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第八話 ラルク王子を操る者
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カトレアの脳裏に浮かんだのは、サンドリア城の裏庭にある〈家名の祠で〉あった。秘密基地の近くにあるので、いつも気になっていたのだ。
〈家名の祠〉は古く、入り口には蜘蛛の巣がはられ、分厚い埃がたまっていることから、しばらくは誰も入っていない様子だった。
「でも、婆やがいつも言っていたのを覚えてる。‘’古のとき、魔女の毒を解く粉は、家名の祠にあり。扉はドラゴンの後継者のみ開かれる‘’ってね。開くかわからないけど、行ってみましょうよ!」
カトレアは皆に説明すると、早速ソフィアの家を後にしようと準備を始めた。
「そうね、謎の言葉だけど、意味深ね。行く価値あるわ」
「でも、ドラゴンの後継者って誰だろう?」
「うーん、王家の者であるのは、間違いないわ」
「じゃあ、カトレア姫の可能性もある?」
「おてんばでも後継者になれるのか?」
サラ、ランドン、ソフィアは、口々に考えを口にしながらも、カトレアの後について行く。
「大丈夫!なんとかなるわ!」
カトレアは、根拠はないのに自信満々で言った。
△△△△△△△
祠へ行く道は簡単であった。
サンドリア国からの攻撃を守るため、兵は主に国境に送られている。
城や城下町には、警備兵や救急隊を時々見かけるだけだった。
脱走をしたカトレアを追うまでの余裕はないのだろう、カトレアにとっては好都合だった。
四人はできるだけ目立たないように、城の裏門からこっそりと入り、祠へ向かった。
「ここよ、ぼろぼろの寺院みたいでしょう」
カトレアは、祠を指さして、入り口の扉の前に立った。
「あとは、どうやったら開くのか、、」
「ここに、掌の形をした石版があります」
ソフィアは鋭い観察力で、扉の横につけられた石版を指差した。
「なんだ?これは」
ランドンは首を捻って唸る。
「たぶん、ドラゴンの後継者が、その手形に合わせて手を合わせれば、扉は開くのだと思います。今まで誰も手形が合わなかったから、古びて誰も気にしなくなったのでしょう」
ソフィアは古文書を手に取って解説する。
「じゃあ、私が、、、」
カトレアが自信なさそうに、手形に手のひらを合わせてみる。
「、、、、、」
何の反応もなく、扉は固く閉まったままであった。
「やっぱり、駄目よね、、私以外の王家、妹を連れてこようかな」
カトレアが諦めて引き返そうとしたところ、
「待って!扉があく!」
サラがカトレアの肩を掴んで叫んだ。
「え?」
手形の石版が光り輝き、扉が開き始めた。
「うそ」
カトレアは、呆気にとられてぽかんと開いた扉を見た。
「カトレア姫が、金のドラゴンの後継者だったのですね」
ソフィアは、憧れるようにうっとりとカトレアを見て言った。
「おてんばでも後継者になれるんだな」
ランドンは、感心しながら頷く。
「とにかく進もう!」
サラは戸惑っている3人の先頭を切って、祠の中に入っていく。
慌てて、カトレア、ランドン、ソフィアと続いていく。
祠の中は真っ暗であった。
サラが用意しておいたランタンに火を灯す。
「わああ」
火が照らされると、ドラゴンの像と共に、宝箱が置いてある。
「ルーン文字だわ。えーと、金のドラゴンの後継者に幸あらん。宝を持ち、勇気を持って進め、と書かれているわ」
「じゃあ、宝を開けるね」
カトレアは恐る恐る宝箱を開けると、中には粉の入った瓶が入っていた。
「これよ!毒をとく粉!まさか、本当にあったなんて」
ソフィアは、興奮して顔を上気させる。
「すげえ、まじか」
「これで、ラルク王子の憑依がとける」
「やったぜ!」
カトレアは、ラルク王子に早く会いたくてたまらなくなっていた。
王子のことを考えると、不思議と胸が高鳴り、会いたくて会いたくてたまらなくなる。
「でも、いったい、誰がラルク王子を操っているのかしら?」
カトレアは、素朴な疑問を口にしてみる。
「それはたぶん、白のドラゴンの後継者だと思います」
「白のドラゴンの後継者?」
「ええ、たぶんですが、ラリアン王国の、王家の血を引く者。女だと思います」
「そいつを突き止めて、やっつければ災いはなくなるんじゃない?」
サラは考え深い表情になって発言する。
「そうかもしれません、でも、白のドラゴンの魔力はそれは強く、誰もかなうものがいなかったから、神が封印をしたのです」
ソフィアは、困惑顔で話した。
