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アルスの真実 その1
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それからアルスは語った。
この世界でこれから起きる事や、何故アルスがそのような事を知っているのかを。
そして、この世界に転生してきたという衝撃の事実を……
アルスが今まで黙ってきた秘密を今、初めて知った仲間達は……
「なるほど……。年齢の割にしては大人びている方だとは前々から思っていましたが、この話を聞いて納得しました。しかし、私達にそのような事を話しても大丈夫だったのですか? もちろん、この命にかけても秘密は守り通すつもりですが……」
エバンはゆっくりと口を開く。
皆を信頼していなかったらこんな話できない。
でも本当はこの世界がグレシアスだと知った頃、この秘密は誰にも打ち明けず、墓場まで持っていく事になるだろうなと考えていたんだけどな。
しかし、アルスが選んだ選択は皆に真実を打ち明けるというものだった。
「大丈夫。今まで一緒に生活してきて、皆がどんな人物かぐらいは分かってるつもりだし」
アルスは懐から鑑定眼鏡を取り出す。
「さっき前世の記憶があるって話したでしょ? そのお陰もあって、俺はこの世界についてとっても詳しいんだ。で、この鑑定眼鏡って道具で皆の事がある程度分かるんだけど」
「アルスの情報力……、すごい」
ニーナが純粋な瞳をアルスへと向ける。
「はは。本当は道具で仲間の信頼を判断するって事はあまりしたくないけどさ、俺をどう思っているかぐらいは分かるからそこは心配ないよ」
何より、真に重要な事は信頼してても言わない……
いや、言えないからね。
アルスは一人一人の目を見ながら話す。
「アルスが私達を信用してくれていることも分かった。でもね、それ以上に重要な事を聞きたいね……」
「これ以上に重要な事……ですか?」
アルスに焦りが見える。
ミネルヴァさんは俺に何を聞こうとしてるんだ?
この先の攻略情報?
それとも各国が持つ極秘事項……とかか?
アルスは脳裏に色々な予測を立てる。そんなアルスの不安をよそに。
「本当にあともう少しで戦争が始まるんだね?」
ミネルヴァにとって一番重要な質問がなされる。
「えっ? 戦争? あぁ、王国戦争の事ですか。それならほぼ確実に起きると思いますけど」
アルスが想定外の質問にスキを突かれたが、一呼吸おいて答える。
するとミネルヴァは顔を破顔し、嬉しさを噛みしめるように。
「あぁ……。君の元へ来て本当に良かったよ……」
「み……、ミネルヴァさん」
アルスが動揺し、辛そうな視線をミネルヴァへ送る。
「私はこの世界に退屈してたんだ……。そして、その気持ちが強くなるにつれ、こう考えるようになった……、血湧き肉躍るような、命のやり取りが一瞬のうちに交わされる戦場に身を預けたいってね……。もちろん、アルスと一緒に過ごす平穏も嫌いじゃない……でもね……」
するとミネルヴァはアルスの表情に気が付き。
「そんな顔するんじゃないよ。私はアルスの側にずっといるつもりだし、死ぬつもりなんて毛頭ない。それに、必要だろう? こんなあたしがさ……。だから、アルスが私を使っておくれ、そうすれば私は大丈夫な気がするからさ……」
ミネルヴァはアルスを抱きしめながら頭に手を置き、撫でる。
そうだ。
前世でもミネルヴァさんは傭兵としてあちこちの戦場を駆け回り、名を馳せた女傑。だが、他の魔女の人たちは訳があって戦場に出てたのに対し、ミネルヴァさんだけは特に深い理由もなく、傭兵として戦場を暴れまわっているという描写がちょくちょくなされていた。
そんな時、王都の奴隷館でウルドに言われた言葉がふと蘇ってきた。
この世界でこれから起きる事や、何故アルスがそのような事を知っているのかを。
そして、この世界に転生してきたという衝撃の事実を……
アルスが今まで黙ってきた秘密を今、初めて知った仲間達は……
「なるほど……。年齢の割にしては大人びている方だとは前々から思っていましたが、この話を聞いて納得しました。しかし、私達にそのような事を話しても大丈夫だったのですか? もちろん、この命にかけても秘密は守り通すつもりですが……」
エバンはゆっくりと口を開く。
皆を信頼していなかったらこんな話できない。
でも本当はこの世界がグレシアスだと知った頃、この秘密は誰にも打ち明けず、墓場まで持っていく事になるだろうなと考えていたんだけどな。
しかし、アルスが選んだ選択は皆に真実を打ち明けるというものだった。
「大丈夫。今まで一緒に生活してきて、皆がどんな人物かぐらいは分かってるつもりだし」
アルスは懐から鑑定眼鏡を取り出す。
「さっき前世の記憶があるって話したでしょ? そのお陰もあって、俺はこの世界についてとっても詳しいんだ。で、この鑑定眼鏡って道具で皆の事がある程度分かるんだけど」
「アルスの情報力……、すごい」
ニーナが純粋な瞳をアルスへと向ける。
「はは。本当は道具で仲間の信頼を判断するって事はあまりしたくないけどさ、俺をどう思っているかぐらいは分かるからそこは心配ないよ」
何より、真に重要な事は信頼してても言わない……
いや、言えないからね。
アルスは一人一人の目を見ながら話す。
「アルスが私達を信用してくれていることも分かった。でもね、それ以上に重要な事を聞きたいね……」
「これ以上に重要な事……ですか?」
アルスに焦りが見える。
ミネルヴァさんは俺に何を聞こうとしてるんだ?
この先の攻略情報?
それとも各国が持つ極秘事項……とかか?
アルスは脳裏に色々な予測を立てる。そんなアルスの不安をよそに。
「本当にあともう少しで戦争が始まるんだね?」
ミネルヴァにとって一番重要な質問がなされる。
「えっ? 戦争? あぁ、王国戦争の事ですか。それならほぼ確実に起きると思いますけど」
アルスが想定外の質問にスキを突かれたが、一呼吸おいて答える。
するとミネルヴァは顔を破顔し、嬉しさを噛みしめるように。
「あぁ……。君の元へ来て本当に良かったよ……」
「み……、ミネルヴァさん」
アルスが動揺し、辛そうな視線をミネルヴァへ送る。
「私はこの世界に退屈してたんだ……。そして、その気持ちが強くなるにつれ、こう考えるようになった……、血湧き肉躍るような、命のやり取りが一瞬のうちに交わされる戦場に身を預けたいってね……。もちろん、アルスと一緒に過ごす平穏も嫌いじゃない……でもね……」
するとミネルヴァはアルスの表情に気が付き。
「そんな顔するんじゃないよ。私はアルスの側にずっといるつもりだし、死ぬつもりなんて毛頭ない。それに、必要だろう? こんなあたしがさ……。だから、アルスが私を使っておくれ、そうすれば私は大丈夫な気がするからさ……」
ミネルヴァはアルスを抱きしめながら頭に手を置き、撫でる。
そうだ。
前世でもミネルヴァさんは傭兵としてあちこちの戦場を駆け回り、名を馳せた女傑。だが、他の魔女の人たちは訳があって戦場に出てたのに対し、ミネルヴァさんだけは特に深い理由もなく、傭兵として戦場を暴れまわっているという描写がちょくちょくなされていた。
そんな時、王都の奴隷館でウルドに言われた言葉がふと蘇ってきた。
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