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アフターストーリー
アフターストーリー第3話 エルメの突撃お宅訪問
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ある日、エルメの姿は豪華な屋敷の前にあった。見上げる建物は豪華な装飾に彩られ、綺羅びやかなオーラを放っている。
「あの子、凄いわね。さすが癒やしの乙女」
そう呟くエルメの言葉のとおり、ここはアリスの屋敷だ。癒やしの乙女として帝国を助け、国民の人気をがっつり掴んだアリスは、恩賞として皇都に屋敷を貰った。それがここである。
一時、帝国の外れ町に住むと言い出し、周囲をヤキモキさせたアリスだったが、皇都に住むと契約をしたいま、ここで暮らしている。
エルメは何故ここにいるのか・・・
それは遡ること一時間前・・公務の予定が突然キャンセルになり、急に時間の空いたエルメは「アリスのところに遊びに行こう!」と思いついた。先触れもなしの訪問だったが、アリスの新しい住まいに興味津々だったエルメは待ちきれなかった。
エルメが皇城から逃げ出したあの夜、マリオンの口から出た『大分、アリス嬢には足元を見られたがな』というセリフ。ちゃっかり者の彼女がいかに足元を見たのか、ずっと気になっていたのだ。
そしていま、豪華絢爛な屋敷を前にエルメは、突撃お宅訪問(第一回)に胸踊らせていた。
「いやっ、うそ!エルメ様!どうしてここに!?」
案の定、突然やってきたエルメを見たアリスは戸惑っている。しかしその表情はすぐに戸惑いから喜びに変わる。
「お久しぶりです!ここに来てから、なかなかエルメ様に会えなくて、寂しかったんですよ。お城に会いに行きますって手紙出したら、マリオン様に“要らん”って、一刀両断されるし、何で貴方が答えるんだ!?って感じですよ。全く」
アリスの言葉通り、彼女と会うのは久しぶりだった。皇太子妃と癒やしの乙女として公の場で会う機会はあったが、城というひとつ屋根の下にいた頃よりめっきり会う機会は減った。
「アリスも元気そうね。今日は時間が空いたから、貴女に会いたくて来ちゃったの」
エルメのまさかの“会いたくて”発言に、アリスは大口を開き、頬に手を当て、リアルム○クの叫び状態になってる。
「嗚呼、エルメ様が私を殺しにかかってくる・・・どうしよう・・これで天国に召されても本望だわ」
何だか不吉なセリフが聞こえてきたが、エルメは聞き流す。そして「素敵な屋敷よね」と率直な感想を述べた。それにアリスは「ありがとうございます!本当は完成したら、お招きする予定でしたが、ちょうど良かったです」と嬉しそうに返す。アリスの“完成したら”と“ちょうど良かった”というセリフが気になったが、エルメは頷き微笑んだ。
お茶を楽しんだエルメは“中を案内する”というアリスに連れられて、屋敷を歩いていた。どの部屋も厨房も廊下や使用人部屋、そして家具や美術品に至るまで“豪華”この一言に尽きた。
(足元を見られた結果がこれか・・アリスって、こんな趣味してたのね。ちょっと意外かも・・・ )
「凄い。これが癒やしの乙女の功績のなのね」
「大した事してないんですけどね。何かナントカ大臣って人が、くれるって言うので貰いました」
そんなアリスの言葉に“大したことしてない”って、アンタが事の発端だろうがっ・・と内心ツッコミをいれるエルメ。
「それに私の希望は、こんな豪華な屋敷じゃなくて、ほんの二部屋だったんですよ」
(おっ、そうだよね。そうだよね。やっぱりアリスは、こんな豪華絢爛な趣味してないよね。贅沢いのちっ!お金いのちっ!なんて言わないよね。うんうん・・)
「あー、でもマリオン様には、めちゃくちゃ脅されました。なんかぁ“君の希望通りにしたのだから、これからも頼むぞ”って・・・しかも、すごいにこやかな笑顔で・・」
アリスがマリオンのセリフのところは、彼の俺様口調を真似て言う。ちょっと似てるところが、またエルメの心をくすぐった。そしてエルメの素直な褒め言葉は、アリスのスイッチを押す。
「フフッ・・マリオン様の言い方、上手いじゃない」
「えっ!?本当ですか!?きゃぁ、嬉しい。エルメ様に褒められたぁ。あー、あー・・“エルメ、君に毎日会いたい”・・・きゃー、言っちゃったぁ。どうですか?似てますか?」
調子に乗ったアリスが、マリオンものまねでサラッと自分の想いをぶっちゃけてる。
アリスのエルメに対するこのような言動だけをかいつまむと、オツムの弱い子にも見えるが、そうではない。癒やしの乙女としての仕事はちゃんとこなすし、他では、いたって見目麗しい普通の令嬢だ。ただ、ちょっとだけ・・いや大分“推し”であるエルメへの愛が深いのだ。そして、その愛の深さをエルメはもうすぐ目の当たりにする。