それでも、もしかしたら何か策があるかもしれない。カトレアたちは一筋の希望を見出し、秘宝を手に入れ、サンドリア城に向かった。
〈家名の祠〉は古く、入り口には蜘蛛の巣がはられ、分厚い埃がたまっていることから、しばらくは誰も入っていない様子だった。
「でも、婆やがいつも言っていたのを覚えてる。‘’古のとき、魔女の毒を解く粉は、家名の祠にあり。扉はドラゴンの後継者のみ開かれる‘’ってね。開くかわからないけど、行ってみましょうよ!」
カトレアは皆に説明すると、早速ソフィアの家を後にしようと準備を始めた。
「そうね、謎の言葉だけど、意味深ね。行く価値あるわ」
「でも、ドラゴンの後継者って誰だろう?」
「うーん、王家の者であるのは、間違いないわ」
「じゃあ、カトレア姫の可能性もある?」
「おてんばでも後継者になれるのか?」
サラ、ランドン、ソフィアは、口々に考えを口にしながらも、カトレアの後について行く。
「大丈夫!なんとかなるわ!」
カトレアは、根拠はないのに自信満々で言った。
△△△△△△△
祠へ行く道は簡単であった。
サンドリア国からの攻撃を守るため、兵は主に国境に送られている。
城や城下町には、警備兵や救急隊を時々見かけるだけだった。
脱走をしたカトレアを追うまでの余裕はないのだろう、カトレアにとっては好都合だった。
四人はできるだけ目立たないように、城の裏門からこっそりと入り、祠へ向かった。
「ここよ、ぼろぼろの寺院みたいでしょう」
カトレアは、祠を指さして、入り口の扉の前に立った。
「あとは、どうやったら開くのか、、」
「ここに、掌の形をした石版があります」
ソフィアは鋭い観察力で、扉の横につけられた石版を指差した。
「なんだ?これは」
ランドンは首を捻って唸る。
「たぶん、ドラゴンの後継者が、その手形に合わせて手を合わせれば、扉は開くのだと思います。今まで誰も手形が合わなかったから、古びて誰も気にしなくなったのでしょう」
ソフィアは古文書を手に取って解説する。
「じゃあ、私が、、、」
カトレアが自信なさそうに、手形に手のひらを合わせてみる。
「、、、、、」
何の反応もなく、扉は固く閉まったままであった。
「やっぱり、駄目よね、、私以外の王家、妹を連れてこようかな」
カトレアが諦めて引き返そうとしたところ、
「待って!扉があく!」
サラがカトレアの肩を掴んで叫んだ。
「え?」
手形の石版が光り輝き、扉が開き始めた。
「うそ」
カトレアは、呆気にとられてぽかんと開いた扉を見た。
「カトレア姫が、金のドラゴンの後継者だったのですね」
ソフィアは、憧れるようにうっとりとカトレアを見て言った。
「おてんばでも後継者になれるんだな」
ランドンは、感心しながら頷く。
「とにかく進もう!」
サラは戸惑っている3人の先頭を切って、祠の中に入っていく。
慌てて、カトレア、ランドン、ソフィアと続いていく。
祠の中は真っ暗であった。
サラが用意しておいたランタンに火を灯す。
「わああ」
火が照らされると、ドラゴンの像と共に、宝箱が置いてある。
「ルーン文字だわ。えーと、金のドラゴンの後継者に幸あらん。宝を持ち、勇気を持って進め、と書かれているわ」
「じゃあ、宝を開けるね」
カトレアは恐る恐る宝箱を開けると、中には粉の入った瓶が入っていた。
「これよ!毒をとく粉!まさか、本当にあったなんて」
ソフィアは、興奮して顔を上気させる。
「すげえ、まじか」
「これで、ラルク王子の憑依がとける」
「やったぜ!」
カトレアは、ラルク王子に早く会いたくてたまらなくなっていた。
王子のことを考えると、不思議と胸が高鳴り、会いたくて会いたくてたまらなくなる。
「でも、いったい、誰がラルク王子を操っているのかしら?」
カトレアは、素朴な疑問を口にしてみる。
「それはたぶん、白のドラゴンの後継者だと思います」
「白のドラゴンの後継者?」
「ええ、たぶんですが、ラリアン王国の、王家の血を引く者。女だと思います」
「そいつを突き止めて、やっつければ災いはなくなるんじゃない?」
サラは考え深い表情になって発言する。
「そうかもしれません、でも、白のドラゴンの魔力はそれは強く、誰もかなうものがいなかったから、神が封印をしたのです」
ソフィアは、困惑顔で話した。
それでも、もしかしたら何か策があるかもしれない。カトレアたちは一筋の希望を見出し、秘宝を手に入れ、サンドリア城に向かった。
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