~【まおうすくい】~

八咫烏

文字の大きさ
上 下
10 / 55

第10話『暗中飛躍』

しおりを挟む





その日、人々は、恐怖でその身を震わせた。
1日で3回も発生した大地震は、日付を変えても続き、最終的に4回も、帝都を襲った。
人々は地震の恐怖に怯えながら過ごす中、堂々と歩く者たちがいた。
その者たちは、口々に、神の怒りだと叫び、怒りに触れた可能性のある政策を、即刻中止するべきだと主張した。
その者たちの正体は、赤い髪を持っている、という理由だけで家族を捕らえられた人たちだった。
その中には、当然、ユーカとヴェルが泊まっている宿の主人もいた。
帝都の建築物は、ヴェルが魔法を使う際に、あらかじめ、ドラゴンの加護を応用した保護魔法を使っていたので、崩れるどころか、ヒビひとつなかったが、保護魔法をかけなかった、石畳の道は見るも無残にヒビ割れ、ところどころ、隆起したり沈降したりしていた。
それにより、流通がマヒし、一部ではパニックが起きそうな所もあった。
そんな中、家族を捕らえられた者たちが、口々に神の怒りだと叫ぶので、それに便乗し始める者も少なくはなく、最終的に、数千人規模にまで膨れ上がった。
帝国軍は、すでに暴動の一歩手前までに成り果てている住民の鎮圧を行おうとするものの、至る所で妨害を受け、後手に回ってしまい、対応が遅れてしまっていた。
他の住民が参加してきたタイミングで、赤い髪の毛を持つ家族を捕らえられた者たちは、すぐに抗議活動から離れ、すでに、各々の自宅へと帰っていた。
宿の主人も例外ではなく、ユーカとヴェルが、貸切状態の宿の1階でくつろいでいたところ、昼前に帰ってきた。

「あら、ご主人。おかえりなさい。」

「ユーカ様、ヴェル様、本当にこの様なことで妻は助かるのでしょうか?」

「心配いらぬぞご主人よ。ユーカが助けると言うたのじゃ、お主の妻は必ず助かるであろう。」

「それで、次は何をすればよろしいのですか?」

「そうね、明日は私たち、支部戦に出なければならないの。だから、一日中身動きが取れないのよ。」

「はい、存じております。ご健闘をお祈り申し上げます。」

「それでね、明日はコレをばら撒いて欲しいのよ。」

「コレは…。」

そこには、大量の紙があり、それにはこう書かれていた。
『赤い髪を持つ神の怒りは、これだけには留まらないであろう。すべての地震の原因は、赤い髪を持った同志を捕らえられたことにより、赤神が怒りを露わにした事にある。』

