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Side-B イノセント<真誠>
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「……ぁん……」
「……っ……」
「んっ……ぁっ」
「一華……っ」
俺の動きに合わせて揺れる白い裸体がシーツに波を作り、あの頃と何一つ変わらない美しい顔が、激情に呑まれ美しく歪む。
朱の華が散りばめられた、艶やかな肌に手を滑らせながら、
「一華……ずっとこうしたかった」
長いこと募らせていた過去からの想いの丈を、声で身体で伝えれば、細く白い腕が伸び首に絡みついてくる。
「……んんっ……ぁっ……響っ」
切なく俺を呼ぶ掠れた声は、あまりにも甘美で、 過去に成し得なかった情熱をぶつけ、それを制御するだけの理性は残されちゃいなかった。
「もっと呼べよ……もっともっと俺を呼べ」
止められぬ欲望と、押し迫る限界のせめぎ合いの中。愛しい人を乞う俺の胸は、泣きそうなほど震えていた。
「ひ、響……ひびき……ぁあっ」
何年も前に封印した、夜に生きていた時代の源氏名で何度も呼ばれれば、一気に駆け上る熱。
「一華……愛してる……っ」
「私も……響……愛して……る……」
消え入りそうな愛しい声に導かれ、俺は最愛の人の中で果て、全てを注ぎ込んだ。
意識を手放し俺に寄り添う女を、狂おしいほど愛している。それを誤魔化すことも、ましてや、もう愛していないなどと嘘をつく気もなかった。
例え、今は七海を傷つけ混乱させるだけだとしても……。
俺に対して、七海の感情が揺れ動いているのは気付いていた。でもそれは、恋愛の類とは違う。ただの憧れだ。
今でも覚えている。初めてあった時の七海の俺を見る眼差しを。まるで大事な宝物を奪われたような、敵対心を奥に潜ませた瞳だった。
目に入れても痛くないほど七海を溺愛している望を、七海もまた絶対的な大切な存在として位置づけているのは直ぐに分かった。
そんなマイナスの感情から俺を気にするようになった七海が、ゼロからプラスへと俺への評価を上げれば、自分自身の感情に戸惑うのも無理はない。だからと言って、そんなものは憧れに過ぎない。そう諭したところで、恋愛経験が浅い七海に理解させるのは難しい。若さゆえに、そんな事はないと撥ねつけられるのがオチだろう。
自分の経験や感情が最優先で全て。物知り顔で大人に諭されるのを、一番嫌がる微妙な年頃だ。なら、選ぶ手段はただ一つだ。
幻滅させればいい。そうすれば、あっさり七海の中に芽生えた感情を拭い去れる。
生憎と、俺にはそう出来るだけの過去がある。俺自身にとっては必要だった過去も、七海からしてみれば、理解出来ないに違いない。
過去を打ち明ければ、俺への評価がマイナスへと急降下するだけに、正直、辛いところだ。
望が愛する七海を、俺もまた無条件で可愛いと思っているし、嫌われるのはキツイ。七海を傷つけてしまうと思うと、心だって痛む。
だが、決めた決断に迷いはなかった。いつ切り出そうかと、この数週間その機会を窺っていた。
そして、今日。全てを覚悟の上で、平然と “元ホスト” だという真実を口にした途端。分かりやすいまでに顔色を変えた七海。
当然だ。七海なら、その事実に引くことは最初から想定済み。何故なら、七海は夜の世界に生きる奴等を嫌悪していると知っていたからだ。
いつだったか……。七海と望と俺との三人で、外で夕飯を喰った帰り道。一目で夜の世界に生きていると分かる女性とすれ違った時、あからさまに七海は顔を顰めた。
好きと嫌いの境界線を思いのままに引く七海は、良くも悪くも素直だ。我儘というわけじゃない。寧ろ、考える能力には長けていると思っている。
ただ経験の乏しさから、自分の中の僅かな知識を判断材料としているだけで、若いのだから仕方のないことだ。
そんな七海にとっての憧れの女は望だ。事実、すれ違い様に見た女性と比較し、『ノンちゃんの方が断然綺麗!』そう言って、望の腕に自分のものを絡ませ、纏わりつきながら騒いでいたのを思い出す。
七海の中の望は、それだけ理想となっていたし、愛する望に優しく接する俺もまた、憧れの大人の男だと評価は昇格されていただろう。
その俺が元ホストだったなんて、七海には受け入れがたいことだ。
それでも知って欲しかった。夜の世界に生きる奴等が、全て汚れているわけじゃないと。誰しもが何かを抱え、精一杯に生きているだけなんだと……。そして、一華もまた、そんな中に生きていた。
身内を救いたいが為に、夢も恋も捨て去って必死に生きただけ。そんな女を愛したことを、嘘になんてしたくはない。
どれだけ一華が気張って生きて来たのか……。 一華が夜を上がった後、一華のスタイルを見本に仕事を続けた俺には良く分かる。
きっと、人知れず涙を流した事もあったはずだ。それでも毅然と自分のスタイルを貫き通した一華は、どれほどの重圧をも背負っていたことか。いち早く気付いてあげられなかった俺もまた、その当時は若過ぎた。
