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アフターストーリー
後日談 俺様皇太子視点・・麻薬のような我が妻
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「足りん・・」
子供ができれば彼女との時間が減るのは分かっていたが、想像以上に少ないし、堪える。この私が、独り言を言ってしまうほどだ。リオルが何かにつけ、エルメとの間に割って入ってくるのが、大きな要因だ。
この前は『母上を父上から絶対に奪います!覚悟しますからっ!』などと宣言された。エルメを賭けての勝負は、しょっちゅう吹っかけられていたが、はっきりと宣言されたのは初めてだった。
「全く・・覚悟は私がするものだろう・・・」
子供の戯言だと聞き流せず息子に嫉妬するなど、自分が大人気ない男だとは思っていなかった。彼女は、まるで麻薬のように私の身体を侵食していた。執務をしていても、身体の奥底では彼女を欲している。あの吸い付くような肌、自分の愛欲を増す潤んだ瞳を今すぐ無性に手に入れたくなる。
(中毒だな・・)
フッと笑みをこぼすと、私は私室の扉を開いた。
「おかえりなさい!」
突然、後ろから抱きしめられた私の表情は緩む。
「ただいま。遅くなって、すまなかったな」
私の言葉に背中で「フフッ」と彼女の笑みが溢れた。
いつもは、リオルの相手をしながらの彼女の出迎えが多いが、今日は子供ができる前のような懐かしいエルメの振る舞い。私の帰りを今か今かと待っていた彼女は、足音を聞き、急いで扉の後ろで待ち構えていたのだろう。
(あー、くそ・・・かわいいな)
母親になったというのに、無邪気に待ち伏せたり、抱きついてくる彼女は、私の自尊心を高める。そしてまた、そんなエルメという女性の海に私は溺れるのだ。
私は彼女の身体を前へ持ってくると「リオルは?」と尋ねる。
「もうぐっすり・・夢の中よ。昼間、剣の稽古を頑張ったみたいだから、疲れたんだと思う」
そう言った彼女の頬は赤く染まった。そして「待ちくたびれちゃった」と非難めいた言葉をぶつけてくる彼女の表情は、母の顔から女の顔へと変わる。それを見た私もまた男の仮面を被った。
彼女の唇を、余裕を取り繕って塞ぐ。しかし、その余裕はあっという間に消え去った。ふっくらとした彼女の唇は、私の中の理性という名のタガをいとも簡単に外し、溜まっていた欲望は彼女を異常なまでに欲した。激しく唇を重ねながら、押し付けるようにその欲望が口から出る。
「悪いが、もう我慢できん。君を堪能させろ」
入ってきたばかりの扉に彼女の背を押し付け逃げ道を塞ぐと、彼女の身体を包み隠す服を強引に取り払った。顕になった胸の膨らみは、私の体温を一段も二段も上げる。吸い込まれるように彼女の首筋から胸へと唇を這わせ、彼女の漏らす艶のある息が私の耳を楽しませた。
やがて私の唇が彼女のくびれた腰にたどり着くと、彼女は「あっ・・」と色のある声と共に身体をよじり、腕で私の身体を突っぱねた。
「ヤダ。ベッドに・・明かりも消・・んん・・・」
私は明かりではなく、彼女の口から紡がれた願いを口づけで消した。
「堪能させろと、言ったろう」
余裕がなかった。これ程までに彼女を渇望しているとは・・・
彼女の身体の隅々まで自分で満たしたい。そして、彼女にも自分のように私を欲してほしい。
そんなドロドロとした欲望が、心の中で渦を巻く。
私は形だけの抵抗を見せる彼女の両腕を頭上で押さえ込み、耳から首筋に何度も、口づけを落とす。そして胸元には強く吸い付き、赤い花をいくつも咲かせた。
「マリオン・・・今日は・・どうしたの?」
途切れ途切れに紡がれた彼女の言葉に私は素直に、しかし余裕の表情を取り繕って白状する。
「この間、リオルから“私から君を奪う”とはっきり言われたんだ。“覚悟しますから!”などと、言い間違いするほど本気らしいぞ。だから、そうならないよう妻を繋ぎ止めようとしてるんだ」
「繋ぎ止めるだなんて・・それに、あれは言い間違いじゃないのよ。あの子の中で父親の貴方は偉大すぎて、余程覚悟を決めないと、私のことを奪い取れないそうよ」
「やはり奪うつもりなのか・・ まさかとは思うが、リオルは本気ではないだろうな」
私の苦悩など知らない彼女が「フフッ・・どうかしら・・」と微笑んだ。その笑顔が私の支配欲を掻き立てる。
私は彼女の腕を押さえたまま、下腹部から秘められたもっと下へと指を滑らせた。そして、すでに潤う私しか知らないその場所を激しく弄った。
「あっ・・激し・・・」
そう漏らした彼女は、やがて膝から崩れ落ちた。まるでそうなることが分かっていたかのように私は彼女の細い腰を支え、目を細める。
「今夜は眠らせるつもりなどないからな。覚悟しておけ」
そうして、私は邪魔が入らない彼女との時間を朝まで堪能したのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
本編に続き、アフターストーリーまで読破いただきました皆様、本当にありがとうございました。
その後、別作品の執筆の合間に続編をちまちまと書いておりましたが、ようやく完成しました。