「まぁ、プロパガンダってやつなんだけどね。明日は帝都中に、このビラを撒いて欲しいの。」

「うむぅ…我のお小遣いで買ったのじゃ、すべて、しっかりと、確実に、配るのじゃぞ!」

「良いじゃないの…沢山あったんだから。」

「あのお金は我が自分で稼いだのじゃ!」

ぷんぷんと怒るヴェルとぺこぺこと頭をさげる主人とに板挟みにされ、ユーカは戸惑い、慌ててふたりから距離をとる。

「ま、まぁ…遅くても1週間以内にはケリがつくはずだわ!」

「うむ、しかし…この混乱で、支部戦が無くならなければ良いのじゃが。」

「それは大丈夫よ。もし中止なんてしたら、皇帝の威信に関わるんだから。」

「でもでも…我、ちぃっとばかし気合を入れすぎてしもうて…道をボロボロにしてしもうた。」

「道なんてなくても、支部戦はできるわ。」

「それもそうじゃな。」

「ごめんくださーい、郵便です!」

主人が昼食の準備へと厨房に消えた後、しばらくしてから、元気の良い少年が、郵便の配達にやって来た。

「どうもありがとう。ここにサインをすれば良いのかしら?」

「はい、お願いします!」

「どれどれ…はい。これで良いら?」

「確認しました!ありがとうございました!」

そう言って少年は、元気に宿を出て行った。
ユーカは、受け取った郵便の封を開き、ヴェルと一緒に中を確認する。

「ほら、予定通り開催するみたいよ。」

「うむ、楽しみじゃのう!」

「会場は…闘技場ってあるわね。どこかしら?」

「後でご主人に尋ねてみるかや?」

「そうね、地元の人に聞くのが一番だわ。」

すると、トテトテと少年と幼女が駆け寄ってくる。

「お姉さんたち、支部戦に出るの!?」

「おねぇちゃん、すごいの?」

「あぁ、そうだぞマリー!お姉さんたちは凄いんだぞ!」

「すごーい!ねぇおにぃちゃん、しぶせんってなに?」

「支部戦ってのは…こう、凄いんだ!」

「ふふふ、説明になってないぞ少年。支部戦というのはだな、お姉さんたちの凄さを見せつける場所なんじゃ。」

「ちょっと、ウソを教えないでよヴェル!」

「ねぇおねぇちゃん…ママはいつかえってくるの?」

「すぐに戻ってくるさ、だからパパに心配を掛けてはいけないぞ。マリーが泣くと、パパが心配してしまうじゃろ?」

「わかった!マリーなかないもん。」

「うむ、良い子じゃな。ちょっ…何を笑っておるのじゃ!」

「だって…母性本能丸出しじゃないの。さすがはおばさんね。くすくす。」

「おばさん言うなっ!ガルルルルーっ!」

「ユーカ様、ヴェル様、昼食の準備が整いました。おや…フィン、マリー、こんな所にいたのかい?」

「とっても良い子たちね。大事になさいよ。」

「はい、私たちの宝物です。」

「そんな暗い顔をするでないぞご主人!奥方は我とユーカが必ず助ける。」

「はい!ありがとうございますっ!」

「さぁ、昼食にしましょう。お腹が空いたわ!」




昼食後も黙々とビラを作るふたりに、宿の主人は、何度もお茶を入れて持ってきてくれた。
その作業は、夕食後もづづき、日付が変わる頃になって、ようやく終わりを迎えた。
作ったビラの数は、1万5千枚。
紙の費用が銀貨1枚と高銅貨5枚、インクの費用が高銅貨5枚。合わせて銀貨2枚の制作費は、すべてヴェルのポケットマネーから支払われた。
方法は、水魔法の応用で、ひたすらインクを操るという、単純な作業だった。
ヴェルはヴェルで、秘法を応用して、頑張ってくれていた。
最初は遅かったものの、慣れてくるとスピーディーに作業をこなすことができた。
しかし、疲れてくると、そのスピードも落ちてくるので、結果として、随分と時間がかかってしまった。

「ヴェルぅーお疲れ様ぁ…。むにゃむにゃ。」

「うーん…我はもうダメじゃ…眠い。」

ふたりは、作業を終えて、最後の紙束を宿の主人に預けると、足早に部屋へと戻り、そのままベッドに倒れこみ、泥のように眠った。

ユーカの目が覚めたのは、空がまだ薄暗く、陽もまだ登っていない、早朝の事だった。
ヴェルは小さなドラゴンの姿になり、横で丸まって寝ているので、それを起こさないように、静かにベッドを離れると、窓から外に出る。

「うーん…清々しい朝ね。とりあえず、一次予選、落ちたりしたらシャレにならないわ。」

昨日の暴動は、すでに鎮圧されており、地震の爪痕は、道の石畳と、人々の心の中にしか残ってはいなかった。
ユーカは、昨日の内に場所を聞いておいた、闘技場まで軽く走り、会場をぐるりも見て回った後、帝都中を走り回り、少し酷く壊れている石畳だけを、土魔法の応用で修復していった。

