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第2章
第60話 リリス13歳 お婆さんの正体
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「さて、お湯が沸くまで話を続けようか・・」
そう言うとアルバスは着ていたローブの中からキャンディーを取り出し、テーブルに置いた。あのキャンディーだ。そして彼は話を続けた。
「僕は前にこのキャンディーには僅かな魔力が込められてると言ったね。
物に魔力を込めることは、そう難しいことではないんだ。魔法道具や魔法雑貨はその代表だね。
ただしこのキャンディーのように持ち主に影響を及ぼすよう魔力を込めるのは、かなり高度な魔法操作が必要なんだ」
そこまでアルバスが話すと、スタイラスが口を挟んだ。
「この店のキャンディーは、このお婆さんが作っていると友達から聞いたことがあります。それが本当なら、お婆さんはかなり高度な魔法を使えるということになりますよね」
スタイラスの質問にアルバスは頷くと、国中いや世界中に知られた名前を口にした。
「うん、そう。なかなかお目にかかれないレベルだよ。アルミーダこの名前に聞き覚えはないかな?」
(アルミーダ・・アルミーダ・・どこかで聞いたことが・・・あっ!)
リリスは目を見開き老女を見ると、さっきからリリスをじーっと見ていた老女の視線と交差した。
ヘンリーたちも老女の正体に気付いたようだった。リリスたちの反応にアルバスは満足そうにすると、再び話し始めた。
「流石にみんな知っているようだね。そう、彼女は魔女アルミーダ。魔女の中でも3本の指に入る魔女だ」
魔女アルミーダといえば、いろんな伝説や噂の類が実しやかに伝えられていた。
その昔、北の最果ての小国を一夜で滅ぼしたとか魔獣を引き連れ大国に攻め入りあっという間に国を奪ったなどと言われていた。
「その魔女がなぜこの国にいるんですか?しかも店まで開いて」
「隣国を追放され、どこかの森で隠居しているという噂も聞きました」
ヘンリーとスタイラスが、質問する。彼らの表情には、アルバスの言葉が俄に信じられないことが表れていた。
フッ・・
「あんなバカバカしい噂がここまで信じられているとはね。全く驚きだ」
今まで黙っていたアルミーダが、鼻で笑うと、いきなり口を開いた。
「そもそも噂を放っておいたのは、アルミーダじゃないか。噂も皆が知れば、それはやがて真実となる。それは過去の歴史が証明していることだろう?」
「はっ?!人間ってのは、何百年いや何千年経っても進化はしないのかい?こんな魔女一人に何が出来るのさ。どっかの小国を一夜で滅ぼしただって?!魔獣と共に国を奪っただって?!バカらしくて、否定する気にもならないねっ!」
「そんなことだから、君はいつも誤解されてしまうんじゃないか」
「誤解?!結構だね。そんな奴らと付き合う気は更々ないからね。こっちから願い下げたよ!」
(なんかアルバス先生、その3本の指に入る魔女にめっちゃ強気なんですけどぉ。しかもお婆さんも全然負けてないしぃ。ケンカ勃発してるしぃ・・おまけにめっちゃ話が横道に逸れてるんですけどぉぉ・・もう、ここはひとつ強引に・・・)
そんなアルバスとアルミーダのやり取りに、リリスが勇敢にも割り込んだ。
「あのー、話を元に戻しませんか?そもそも先生とアルミーダさんは仲がよろしいようですが、どのようなご関係ですか?それになぜアルミーダさんがここで店を開いているのか教えてほしいんです」
「仲がいい?ご関係?ハッ!そんなものただの顔見知りだよ。大体・・・」
アルミーダの言葉にアルバスは
「アルミーダは黙ってて。話が進まないじゃないか。僕が説明するから」
と言って、会話の主導権を取り戻した。
ピーッ
ちょうどこの時、沸騰したヤカンの音が鳴り響いた。
アルバスは先程と同じように指を動かし、ティーポットやカップを操り、お茶を煎れていった。最後に自分の前にカップを置くと一口飲み、再び話し始めた。
「まずアルミーダとは、シュトリーマで出会ったんだ。詳しくは言えないが、僕は王族のひとりに仕える魔法使いだった。同じ頃、アルミーダもあの国の王都に住んでいて、その時に知り合ったんだ。
その後、訳あって僕とアルミーダはシュトリーマを出て僕は学園の教師に、アルミーダは世界中を放浪していたんだ。
スタイラス、さっき君が言った隣国を追放され、森で隠居していたっていうのはあくまでも噂だ。自分からあの国を出たんだよ」
(へぇ、先生の噂本当だったんだ。しかも魔女アルミーダと知り合いだったとか。また噂好きなエリーゼあたりが食いつきそうね)
「ここまでは大丈夫かな?」
アルバスの問に「「はい」」とリリスたちは声を揃えた。
「よし。それとなぜアルミーダがここで店を開いているのかという質問だけど、これにはやはり本人が答えるべきだね」
アルバスはそう言うと、アルミーダに視線を送った。それにアルミーダは「仕方ないね・・・みんな途中で口を挟むんじゃないよ」とい言って話し始めた。
そう言うとアルバスは着ていたローブの中からキャンディーを取り出し、テーブルに置いた。あのキャンディーだ。そして彼は話を続けた。
「僕は前にこのキャンディーには僅かな魔力が込められてると言ったね。
物に魔力を込めることは、そう難しいことではないんだ。魔法道具や魔法雑貨はその代表だね。
ただしこのキャンディーのように持ち主に影響を及ぼすよう魔力を込めるのは、かなり高度な魔法操作が必要なんだ」
そこまでアルバスが話すと、スタイラスが口を挟んだ。
「この店のキャンディーは、このお婆さんが作っていると友達から聞いたことがあります。それが本当なら、お婆さんはかなり高度な魔法を使えるということになりますよね」
スタイラスの質問にアルバスは頷くと、国中いや世界中に知られた名前を口にした。
「うん、そう。なかなかお目にかかれないレベルだよ。アルミーダこの名前に聞き覚えはないかな?」
(アルミーダ・・アルミーダ・・どこかで聞いたことが・・・あっ!)