新たなエルメとマリオンの二人を、新章として今後更新していきます。
新章もどうぞよろしくお願いします。
子供ができれば彼女との時間が減るのは分かっていたが、想像以上に少ないし、堪える。この私が、独り言を言ってしまうほどだ。リオルが何かにつけ、エルメとの間に割って入ってくるのが、大きな要因だ。
この前は『母上を父上から絶対に奪います!覚悟しますからっ!』などと宣言された。エルメを賭けての勝負は、しょっちゅう吹っかけられていたが、はっきりと宣言されたのは初めてだった。
「全く・・覚悟は私がするものだろう・・・」
子供の戯言だと聞き流せず息子に嫉妬するなど、自分が大人気ない男だとは思っていなかった。彼女は、まるで麻薬のように私の身体を侵食していた。執務をしていても、身体の奥底では彼女を欲している。あの吸い付くような肌、自分の愛欲を増す潤んだ瞳を今すぐ無性に手に入れたくなる。
(中毒だな・・)
フッと笑みをこぼすと、私は私室の扉を開いた。
「おかえりなさい!」
突然、後ろから抱きしめられた私の表情は緩む。
「ただいま。遅くなって、すまなかったな」
私の言葉に背中で「フフッ」と彼女の笑みが溢れた。
いつもは、リオルの相手をしながらの彼女の出迎えが多いが、今日は子供ができる前のような懐かしいエルメの振る舞い。私の帰りを今か今かと待っていた彼女は、足音を聞き、急いで扉の後ろで待ち構えていたのだろう。
(あー、くそ・・・かわいいな)
母親になったというのに、無邪気に待ち伏せたり、抱きついてくる彼女は、私の自尊心を高める。そしてまた、そんなエルメという女性の海に私は溺れるのだ。
私は彼女の身体を前へ持ってくると「リオルは?」と尋ねる。
「もうぐっすり・・夢の中よ。昼間、剣の稽古を頑張ったみたいだから、疲れたんだと思う」
そう言った彼女の頬は赤く染まった。そして「待ちくたびれちゃった」と非難めいた言葉をぶつけてくる彼女の表情は、母の顔から女の顔へと変わる。それを見た私もまた男の仮面を被った。
彼女の唇を、余裕を取り繕って塞ぐ。しかし、その余裕はあっという間に消え去った。ふっくらとした彼女の唇は、私の中の理性という名のタガをいとも簡単に外し、溜まっていた欲望は彼女を異常なまでに欲した。激しく唇を重ねながら、押し付けるようにその欲望が口から出る。
「悪いが、もう我慢できん。君を堪能させろ」
入ってきたばかりの扉に彼女の背を押し付け逃げ道を塞ぐと、彼女の身体を包み隠す服を強引に取り払った。顕になった胸の膨らみは、私の体温を一段も二段も上げる。吸い込まれるように彼女の首筋から胸へと唇を這わせ、彼女の漏らす艶のある息が私の耳を楽しませた。
やがて私の唇が彼女のくびれた腰にたどり着くと、彼女は「あっ・・」と色のある声と共に身体をよじり、腕で私の身体を突っぱねた。
「ヤダ。ベッドに・・明かりも消・・んん・・・」
私は明かりではなく、彼女の口から紡がれた願いを口づけで消した。
「堪能させろと、言ったろう」
余裕がなかった。これ程までに彼女を渇望しているとは・・・
彼女の身体の隅々まで自分で満たしたい。そして、彼女にも自分のように私を欲してほしい。
そんなドロドロとした欲望が、心の中で渦を巻く。
私は形だけの抵抗を見せる彼女の両腕を頭上で押さえ込み、耳から首筋に何度も、口づけを落とす。そして胸元には強く吸い付き、赤い花をいくつも咲かせた。
「マリオン・・・今日は・・どうしたの?」
途切れ途切れに紡がれた彼女の言葉に私は素直に、しかし余裕の表情を取り繕って白状する。
「この間、リオルから“私から君を奪う”とはっきり言われたんだ。“覚悟しますから!”などと、言い間違いするほど本気らしいぞ。だから、そうならないよう妻を繋ぎ止めようとしてるんだ」
「繋ぎ止めるだなんて・・それに、あれは言い間違いじゃないのよ。あの子の中で父親の貴方は偉大すぎて、余程覚悟を決めないと、私のことを奪い取れないそうよ」
「やはり奪うつもりなのか・・ まさかとは思うが、リオルは本気ではないだろうな」
私の苦悩など知らない彼女が「フフッ・・どうかしら・・」と微笑んだ。その笑顔が私の支配欲を掻き立てる。
私は彼女の腕を押さえたまま、下腹部から秘められたもっと下へと指を滑らせた。そして、すでに潤う私しか知らないその場所を激しく弄った。
「あっ・・激し・・・」
そう漏らした彼女は、やがて膝から崩れ落ちた。まるでそうなることが分かっていたかのように私は彼女の細い腰を支え、目を細める。
「今夜は眠らせるつもりなどないからな。覚悟しておけ」
そうして、私は邪魔が入らない彼女との時間を朝まで堪能したのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
本編に続き、アフターストーリーまで読破いただきました皆様、本当にありがとうございました。
その後、別作品の執筆の合間に続編をちまちまと書いておりましたが、ようやく完成しました。
新たなエルメとマリオンの二人を、新章として今後更新していきます。
新章もどうぞよろしくお願いします。
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