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幕間話
虫歯SOS
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私、ユーリシアがその異常事態に気付いたのは、井戸から汲んできたばかりの冷たい水を飲んだその時のことだった。
左上の奥歯に激痛が走ったのだ。
急いで大浴場へと向かい、脱衣場の鏡で自分の奥歯を見たが。しかし、それだけでは確認できなかったので、恐る恐る鏡を見ながら、右手人差し指を口腔内へと入れ、痛みが走った場所に触れた。
「…………っ!?」
鋭い痛みが走った。剣で斬られても耐えることができる私が、耐え難い激痛が。
「なるほど、虫歯ですか」
「リーゼ、いつの間に!?」
振り返ると、バスタオルを巻いているリーゼがそこにいた。
「ずっといましたよ。それより、ユーリさん。今すぐ私と接吻してください」
「はっ!? まさか、リーゼ! お前、クルトがなかなかなびいてくれないからって私に恋愛感情を抱いたのかっ!?」
「そんなわけないではありませんか。万が一にもあり得ないことですが、それでも仮にクルト様が私以外の女性と結婚するようなことがあろうとも、それでも私はクルト様を一途にお慕い申し上げます」
「それも迷惑な女だと思うが、しかし、なんで私とキスする流れになるんだ?」
「虫歯は接吻をすれば感染するといいます。私は虫歯になりたいのです」
「なんで……っつ!」
驚いた拍子に歯に再度痛みが走って、私は思わず頬を押さえた。
「実は先日、カンスさんが虫歯になったそうなのですが、その時にクルト様が薬で一瞬にして治してくださったのです」
「それは本当か?」
だとしたら、私もその薬で治してもらったらこの痛みとはおさらばだ。
「はい、クルト様が直接指で薬を塗ってくださるのです」
「そうかそうか、クルトが直接薬を塗るのか。それなら安心……ん?」
待て。直接というのは、つまりは痛みのある場所に薬を塗るってことだよな?
つまり、私の口の中。
「気付いたようですね、ユーリさん。そう! クルト様の細い指が私の口の中の一番奥の奥にまで入ってくるのです。その時、私の粘液がクルト様の――」
「ま、待て! それ以上変な表現を出すな!」
って、それはマズイだろ!
ただの治療行為だというのはわかっているけれど、それは嫌だ。
口の中をマジマジと見られるだけでも恥ずかしいのに、そんな奥の奥までなんて。
ダメだ!想像しただけで顔が赤くなってくる。
「では、話も終わりましたので、ユーリさん。覚悟してください。その後は治療してもらいにいったらいいです」
リーゼはそう言って、今にもキスできる体制で私に飛び掛かってきた。
「どっちも覚悟できるかっ!」
私は脱衣所から逃げ出した。冒険者の脚力舐めるなよっ!
