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第2章
第4話 友情
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才が作曲した曲は、メンバーに受け入れられた。三原は特に喜んでいる様子で、
「すげー。かっこいいな、この曲たち」
何度も口にして、才を讃えてくれた。一応の満足を得られた才は、その後も作曲を続け、バンドで演奏する曲は、全てオリジナルになっていった。
例の楽器屋の店員のおかげで、ライヴハウスのステージにも上がることが出来た。すでに数回行ったが、その度に山田サエ子が前列で見ており、それが才を嫌な気持ちにさせていた。
評判が悪く、人のものを奪ってでも手に入れる。三原の恋人。どこをとっても、才にはプラス要素がなかった。ただ、腹立たしい存在だ。
が、本人が目の前にいる時は、わざと大人ぶった微笑みを浮かべた。そんな時サエ子は、才を軽くにらんだ後、三原に抱きついたりして、才の気持ちをさらに逆撫でしようとする。少なくとも、才にはそうとしか思えなかった。
ライヴの後、三原はすでにサエ子とどこかに消えていた。三人でライヴハウスを出ると、その場で立ち止まり、
「今日も楽しかったな。また、よろしく」
高矢が手を振って去って行った。才も、創を見ながら手を振ると、背を向けたが、
「サエ子さんって、ひどいよな」
創の言葉に、才は思わず振り向き、
「え? 急に何言ってるんだよ」
「オレたちの前で、あんな行動を取るなんてさ。だって、わざとだよ、あの人のすることって」
「でも、必ずライヴに来てくれる上得意だよね」
才がそう言うと、創は顔をしかめた。才は、ふっと笑った後、
「スギちゃん。そんな、嫌そうな顔、しない、しない」
「するだろ、普通」
「いや。しないな」
感情を正直に出したら負けだと思うから、才は意地でも、嫌そうな顔をしない、と決めた。
「よくわかんないなー」
納得いかない表情の創に、才への友情を強く感じた。才は、微笑みを浮かべながら、
「スギちゃん、ありがとう。オレ、今、すごく嬉しいんだ」
創は首を傾げつつ、「わかんないなー」と繰り返した。
才は、再び背中を向けて、「じゃ、また明日」と言って、歩き出した。
「すげー。かっこいいな、この曲たち」
何度も口にして、才を讃えてくれた。一応の満足を得られた才は、その後も作曲を続け、バンドで演奏する曲は、全てオリジナルになっていった。
例の楽器屋の店員のおかげで、ライヴハウスのステージにも上がることが出来た。すでに数回行ったが、その度に山田サエ子が前列で見ており、それが才を嫌な気持ちにさせていた。
評判が悪く、人のものを奪ってでも手に入れる。三原の恋人。どこをとっても、才にはプラス要素がなかった。ただ、腹立たしい存在だ。
が、本人が目の前にいる時は、わざと大人ぶった微笑みを浮かべた。そんな時サエ子は、才を軽くにらんだ後、三原に抱きついたりして、才の気持ちをさらに逆撫でしようとする。少なくとも、才にはそうとしか思えなかった。
ライヴの後、三原はすでにサエ子とどこかに消えていた。三人でライヴハウスを出ると、その場で立ち止まり、
「今日も楽しかったな。また、よろしく」
高矢が手を振って去って行った。才も、創を見ながら手を振ると、背を向けたが、
「サエ子さんって、ひどいよな」
創の言葉に、才は思わず振り向き、
「え? 急に何言ってるんだよ」
「オレたちの前で、あんな行動を取るなんてさ。だって、わざとだよ、あの人のすることって」
「でも、必ずライヴに来てくれる上得意だよね」
才がそう言うと、創は顔をしかめた。才は、ふっと笑った後、
「スギちゃん。そんな、嫌そうな顔、しない、しない」
「するだろ、普通」
「いや。しないな」
感情を正直に出したら負けだと思うから、才は意地でも、嫌そうな顔をしない、と決めた。
「よくわかんないなー」
納得いかない表情の創に、才への友情を強く感じた。才は、微笑みを浮かべながら、
「スギちゃん、ありがとう。オレ、今、すごく嬉しいんだ」
創は首を傾げつつ、「わかんないなー」と繰り返した。
才は、再び背中を向けて、「じゃ、また明日」と言って、歩き出した。
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