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10巻

10-1

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 プロローグ


 邪素吸着じゃそきゅうちゃくマスク越しに入ってくる空気を吸いながら、私――ミレは川辺に落ちている石を拾った。
 短剣を取り出し、その石についたこけけずり取り、マスクの内側に手を入れて食べる。
 そして、忌々いまいましく思いながら川辺に溜まっている水を見た。
 いつもよりんでいる水面が、私の顔を映し出している。
 切りそろえられた黒いかみに、するどい目つき。唯一、アクセサリーと呼べるものは髪飾りに使っている音の鳴らないすずくらいで、女らしさなんて一切感じられない。
 当たり前の話だが、鼻から下の部分は邪素吸着マスク――空気中の邪素を体に取り込まないようにするためのマスクでおおわれて隠れている。

「はぁ……」

 目の前には美味おいしそうな水があるというのに、これを飲むことは許されない。
 水筒すいとうの水は残りわずかなので取っておきたい。
 私は別の石を拾い、苔を削り、マスクの内側に手を入れて食べる。
 これでも十分に水分は補給できるのだが、短剣で削るのにも、消化するのにも体力を消費するため、非常に効率が悪い。
 なにより美味しくない。
 ぴりっと舌をす辛味も慣れると悪くはないのだが、飲み込む時に押し寄せてくる苦味に私は顔をしかめた。
 早く居住区に戻って、浴びるほど水を飲みたいものだ。
 そのためにも、早くを見つけないといけない。
 私は川辺を離れ、荒野を進む。
 草一本生えない荒れ果てた大地、普通の生物ならば数日すらも生きていけぬ地。
 それは人ですら例外ではない。
 だが、普通ではない生物は存在する。

「いたわ」

 私は岩陰から、目標を見る。
 種族名はワイルドボア――いのしし型の魔物だ。
 これ以上は近付けない。
 隠れる場所がないからだ。
 息を殺し、気配を消し、私は岩にピッケルを二箇所打ち込んだ。
 音が荒野に響く。
 ワイルドボアが音に気付き、周囲を見回す。しかし幸いなことに、風下かざしもにいる私には気付いていない。
 私はクロスボウを構え、ワイルドボアがこちらに背を向けた瞬間に矢を放った。
 ――刺さった!
 矢はしっかりワイルドボアの臀部でんぶに刺さっていた。
 ワイルドボアが思わぬ攻撃に走り出す。
 当然、こちらに背を向けていたわけだから、逃げ出すのは私がいる場所とは逆の方向だ。
 このままだと逃げられる。
 だが、矢には細く丈夫なワイヤーが二本ついていた。その先は、私が先ほど打ち付けたピッケルに固く結ばれている。矢も深く刺さり、抜ける様子はない。
 私が隠れている場所にまで、ワイルドボアの咆哮ほうこうが聞こえてきた。
 痛みによるものか、それとも怒りによるものかは私にはわからないし、わかる必要もない。
 私がすることは、ただ逃げられる前に殺すだけ。
 私は前に向かって走った。
 逃げられないとさとったワイルドボアは、私に気付くとこちらに向かってけ出した。
 戦う気だ。
 居住区にいる農耕馬のうこうばよりもはるかに速い。
 私は横にかわすとワイルドボアは速度をゆるめて旋回せんかいしようとするが、速度が緩んだそのタイミングで、私は足下のワイヤーを引っ張る。
 ワイヤーがワイルドボアの身体に食い込み、血がき出す。私も手袋をしていなければ、両手の指が千切れていただろう。
 しかしワイルドボアは傷つきながらもこちらを見据え突撃する。
 だが、その速度は明らかに落ちてきた。
 私は今度は横に躱すのではなく、上に跳んだ。
 体をひねって、ワイルドボアの背に乗り移ると、短剣を抜き、首の部分に突き刺した。
 ワイルドボアは最後の抵抗にと暴れるも、その行為が寿命じゅみょうをさらに縮める。
 徐々に暴れる力が失われていき、最後には動かなくなった。