「あの子、凄いわね。さすが癒やしの乙女」
そう呟くエルメの言葉のとおり、ここはアリスの屋敷だ。癒やしの乙女として帝国を助け、国民の人気をがっつり掴んだアリスは、恩賞として皇都に屋敷を貰った。それがここである。
一時、帝国の外れ町に住むと言い出し、周囲をヤキモキさせたアリスだったが、皇都に住むと契約をしたいま、ここで暮らしている。
エルメは何故ここにいるのか・・・
それは遡ること一時間前・・公務の予定が突然キャンセルになり、急に時間の空いたエルメは「アリスのところに遊びに行こう!」と思いついた。先触れもなしの訪問だったが、アリスの新しい住まいに興味津々だったエルメは待ちきれなかった。
エルメが皇城から逃げ出したあの夜、マリオンの口から出た『大分、アリス嬢には足元を見られたがな』というセリフ。ちゃっかり者の彼女がいかに足元を見たのか、ずっと気になっていたのだ。
そしていま、豪華絢爛な屋敷を前にエルメは、突撃お宅訪問(第一回)に胸踊らせていた。
「いやっ、うそ!エルメ様!どうしてここに!?」
案の定、突然やってきたエルメを見たアリスは戸惑っている。しかしその表情はすぐに戸惑いから喜びに変わる。
「お久しぶりです!ここに来てから、なかなかエルメ様に会えなくて、寂しかったんですよ。お城に会いに行きますって手紙出したら、マリオン様に“要らん”って、一刀両断されるし、何で貴方が答えるんだ!?って感じですよ。全く」
アリスの言葉通り、彼女と会うのは久しぶりだった。皇太子妃と癒やしの乙女として公の場で会う機会はあったが、城というひとつ屋根の下にいた頃よりめっきり会う機会は減った。
「アリスも元気そうね。今日は時間が空いたから、貴女に会いたくて来ちゃったの」
エルメのまさかの“会いたくて”発言に、アリスは大口を開き、頬に手を当て、リアルム○クの叫び状態になってる。
「嗚呼、エルメ様が私を殺しにかかってくる・・・どうしよう・・これで天国に召されても本望だわ」
何だか不吉なセリフが聞こえてきたが、エルメは聞き流す。そして「素敵な屋敷よね」と率直な感想を述べた。それにアリスは「ありがとうございます!本当は完成したら、お招きする予定でしたが、ちょうど良かったです」と嬉しそうに返す。アリスの“完成したら”と“ちょうど良かった”というセリフが気になったが、エルメは頷き微笑んだ。
お茶を楽しんだエルメは“中を案内する”というアリスに連れられて、屋敷を歩いていた。どの部屋も厨房も廊下や使用人部屋、そして家具や美術品に至るまで“豪華”この一言に尽きた。
(足元を見られた結果がこれか・・アリスって、こんな趣味してたのね。ちょっと意外かも・・・ )
「凄い。これが癒やしの乙女の功績のなのね」
「大した事してないんですけどね。何かナントカ大臣って人が、くれるって言うので貰いました」
そんなアリスの言葉に“大したことしてない”って、アンタが事の発端だろうがっ・・と内心ツッコミをいれるエルメ。
「それに私の希望は、こんな豪華な屋敷じゃなくて、ほんの二部屋だったんですよ」
(おっ、そうだよね。そうだよね。やっぱりアリスは、こんな豪華絢爛な趣味してないよね。贅沢いのちっ!お金いのちっ!なんて言わないよね。うんうん・・)
「あー、でもマリオン様には、めちゃくちゃ脅されました。なんかぁ“君の希望通りにしたのだから、これからも頼むぞ”って・・・しかも、すごいにこやかな笑顔で・・」
アリスがマリオンのセリフのところは、彼の俺様口調を真似て言う。ちょっと似てるところが、またエルメの心をくすぐった。そしてエルメの素直な褒め言葉は、アリスのスイッチを押す。
「フフッ・・マリオン様の言い方、上手いじゃない」
「えっ!?本当ですか!?きゃぁ、嬉しい。エルメ様に褒められたぁ。あー、あー・・“エルメ、君に毎日会いたい”・・・きゃー、言っちゃったぁ。どうですか?似てますか?」
調子に乗ったアリスが、マリオンものまねでサラッと自分の想いをぶっちゃけてる。
アリスのエルメに対するこのような言動だけをかいつまむと、オツムの弱い子にも見えるが、そうではない。癒やしの乙女としての仕事はちゃんとこなすし、他では、いたって見目麗しい普通の令嬢だ。ただ、ちょっとだけ・・いや大分“推し”であるエルメへの愛が深いのだ。そして、その愛の深さをエルメはもうすぐ目の当たりにする。
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