「まぁこんなものかしらね。恐怖、プロパガンダ、最後は…やっぱり怒りかしらね。」

ユーカは、次の手を考えつつ、宿へと戻る。
部屋に着く頃には、すっかり陽も顔を出し、すでにヴェルも起きていた。

「ドコニイッテオッタノジャ?」

「ちょっと会場を下見して来たのよ。」

「フム…コンドカラハドコカニイクナラコンセキヲノコシテクレルトアリガタイノ。」

「あら…心配させちゃったかしら?ごめんなさいね。」

「フン、ベツニシンパイナドシテオラヌワ。」

ヴェルは、プイっと顔を背け、ユーカはくすくすと笑う。

「さて、そろそろ下に行きましょ。」

ムムムムムーっ!
ーーーーーーーーポンっ!

「うむ、朝食じゃな!」

「そういうところは変わらないわね…。」

下に行くと、いつも以上に宿の店主は、忙しく動き回っていた。

「おはようタイルさん、今朝はずいぶん忙しそうね。」

「おはようございます、ユーカ様、ヴェル様。今日中にビラを配り終える段取りをしておりまして。」

「それはすまないなご主人。」

「いえいえヴェル様、これくらいは当然のことです。」

「あぁそうだわ。今日は昼食と夕食は外で食べるから、準備しなくて大丈夫よ。」

「分かりました。支部戦、お気をつけて。」

「えぇ、万にひとつも負ける可能性などないわ!」

「おいおい…ユーカよ、そのような事を言って、一次予選で落ちたら、恥ずかしいぞ。」

「うっ…うるさいわねっ!その時はあなたのせいにするわ!」

「そんなぁ…横暴だぞユーカ。」

「負けたら当分は肉抜きよ!」

「ぐぬぬ…これは負けられぬ戦じゃな!」

しばらく話し込んでいる内に、朝食の用意をしてくれたので、それを食べながら、今後の事について、ヴェルと打ち合わせをする。

「ねぇヴェル、簡単に人々が怒り出す方法ってないかしら?」

「なんじゃ急に…物騒じゃな。そうじゃの、シンボルを破壊するなどはどうじゃ?」 

「私たちに怒りが向いちゃダメなのよ。そうね…できれば帝国自体に怒りの矛先を向けたいわ。」

「うーむ…なかなか難しい質問じゃの。では、こういうのはどうじゃ?」

ヴェルは、自分の考えた策をユーカに披露し、ユーカはそれを最後まで黙って聞いていた。

「悪くはない…わね。でも、ちょっと難しいんじゃないかしら?」

「その辺りはお主がどうにかせい。」

「肝心なところは丸投げじゃないの…。でも、そうね…案のひとつとしては悪くないわ。」

「しかし、間に合うのかや?二次予選は明日だと聞いたのじゃが。」

「ギリギリかしらね…できればもういくつか策が欲しいところね。」

「いつになく慎重じゃな。」

「だって…238人の命がかかっているのだもの、慎重になるわよ。」

「あんまり気張りすぎるのもよくないぞ。」

「えぇ分かってるわ。ありがとう。」

「うむ。では、そろそろ出かけるかの?」

「そうね、今の内に幾つか準備をしておきましょ。」

そうと決まれば、すぐに準備をして、宿を後にするふたりだった。
ふたりは宿を出ると、一度帝都の外へ出て、明日の仕込みをしてから、闘技場に向かった。
一次予選の開始は昼過ぎなのに、未だ昼前の会場は、すでに人と熱気で溢れていた。
先日の地震の事など、早く記憶から忘れたいという人が多いのだろう。
そんな暑苦しい会場の中に、レヴィンの街の代表である、ユーカとヴェルは堂々と中へ入場する。