リリスは目を見開き老女を見ると、さっきからリリスをじーっと見ていた老女の視線と交差した。
ヘンリーたちも老女の正体に気付いたようだった。リリスたちの反応にアルバスは満足そうにすると、再び話し始めた。
「流石にみんな知っているようだね。そう、彼女は魔女アルミーダ。魔女の中でも3本の指に入る魔女だ」
魔女アルミーダといえば、いろんな伝説や噂の類が実しやかに伝えられていた。
その昔、北の最果ての小国を一夜で滅ぼしたとか魔獣を引き連れ大国に攻め入りあっという間に国を奪ったなどと言われていた。
「その魔女がなぜこの国にいるんですか?しかも店まで開いて」
「隣国を追放され、どこかの森で隠居しているという噂も聞きました」
ヘンリーとスタイラスが、質問する。彼らの表情には、アルバスの言葉が俄に信じられないことが表れていた。
フッ・・
「あんなバカバカしい噂がここまで信じられているとはね。全く驚きだ」
今まで黙っていたアルミーダが、鼻で笑うと、いきなり口を開いた。
「そもそも噂を放っておいたのは、アルミーダじゃないか。噂も皆が知れば、それはやがて真実となる。それは過去の歴史が証明していることだろう?」
「はっ?!人間ってのは、何百年いや何千年経っても進化はしないのかい?こんな魔女一人に何が出来るのさ。どっかの小国を一夜で滅ぼしただって?!魔獣と共に国を奪っただって?!バカらしくて、否定する気にもならないねっ!」
「そんなことだから、君はいつも誤解されてしまうんじゃないか」
「誤解?!結構だね。そんな奴らと付き合う気は更々ないからね。こっちから願い下げたよ!」
(なんかアルバス先生、その3本の指に入る魔女にめっちゃ強気なんですけどぉ。しかもお婆さんも全然負けてないしぃ。ケンカ勃発してるしぃ・・おまけにめっちゃ話が横道に逸れてるんですけどぉぉ・・もう、ここはひとつ強引に・・・)
そんなアルバスとアルミーダのやり取りに、リリスが勇敢にも割り込んだ。
「あのー、話を元に戻しませんか?そもそも先生とアルミーダさんは仲がよろしいようですが、どのようなご関係ですか?それになぜアルミーダさんがここで店を開いているのか教えてほしいんです」
「仲がいい?ご関係?ハッ!そんなものただの顔見知りだよ。大体・・・」
アルミーダの言葉にアルバスは
「アルミーダは黙ってて。話が進まないじゃないか。僕が説明するから」
と言って、会話の主導権を取り戻した。
ピーッ
ちょうどこの時、沸騰したヤカンの音が鳴り響いた。
アルバスは先程と同じように指を動かし、ティーポットやカップを操り、お茶を煎れていった。最後に自分の前にカップを置くと一口飲み、再び話し始めた。
「まずアルミーダとは、シュトリーマで出会ったんだ。詳しくは言えないが、僕は王族のひとりに仕える魔法使いだった。同じ頃、アルミーダもあの国の王都に住んでいて、その時に知り合ったんだ。
その後、訳あって僕とアルミーダはシュトリーマを出て僕は学園の教師に、アルミーダは世界中を放浪していたんだ。
スタイラス、さっき君が言った隣国を追放され、森で隠居していたっていうのはあくまでも噂だ。自分からあの国を出たんだよ」
(へぇ、先生の噂本当だったんだ。しかも魔女アルミーダと知り合いだったとか。また噂好きなエリーゼあたりが食いつきそうね)
「ここまでは大丈夫かな?」
アルバスの問に「「はい」」とリリスたちは声を揃えた。
「よし。それとなぜアルミーダがここで店を開いているのかという質問だけど、これにはやはり本人が答えるべきだね」
アルバスはそう言うと、アルミーダに視線を送った。それにアルミーダは「仕方ないね・・・みんな途中で口を挟むんじゃないよ」とい言って話し始めた。
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