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アフターストーリー
アフターストーリー第7話 皇弟の恋愛事情
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(いや~ん、めっちゃモフモフ~。ここは、天国ですか!?何この見渡す限りの毛玉!癒やしの渋滞っ!この子たち、私をキュン死させたいの!?もうキュン死しちゃうぞぉ!あー、もう堪らん!!)
そこに「このご飯あげてみますか?」と、声が掛けられる。エルメが声のする方を見ると、お皿を手にした少しふくよかな女性が立っていた。エルメは当然断る選択肢などなく「まあ、ありがとうございます!是非!」と笑顔を返す。女性はそれにニコっと笑うと、手に持つ皿を渡して去っていった。
エルメは兎獣がお皿から器用に餌を取り出し、ムシャムシャと食べる様子に癒やされながら、内心いまの女性が何者なのかと、首を傾げていた。
(奥さんじゃないし、使用人?にしては、なかなかの貴族っぽい雰囲気をお持ちよね?うーん・・)
そんな至福の時を堪能するエルメを、マリオンとバロンが見守っている。
「彼女、雰囲気が変わったな。可愛くなった」
バロンの突然の告白に「叔父上!何を言うんですか!」とマリオンは焦りと憤りを見せる。
「まあ、そう怒るな・・・結婚式で会った時や兄上に物申した時は、スキのないいかにも王女の雰囲気だったが、今は穏やかで柔らかい」
「やめてください。エルメを見ないでください」
マリオンの言葉に「おやおや・・これはまた・・クックックッ・・」と楽しげに笑いを漏らすバロン。それにマリオンは「彼女との時間を、邪魔する者は例え叔父上でも消します」と物騒なセリフを吐く。それにバロンは、呆れた表情を浮かべた。
「お前、子供ができたらどうするんだ?その勢いだと、子供にも嫉妬しそうだぞ」
「何とでも言ってください」
「彼女も厄介なヤツの妻になったものだな」
バロンの茶化しに「毛だらけの叔父上に言われたくないですね」とマリオンも応戦し、二人の会話は幕を閉じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
無事に毛玉を返した帰りの馬車の中。マリオンとエルメの声が聞こえる。
「驚いただろう?叔父上は聖獣の前では、別人だからな」
「うん、まあね。でもあんな一面があるなんて、素敵だと思うわ。私、勝手に親近感持っちゃったし、優しい人なんだなって分かった。世のモフ好きに悪い人はいないからね」
「まあ詳しいことは知らんが、大抵の女は叔父上の正体を知ると、一目散に逃げるらしいぞ」
「へえ、そうなんだ。でもあの見目で結婚してないって聞いてたから、実は変な趣味持ちじゃないかとかちょっと心配しちゃったけど、そんな必要なかったわ」
エルメの言葉の意味が分からないマリオンが「どういうことだ?」と口にする。それにエルメは「あのちょっとぽっちゃりした女の人だよ」と答えた。それでも「意味が分からん」と言うので、エルメは呆れた様子で言った。
「もう!男の人ってこういうことには、疎いよね。だってバロン様はあの人のこと好きだよ。それにあの人もバロン様のこと好き。つまり相思相愛ってこと!二人が話してるところ見て、ピーンときちゃった!マリオンは、二人を見て気付かなかったの?」
エルメの問いに「叔父上の色恋など知らん」とマリオンは心底どうでもいい感を出しまくっている。他人の色恋に敏感なのは、いつの時代も女性だというのは変わらぬ真理だ。そんなマリオンに、エルメは口を尖らせる。
「えー!ねえ、あの人何て名前?何であの屋敷にいたの?」
「そんな事、私が知るはずなかろうが・・」
「そんなぁ、マリオンはバロン様が心配じゃないの?」
マリオンの「何を心配しろというのだ」という答えは、どうやらエルメの耳に届いていないらしい。何故なら、マリオンのことなど忘れ、エルメはバロンの恋に頭の中がいっぱいになったからだ。
「いやーん、私キューピットしちゃおうかな」
エルメの楽しげなセリフにギョッとしたマリオンは「余計なことはよせ。当人同士に、任せておけ。横槍をいれると、上手くいくもんも上手くいかん。叔父上もいい歳だ。いいか?絶対に口を出すなよ」と釘を刺す。それに対するエルメの返事は当然拒否だ。