「さすが帝都ね…人の数が全然違うわ。」

「まったくじゃな、レヴィンの時でさえ、多いと感じたというのに…。」

「まぁ見られて減るものでもないじゃない。サクっと終わらしましょ。」

「そうじゃな…見渡す限りでは、それほどの実力者は見て取れぬようじゃ。」

「それでも気は抜けないわね。一次予選の競技は何かしら?」

「例年は身体能力のテストだと、宿の主人が言っておったぞ。」

「あら…そうなの?じゃあ楽勝じゃない!」

「それでも種目は、毎回違うようじゃ。」

「まぁそれも、あと少しで分かるわね。」

「むむっ…気づいたかユーカ?」

「えぇ、見られてるわね。」

「え?」

「えっ…?違うの?」

てっきりユーカは、ヴェルが、自分たちの事をチラチラと伺う、対戦相手たちの事を言っているのだと思ったが、ヴェルは、それには気づいておらず、ユーカにそれを指摘され、お互いに違う事を考えていたのだと把握した。

「うむ…それもそのようなんじゃが…。」

「どうしたのよ?はっきり言ってみなさい。」

「で、でも…。」

「なによ、情報の共有は大事だと思うわ。」

「怒らぬかや?」

「怒らないわよ。」

「絶対じゃな?」

「えぇ、約束よ。」

「ーーその…あそこ、の…。」

「あそこ?どこよ?」

「あそこの屋台!うまそうな肉が売ってるのじゃっ!」

「は?」

「だから、その…あそこの屋台の…。」

「ヴェル…あなたねぇ。人が競技の事を考えていたのに、あなたは食べ物の事を考えていたの?」

「怒らないと言ったではないか…。」

「もうっ…良いわよ。まだ時間もありそうだし、買いに行くわよ!」

「良いのか!?」

「その代わり、お金はあなたが出してね。」

「早く行こうぞ!なくなってしまう!」

「そんなにすぐ無くならないわよ…。ちょっと、そんなに手を引っ張らないで!」

「はやくはやく!急ぐのじゃユーカ。」

串焼きを購入したヴェルは、それはそれは、幸せそうな表情で肉にかぶりつき、美味しそうに食べていた。
そうして時間を潰していると、ようやく一次予選の開始時刻になり、司会の男性と女性が、一次予選についての説明を始めた。

「みなさん、盛り上がってますかー?」

「いやー、暑いですね!」

「まったくだよ…。それでは、一次予選について、説明を始めます。」

一次予選の概要は以下
一次予選では、参加する街の数を、半数にまで絞るそうだ。
残った半数の街の代表者は、翌日に開催される二次予選へとコマを進めることができる。
しかし、一次予選で脱落してしまった街は、どのような手段を用いたとしても、絶対に、二次予選へは進めない事になっている。

「それではっ、種目を発表したいと思います!」

「はい、今回の、一次予選の種目はズバリっ!」

「ズバリっ…ーーーです!」

『いぇえあぁあーっ!』

割れんばかりの歓声が、会場を埋め尽くし、こうして、一次予選はスタートした。





次回:第11話『支部戦』
お楽しみにお待ちください。

8月25日 24時を更新予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければお願いし申し上げます。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

新婚初夜に浮気ですか、王太子殿下。これは報復しかありませんね。新妻の聖女は、王国を頂戴することにしました。

星ふくろう
ファンタジー
 紅の美しい髪とエメラルドの瞳を持つ、太陽神アギトの聖女シェイラ。  彼女は、太陽神を信仰するクルード王国の王太子殿下と結婚式を迎えて幸せの絶頂だった。  新婚旅行に出る前夜に初夜を迎えるのが王国のしきたり。  大勢の前で、新婦は処女であることを証明しなければならない。  まあ、そんな恥ずかしいことも愛する夫の為なら我慢できた。  しかし!!!!  その最愛の男性、リクト王太子殿下はかつてからの二股相手、アルム公爵令嬢エリカと‥‥‥  あろうことか、新婚初夜の数時間前に夫婦の寝室で、ことに及んでいた。  それを親戚の叔父でもある、大司教猊下から聞かされたシェイラは嫉妬の炎を燃やすが、静かに決意する。  この王国を貰おう。  これはそんな波乱を描いた、たくましい聖女様のお話。  小説家になろうでも掲載しております。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

処理中です...