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幕間話4

没SS 忘れられたエルフ(6巻の後日談)

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「ミシェルです。師匠――オフィリア様に報告をして、温泉宿に帰ったら、全部終わってみんなもう家に帰っていました」

 私――ミシェルは浴衣を着て、涙を流してそう言った。
 酷いです、みんな私のことを完全に忘れていたんです。

「この店、数日前に来たばかりなのに、『初めてのお客様ですね』と言われました」

 私に温泉饅頭を持ってきてくれたルナさんが、「申し訳ありません」と言った。
 あの時は確かにルナさんはクルトさんにばかり気を取られていたから、私のこと絶対覚えていないだろうなぁと思っていました。
 でも、なんで裏切らなくていい期待は裏切らないのでしょうか?

「仕方なく、町に戻ろうとしたら、転移石の利用時間が過ぎていました」
「結構厳しいですから。転移結晶を持っているのは凄いじゃないですか」
「私が泊まっていた宿は改装のために泊まれず、別の宿に泊まって帰ろうと思って、シルバー割引き申請したら、エルフは対象外ですと断られました。私、八十歳なのに」
「それは……仕方ないのでは?」
「どっちにしても満室だから泊まれないと断られました」
「……ええと……」
「……全部の宿で」
「……それは……」
「今日泊まる宿がありません」 
「……悲しいですね」
「……悲しいです」

 私は涙を流して、お茶を飲みました。
 あれ、このお茶、塩が入っているんじゃないでしょうか?
 なんか前に飲んだ時よりしょっぱいです。

「そろそろ閉店の時間です」

 ルナさんが言いました。
 お茶がしょっぱいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「というサイドストーリーが掲載される予定でしたが、ページ数のせいで割愛されました……悲しいです」
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