と思った次の瞬間、
「ユーリさん、逃がしませんよ!」
リーゼの体当たりにより私はその場に倒れてしまった。
「お前はクルトが絡んだら化け物かっ! なんで一瞬で追いついたんだ」
「いいではありませんか! さぁ、私にその虫歯菌を渡すのですっ!」
「よくないっ! ダメだ、キスなんて、キスなんて――」
「大丈夫です、女性同士ならノーカウントです。私のファーストキスはクルト様に捧げるのですから」
「お前が気にしなくても私が気にするんだ!」
そう叫んだ、その時だった。
「あ……すみません。えっと、掃除をしに来て……あとは……仲良くしてください。あと、リーゼさん、服を着ないと風邪をひきますよ」
クルトは気まずそうにそう言うと、足早に立ち去った。
「違うっ!」「違いますわっ!」
私たちの悲痛な叫びは、果たしてクルトに届いたのかどうか。
ちなみに、虫歯はクルトから薬を貰って、自分で塗ることで簡単に治療できた。
そして、リーゼはその後も虫歯になることはなかったという。
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歯が痛いので小説が書けない状態なので、
とりあえず歯が痛い小説を書きました。
左上の奥歯に激痛が走ったのだ。
急いで大浴場へと向かい、脱衣場の鏡で自分の奥歯を見たが。しかし、それだけでは確認できなかったので、恐る恐る鏡を見ながら、右手人差し指を口腔内へと入れ、痛みが走った場所に触れた。
「…………っ!?」
鋭い痛みが走った。剣で斬られても耐えることができる私が、耐え難い激痛が。
「なるほど、虫歯ですか」
「リーゼ、いつの間に!?」
振り返ると、バスタオルを巻いているリーゼがそこにいた。
「ずっといましたよ。それより、ユーリさん。今すぐ私と接吻してください」
「はっ!? まさか、リーゼ! お前、クルトがなかなかなびいてくれないからって私に恋愛感情を抱いたのかっ!?」
「そんなわけないではありませんか。万が一にもあり得ないことですが、それでも仮にクルト様が私以外の女性と結婚するようなことがあろうとも、それでも私はクルト様を一途にお慕い申し上げます」
「それも迷惑な女だと思うが、しかし、なんで私とキスする流れになるんだ?」
「虫歯は接吻をすれば感染するといいます。私は虫歯になりたいのです」
「なんで……っつ!」
驚いた拍子に歯に再度痛みが走って、私は思わず頬を押さえた。
「実は先日、カンスさんが虫歯になったそうなのですが、その時にクルト様が薬で一瞬にして治してくださったのです」
「それは本当か?」
だとしたら、私もその薬で治してもらったらこの痛みとはおさらばだ。
「はい、クルト様が直接指で薬を塗ってくださるのです」
「そうかそうか、クルトが直接薬を塗るのか。それなら安心……ん?」
待て。直接というのは、つまりは痛みのある場所に薬を塗るってことだよな?
つまり、私の口の中。
「気付いたようですね、ユーリさん。そう! クルト様の細い指が私の口の中の一番奥の奥にまで入ってくるのです。その時、私の粘液がクルト様の――」
「ま、待て! それ以上変な表現を出すな!」
って、それはマズイだろ!
ただの治療行為だというのはわかっているけれど、それは嫌だ。
口の中をマジマジと見られるだけでも恥ずかしいのに、そんな奥の奥までなんて。
ダメだ!想像しただけで顔が赤くなってくる。
「では、話も終わりましたので、ユーリさん。覚悟してください。その後は治療してもらいにいったらいいです」
リーゼはそう言って、今にもキスできる体制で私に飛び掛かってきた。
「どっちも覚悟できるかっ!」
私は脱衣所から逃げ出した。冒険者の脚力舐めるなよっ!
と思った次の瞬間、
「ユーリさん、逃がしませんよ!」
リーゼの体当たりにより私はその場に倒れてしまった。
「お前はクルトが絡んだら化け物かっ! なんで一瞬で追いついたんだ」
「いいではありませんか! さぁ、私にその虫歯菌を渡すのですっ!」
「よくないっ! ダメだ、キスなんて、キスなんて――」
「大丈夫です、女性同士ならノーカウントです。私のファーストキスはクルト様に捧げるのですから」
「お前が気にしなくても私が気にするんだ!」
そう叫んだ、その時だった。
「あ……すみません。えっと、掃除をしに来て……あとは……仲良くしてください。あと、リーゼさん、服を着ないと風邪をひきますよ」
クルトは気まずそうにそう言うと、足早に立ち去った。
「違うっ!」「違いますわっ!」
私たちの悲痛な叫びは、果たしてクルトに届いたのかどうか。
ちなみに、虫歯はクルトから薬を貰って、自分で塗ることで簡単に治療できた。
そして、リーゼはその後も虫歯になることはなかったという。
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歯が痛いので小説が書けない状態なので、
とりあえず歯が痛い小説を書きました。
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