「ふぅ……」

 なんとか怪我せず倒すことができた。
 私は一安心するも、気を緩めたのはつかの間。
 道具を使ってピッケルを抜き、ワイヤーについた血をぬぐい取り、矢と一緒に回収する。
 ワイヤー付きの矢は便利だけど、一度使うと再度使えるようにするために時間がかかるのが厄介やっかい。慌てて回収すれば絡まるからなおさらだ。
 その点、短剣はいい。
 手入れは必要だが、連続で使えるし、なにより嵩張かさばらない。
 お金が溜まれば、もう少し切れ味がいい物を手に入れたいが、ハンターの中でも特に地位が低い食糧調達ハンターのままだと、日々の生活で精一杯だ。
 ただ、いま仕事をしなければ、その日々の生活すらままならなくなる。
 私は気持ちを切り替え、ワイルドボアの解体を始める。
 ここでするのは、血抜きと内臓を取り出すくらいの簡易なものだが、それでも体力を使う。
 喉が渇いてきた。
 さっき採取した苔を食べるか、それとも残り少ない水を飲むかと考えながら、結局どちらも選ばずに内臓を取り出す。
 内臓は保存が利かないので焼いて食べようかと思った、その時だった。
 私は気配が近付くのに気付いた。
 まさか、ワイルドボアに仲間が? と思ったが違う。
 気配は上空から感じたからだ。

「ワイバーンっ!?」

 ワイバーンとは、巨大なつばさを持つトカゲのような亜竜だ。魔物とは違うらしいけれど、人間の天敵という点では同じことだ。
 もしかして、血の臭いに気付いて――と思ったが、どうやらこの上空を通り過ぎるだけのようだ。

「え?」

 しかし私は思わず声を上げた。
 ワイバーンが何か――おそらくは人間を鷲掴わしづかみにしていたからだ。
 ここからだと男性か女性かもわからないが、何やら抵抗しているし、生きているのだけはわかる。
 どうやら短剣を抜き出し、ワイバーンの足を刺そうとしているようだが……え?
 慌てて混乱したのか、掴んでいるワイバーンの足ではなく、自分の肩を剣で刺していた。
 三度目の正直ということもあり、その人物は三度目の攻撃でなんとかワイバーンの前脚に短剣を突き刺していた――直後に短剣を落としてしまったけど。
 すると、ワイバーンがその人物を掴んでいたその前足を開いた。
 って、あんなところから落ちたら死ぬ!
 受け止めようかと一瞬脳裏のうりをよぎったが、助けるどころか巻き込まれて死ぬだけだ。
 だが突然、落下してくる人が、かばんから布のようなものを取り出したかと思うと、その布が広がり、空気を受け止め始めた。

落下傘らっかさん!?」

 思わずさけぶ。
 古代、鉄の船が空を飛んでいたという時代に上空から落下するために布で作られた落下傘と呼ばれるものがあった、という伝承がある。そのようなものが実在するとは思わなかった。
 しかも落下傘は最初から鞄の中に入っていたのではなく、落下中に作られていた。
 何を言っているんだ? って思われるかもしれない話だけど、事実だ。
 落ちてくる人間が取り出したのは、あくまで布とひもと糸であり、落ちてくる僅かの間にそれを体にくくってってまとめて落下傘に仕上げていたのだ。
 さっき、ワイバーンを刺そうとして自分の肩を刺したり短剣を落としたりした人物と同じとは思えない。
 このまま降りてくるのかと思いきや、ワイバーンが旋回して戻ってきて、落下傘を鋭い爪で切りいた。
 そのせいで落下速度が一気に増し、地面に激突した。
 ワイバーンは私に気付いたのか、それ以上は追撃せずに飛び去っていく。
 ワイバーンは強いけれど臆病おくびょうな性格でもある。二対一になることを恐れたのかもしれない。
 そして、落ちてきた人物を見る。

「生きてる……のかしら」

 よほど打ちどころが悪くなければ死ぬような高さではなかったが、ピクリとも動いていない。
 と思ったら、僅かに動いた。
 どうやら生きているようだ。
 私は背後のワイルドボアの死体を見て――狙ってくる他の魔物がいないことを確認すると、その人物に近付く。

「男の子……よね。でも……」

 倒れていたのは銀色の髪の、十五、六歳くらいの少年だった。見たことがないので、他の居住区の者だろう。
 そして驚くことに、彼は邪素吸着マスクを着けていなかった。
 ワイバーンに捕まっていた時に落としたのだろうか?
 一応予備のマスクを持っているけれど――

「かわ……いい……」

 女である私より可愛らしい少年だ。
 邪素吸着マスクで顔を隠すのが勿体もったいなく思えるが、そんなことを言っていられないので予備のマスクを着けてあげる。
 どうやら頭を打っているようだが、命に別状はなさそうだ。
 私は彼を担いでワイルドボアの側に戻り、持ってきていた炭と火打石で火をおこし、ワイルドボアの内臓を短剣に突き刺して焼く。

「ん……あれ……」

 匂いにつられたのか、少年が目を覚ます。

「あれ? 僕は――」
「大丈夫? ワイバーンに捕まってたのよ」
「ワイバーンに……? お姉さんが助けてくれたんですか?」
「落下傘のこと、覚えてないの?」
「ラッカさん? 誰ですか?」
「その布よ」

