるか。

 優も海斗達と同じく地面を蹴り接近して行った。

 うわぁ、体が重てぇ,,,,,,,,,それに、動きずらいな。

 優は海斗と同じように正面から攻撃をし弾かれた。だが、ガバスは海斗の時とは違って反撃をしなかった。優はもう1回攻撃をしたがまた弾かれた。

「よし、いいぞわかった。お前は戦闘に向いてないな。先程の2人より覇気を感じない。だが、一般人よりは強くなると思う。まぁだが、鍛錬と特訓は忘れるなよ」

「どうも」

 優がガバスとの模擬戦を終え海斗達の方へ戻ろうとすると、結と莉夏が知らない人2人と話何かをしていた。

「お疲れ優」

「お疲れ様音無君」

「おう。で、あの人たちは誰で結達は何をしているんだ?」

「あぁ、あの人たちは宮廷魔術師の人と王国直下の回復士で2人は今魔力操作を教えてもらってるところだ」

「なるほどな、お前らは良いのか?」

「えぇ、私達は遠慮したわ。でも後で結と莉夏に教えてもらう予定よ」

 暫く待っていると2人が優たちの方へ戻って来て、明日からの特訓内容を教えてもらい、今日は解散となったので優達は自室へ戻ることにした。

「海斗ちょっといいか?」

「ん?なんだ?」

「後でお前と美咲達それと先生と一緒に俺の部屋に来てくれ」

「何かあるのか?」

「いいや特に。今日他の奴らの様子を見てどう思ったか聞きたいだけだ」

「そういう事か。わかった後で言っておくよ」

 優は自室に着いたので海斗と別れ暫く待っていると。海斗達がきた。

「海斗には聞いたけど、皆普通だったわよ?まぁ少し浮ついてはいたけど」

「確かにそうですね。美咲ちゃんの言う通りだと思いますけど、なにかおかしな点はありましたか?」

「ん?いやないと思うぞ?ただ、海斗達はどう見えたのかなって思っただけだ」

「私もあの子達を見てましたが特に変わった様子はなかったと思います。それに、今後も大丈夫だと思いますよ」

「まぁ先生がそう言うなら大丈夫だな。いざとなったら海斗がどうにかしてくれるだろ」

「頑張るよ」

「そうだ、あと、皆の腕輪見せてくれないか?それぞれ模様が少し違うみたいだからどんなのがあるか気になってさ」

「わかったよ!はい、どうぞ」

先に見せてきたのは結だった。

どれどれ

隷属化の腕輪
主人:グラス・ティディール
スキル:奴隷化
効果:付けたものは自分の主人に逆らうことが出来ない。もし逆らった場合激痛が伴う。無理に外そうとする場合も同じく激痛が身体中を走り回り最悪死に至る。

ん?国王の名前じゃない?誰だ?もしかして、あいつかクソ王子か?それならまずいな,,,,,,,,,,,,どれだけ結が欲しいんだよ、まぁどうせ今から俺が腕輪の効果を消すんだけどな。ざまぁ

「結、ちょっと腕輪に触っていいか?」

「うん!いいよ」

「ありがとう」

よし、やるか。消去。これで効果は無くなったかな?

ただの腕輪
効果:なし

よし、消えてるな。

「見せてくれてありがとう。手触りも少し違うんだな」

「ううん、いいよ!」

「海斗達もいいか?」

「あぁ、構わないよ」

 それから優は海斗達の腕輪の効果を消していき。それぞれに見せてもらったお礼をいい、話すことも話したので海斗達は部屋に戻って行った。

あ、俺のやつ消すの忘れてた。そうだ、消してから制御でも付与して置くか。

制御の腕輪
素材:オリハルコン
スキル:制御
効果:ステータスの制御が出来る。

全くの別物になったよ。隠蔽しとくか。
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