「えー!」
「“えー”じゃない!こらっ、返事!」
「はーい・・つまんないの・・・」
そんな会話を繰り広げる二人を乗せた馬車は、太陽が降り注ぐ日差しの中、人々で賑わう皇都を進んでいった。
そこに「このご飯あげてみますか?」と、声が掛けられる。エルメが声のする方を見ると、お皿を手にした少しふくよかな女性が立っていた。エルメは当然断る選択肢などなく「まあ、ありがとうございます!是非!」と笑顔を返す。女性はそれにニコっと笑うと、手に持つ皿を渡して去っていった。
エルメは兎獣がお皿から器用に餌を取り出し、ムシャムシャと食べる様子に癒やされながら、内心いまの女性が何者なのかと、首を傾げていた。
(奥さんじゃないし、使用人?にしては、なかなかの貴族っぽい雰囲気をお持ちよね?うーん・・)
そんな至福の時を堪能するエルメを、マリオンとバロンが見守っている。
「彼女、雰囲気が変わったな。可愛くなった」
バロンの突然の告白に「叔父上!何を言うんですか!」とマリオンは焦りと憤りを見せる。
「まあ、そう怒るな・・・結婚式で会った時や兄上に物申した時は、スキのないいかにも王女の雰囲気だったが、今は穏やかで柔らかい」
「やめてください。エルメを見ないでください」
マリオンの言葉に「おやおや・・これはまた・・クックックッ・・」と楽しげに笑いを漏らすバロン。それにマリオンは「彼女との時間を、邪魔する者は例え叔父上でも消します」と物騒なセリフを吐く。それにバロンは、呆れた表情を浮かべた。
「お前、子供ができたらどうするんだ?その勢いだと、子供にも嫉妬しそうだぞ」
「何とでも言ってください」
「彼女も厄介なヤツの妻になったものだな」
バロンの茶化しに「毛だらけの叔父上に言われたくないですね」とマリオンも応戦し、二人の会話は幕を閉じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
無事に毛玉を返した帰りの馬車の中。マリオンとエルメの声が聞こえる。
「驚いただろう?叔父上は聖獣の前では、別人だからな」
「うん、まあね。でもあんな一面があるなんて、素敵だと思うわ。私、勝手に親近感持っちゃったし、優しい人なんだなって分かった。世のモフ好きに悪い人はいないからね」
「まあ詳しいことは知らんが、大抵の女は叔父上の正体を知ると、一目散に逃げるらしいぞ」
「へえ、そうなんだ。でもあの見目で結婚してないって聞いてたから、実は変な趣味持ちじゃないかとかちょっと心配しちゃったけど、そんな必要なかったわ」
エルメの言葉の意味が分からないマリオンが「どういうことだ?」と口にする。それにエルメは「あのちょっとぽっちゃりした女の人だよ」と答えた。それでも「意味が分からん」と言うので、エルメは呆れた様子で言った。
「もう!男の人ってこういうことには、疎いよね。だってバロン様はあの人のこと好きだよ。それにあの人もバロン様のこと好き。つまり相思相愛ってこと!二人が話してるところ見て、ピーンときちゃった!マリオンは、二人を見て気付かなかったの?」
エルメの問いに「叔父上の色恋など知らん」とマリオンは心底どうでもいい感を出しまくっている。他人の色恋に敏感なのは、いつの時代も女性だというのは変わらぬ真理だ。そんなマリオンに、エルメは口を尖らせる。
「えー!ねえ、あの人何て名前?何であの屋敷にいたの?」
「そんな事、私が知るはずなかろうが・・」
「そんなぁ、マリオンはバロン様が心配じゃないの?」
マリオンの「何を心配しろというのだ」という答えは、どうやらエルメの耳に届いていないらしい。何故なら、マリオンのことなど忘れ、エルメはバロンの恋に頭の中がいっぱいになったからだ。
「いやーん、私キューピットしちゃおうかな」
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「えー!」
「“えー”じゃない!こらっ、返事!」
「はーい・・つまんないの・・・」
そんな会話を繰り広げる二人を乗せた馬車は、太陽が降り注ぐ日差しの中、人々で賑わう皇都を進んでいった。
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