 私は回収しておいた落下傘を指差すが、少年はキョトンとした顔でそれを見ていた。
 もしかして頭を打ったショックで記憶を失ったのだろうか?
 いや、そもそも、この布のことを落下傘と呼ぶことを知らなかったみたいだ。「これ、落下傘って呼ばれてるんですか」と言っているし。

「あなた、どこの居住区から来たの?」
「あ……えぇと」
「言えないの?」

 ――この子、たぶん追放者だ。
 追放者というのは、住んでいる居住区から何かしらの理由で追放された人間のことだ。
 犯罪者はもちろんだが、口減らしのために居住区から追放されることもある。
 見た目は純粋無垢じゅんしんむくな少年という感じで犯罪なんてできなさそうだし、やっぱり後者だろうか?

「あの、このマスクはなんですか?」
「邪素吸着マスクよ。知らないの?」
「邪素吸着……邪素をくっつけて体内への侵入を防ぐ道具でしょうか」
「ええ、そうよ」

 この世界は二つの理由で死んでいる。
 一つ目の原因は、空に浮かぶ黒い雲である。
 あれによってばらかれる邪素は、少量ならば問題ないが、多量に吸い込むと死に至る恐ろしいものだ。
 川の水も湖の水も邪素によって汚染され、人間は飲むことも許されない。
 もっとも、その邪素がなければ、私たち人間は生き残ることができなかったのだから、皮肉である。
 邪素吸着マスクは、空気中の邪素を吸着し、こうして邪素に満ちた世界でも生きることが許される。

「お肉食べる? 内臓、一人じゃ処理しきれないから」
「あ、すみません。任せてしまって。準備手伝います」

 少年はそう言うと、鞄の中からうすい鍋を取り出した。
 この子、追放されたのに悠長ゆうちょうに鍋なんて持ち歩いているの?

「あれ? 僕の短剣――」
「あぁ、それなら落ちてたから回収しておいたわよ」

 私はそう言って短剣を返すと、彼は「ありがとうございます」とマスク越しでもわかる笑顔で言う。
 鉄製の短剣だけれども、明らかに名匠めいしょう逸品いっぴんで、正直、これを自分のものにできなかったことは残念に思っている。
 命を助けたお礼に貰えばよかったかと、少し後悔して目を閉じた。
 視界がまぶたによってさえぎられた直後、これまでいだことのない匂いが鼻腔びくうに押し寄せてきた。

「準備ができました」
「……え?」

 気付けば、少年の持っている底の薄い鍋には焼け上がった肉が、ご丁寧ていねいなことに鉄串てつぐしに刺さった状態で置かれていた。いつの間に鉄串を用意したのかわからない。
 そもそも、焼き上がるのが一瞬すぎる。

(なに? あの鍋、遺物いぶつ?)

 遺物というのは、かつて天上の世界に去った人々が残した、すさまじい力を秘めた道具のことだ。
 それにしても、不思議――肉を焼いただけにしては香ばしい香りが。
 と少年のかたわらに置かれている小さな実の入っているびんに目が移る。

「それは?」
胡椒こしょうです」
「胡椒ってっ!?」

 胡椒といえば、輸送隊キャラバンが極稀に運んでくる香辛料で、その価格はその瓶一本で私のかせぎの何カ月分にも相当する。
 そのような貴重な物を持ち歩いているなんて。
 よく見れば、胡椒だけでなく岩塩も使っているようだ。

「あの、もしかして胡椒お嫌いでした?」
「いや、食べたことがなくて……って、私も食べていいの?」
「ええ、もちろんです」

 マスク越しでもわかる柔和にゅうわな笑みを浮かべ、彼は串を一本私に渡してくれた。
 口に含んだ瞬間、内臓の持つ肉の旨味と甘味が一気に口の中に広がる。塩、胡椒の効果もあるが、焼き加減も完璧だ。

「はい、お水どうぞ」

 少年が水袋を私に差し出す。

「いいの? 水まで貰って」
「はい。魔素――じゃなくて、邪素は入ってませんから。僕もお肉分けてもらいましたし」

 彼はそう言って水の入っている袋を私に渡した。
 念のため、指に一滴いってき垂らしてスキルを使う。

「《鑑定》」

 青く光った。
 邪素は含まれていないようだ。
 安心して喉をうるおす程度に水を頂いた。

「ごめんなさい、あなたを信用していないわけじゃないけど、一応、飲み水はチェックしてるの」
「いえ、初めて会ったわけですから用心は大切だと思います」

 彼は気分を害した様子もなく、そう答えた。
 そして、久しぶりに調理された感じのする食事を終えたところで、彼が私にたずねた。

「これからどうするんですか?」
「ワイルドボアを居住区まで運ぶ予定。君は行く当てはあるの?」
「第三十八居住区を目指そうと思っています。そこを目指していたのですが、途中でワイバーンにさらわれて仲間とはぐれてしまって」
「三十八ってここからかなり遠いわよ?」

 いったいどこから運ばれてきたのだろう?
 ワイバーンの速度なら、人間の足で数週間かかる距離でも数時間でやって来られるのか。

「とりあえず一度私の居住区に来なさい。ワイルドボアを運ぶのを手伝ってくれたら、お礼もするから。第三十八居住区には、輸送隊キャラバンが来た時に事情を話して送ってもらえばいいわ」
「……はい、是非ぜひお願いします!」

 彼は少し考えた後頷いてそう言うと、ワイルドボアを持ち上げた。
 って、え?
 二百キロくらいあるのに、一人で持ち上げるの?
 私一人だったら高く売れる部位しか持って帰ることができなかったのに。

「僕、戦うのが苦手で。でも、荷物持ちならしたことがあるので、任せてください!」
「……そ、そう。うん、任せるわ」

 彼の手伝いがあっても、運べる量は半分にも満たないと思っていた。
 思わぬ幸運ではあるのだけど――
 この子、本当に何者なのっ!?
 頭が混乱してきた。


 この世界は過去に一度滅んだ。
 否、現在進行形で滅んでいると言った方が正しいだろうか?
 なんでも、遥か昔の偉い人が、無限のエネルギーを手に入れようとして、禁忌きんきの怪物を生み出してしまった。その怪物は邪素を生み出し、世界を普通の人には生活できない場所に作り替えた。
 そのため、偉い人はこの世界をてた。
 新しい世界を作り出して移住し、悪魔のとうとよばれる施設によってこの世界を封印した上にエネルギーを吸い上げた。
 そのせいで、この世界では植物はほとんど育たなくなる死の世界になることを知っていながら。
 わたびとと呼ばれる新しい世界に移住した人間がどうなったかはわからない。
 ただ、私たちの先祖はこの世界に残ると決め、そして五千年以上経った今もこうして私たちは生きている。


「そういえば、お互い自己紹介がまだだったわね。私はミレよ。あなた、名前は?」
「僕はクルト・ロックハンスと申します」

 これは、ちょっと変わった少年――クルトとの出会いから始まるみにくい世界の物語だ。



  
 第1話 旧世界の居住区


 昔、人間が住んでいる世界は一つしかなかった。
 昔の人は、いまよりも遥かに進んだ技術を持っていて、魔素から物質を生み出す技術について研究していた。
 そして、無限に魔素を作り出すモノを生み出した。
 そのモノは本来であれば人々に無限の富を与えるはずだった。
 だが、そのモノは人々に牙をいた。
 邪気とも呼ばれる汚染された魔素は人々の身体をむしばみ、そして魔物を生み出した。
 そのモノは禁忌の怪物と呼ばれ、世界中の脅威きょういとなった。
 このままでは人類が滅びてしまう――そうなった時、突如とつじょ現れた大賢者だいけんじゃみちびきにより、人々は新しい世界を創って、そこに移住することになった。
 そして、その事実は長い年月の間に歴史の闇に消えた。
 その大賢者というのが、僕の娘のアクリであり、そしてアクリと一緒に人々を新しい世界に導き、二つの世界をつなぐ賢者の塔を管理してきたのが、僕の昔の仲間のバンダナさんだった。
 それから時が流れて、僕――クルト・ロックハンスがミレさんに出会うより、少し時間がさかのぼる。


 地上に現れた禁忌の怪物の一部を倒したことにより、かつての世界――旧世界を覆っていたきりが僅かに晴れた。その後、賢者の塔からバンダナさんが見つけたのは、旧世界に生き残っている人がいる痕跡こんせきだった。
 それを見つけたバンダナさんは、かつての仲間であるゴルノヴァさんとマーレフィスさんに調査の依頼をしたんだけど、二人は何者かに襲われ、行方ゆくえ知れずになってしまった。
 そこで、僕は工房で一緒に働くユーリシアさんと、リーゼさん、そして娘のアクリの四人でこちらの世界の調査に訪れた。
 目的は二つ。
 一つは、行方不明になったゴルノヴァさんとマーレフィスさんの捜索そうさく
 そしてもう一つが、こちらの世界で生き残っている人たちを保護し、僕たちの世界に連れて帰ること。
 この二つだったんだけど――まさか、生き残っている人が簡単に見つかるなんて思いもしなかった。
 かつて大きな街があったと言われる場所に向かうと、普通にその街は今も存在したのだ。


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