今なら分かる。何よりも誰よりも一華のことを。本当は俺との歳の差を、もの凄く気にしてることも、愛する者から嫌われるんじゃないかと、怯える弱さがあることも。本当は強いだけの女ではないのだと、俺だけが知っている。
そういう女を心から愛している俺の気持ちは揺るぎようがなく、七海も良く分かったはずだ。いや、充分分からせたはずだ。
本当なら、言うべきではなかったのかもしれない。知らないで済むならそれにこしたことはない。全てを話すことが正しいとも思っちゃいない。逆に俺達にとっては、知られたくもない話だ。
それでも俺が過去の話を打ち明けたのは、無垢な七海に予防線を張りつけておきたかったがため。
きっと今頃、七海を混乱させてるに違いない。望という存在があるからこそ、俺を見る目も成り立っていただけに軽蔑もしているだろう。
そして、その軽蔑と引き換えに、望の存在をより強く感じているはずだ。俺が望だけでなく、一華も愛しているのなら、せめて自分だけは望を絶対に裏切りはしないと……。
それでいい。今はまだそれだけでいい。七海にとって、どれだけ望が大切な存在なのか、改めて知って欲しい。それが、七海が思っている以上に、望がどれだけ七海を愛しているかを知る術にも繋がる。
でもいつか……。
「………響…?」
「起きたのか?」
俺の腕の中で、重みの取れない瞼が薄っすらと開く。
「なに考えてたの?」
問い掛けてくる声は、まだ少しだけ掠れていた。
「……もう直ぐ十三回忌だな」
俺を見上げていた瞳は、暗闇の中の天井へと移り、「……そうね」 と、小さく呟いた。
一華の母親がこの世を去って十二年。もう直ぐ十三回忌を迎える。
母親が築き上げ、一華が守り抜いた店は、今は信用ある者に任せ現在も存在する。
その店も今年で三十周年。丁度、店の節目とぶつかる十三回忌の法要は、今まで身内だけで執り行われていたものとは違い、お世話になった関係者も呼ぶと言う。
それは何より、亡くなった母親の供養にもなる。関係者と共に母親の思い出話に華を咲かせ、そして、その意志を引き継いだ娘である一華には、身内がいる前でも大勢の者たちが語りかけるだろう。
「なぁ」
天井を彷徨ってた視線を俺へと呼び戻し、抱き寄せる腕に力を込める。
「もう一度抱いてもいいか?」
返事はなく、恥ずかしそうにほんのりと染まる頬。その頬を撫で、俺はもう一度耳元で囁いた。
「今度は……望として抱きたい」
────七海?
今はまだ、俺がホストだったってだけで傷つき、何色にも染まっていない七海だけど。でもいつか……。もう少しだけ大人になったら、一華という女の存在を、どうか受け入れてやって欲しい。
全てを知った時、俺にしたように厳しい眼差しを向ける前に思い出して欲しい。渦巻く欲望に呑み込まれもせず、一華は清く綺麗な存在だったということを……。
一華を支えたのは、七海だ。
七海がもっと幼かった頃。愛らしい七海の汚れを知らない瞳を見る度、この子に恥じぬ生き方をしよう。そう一華は何度も思いながら、胸に刻み込んで生きて来たという。
だからどうか、俺が予防線を張り巡らせながら語った意味を、少しだけで良い。考えて欲しい。
七海が、全ての真実に気付く日は近い。法事の日に全てを知るだろう。
でもその時。おまえが訊きたいと言うのなら、何度だって俺は、一華の話を訊かせてやる。
そして、最後に俺は自慢気に言うつもりだ。
俺が愛しているのは、この世でただ一人。 誰よりも純真な女であるということを……。この想いは疑いようもなく、純潔な愛なのだと────。
Fin.
「……っ……」
「んっ……ぁっ」
「一華……っ」
俺の動きに合わせて揺れる白い裸体がシーツに波を作り、あの頃と何一つ変わらない美しい顔が、激情に呑まれ美しく歪む。
朱の華が散りばめられた、艶やかな肌に手を滑らせながら、
「一華……ずっとこうしたかった」
長いこと募らせていた過去からの想いの丈を、声で身体で伝えれば、細く白い腕が伸び首に絡みついてくる。
「……んんっ……ぁっ……響っ」
切なく俺を呼ぶ掠れた声は、あまりにも甘美で、 過去に成し得なかった情熱をぶつけ、それを制御するだけの理性は残されちゃいなかった。
「もっと呼べよ……もっともっと俺を呼べ」
止められぬ欲望と、押し迫る限界のせめぎ合いの中。愛しい人を乞う俺の胸は、泣きそうなほど震えていた。
「ひ、響……ひびき……ぁあっ」
何年も前に封印した、夜に生きていた時代の源氏名で何度も呼ばれれば、一気に駆け上る熱。
「一華……愛してる……っ」
「私も……響……愛して……る……」
消え入りそうな愛しい声に導かれ、俺は最愛の人の中で果て、全てを注ぎ込んだ。
意識を手放し俺に寄り添う女を、狂おしいほど愛している。それを誤魔化すことも、ましてや、もう愛していないなどと嘘をつく気もなかった。
例え、今は七海を傷つけ混乱させるだけだとしても……。
俺に対して、七海の感情が揺れ動いているのは気付いていた。でもそれは、恋愛の類とは違う。ただの憧れだ。
今でも覚えている。初めてあった時の七海の俺を見る眼差しを。まるで大事な宝物を奪われたような、敵対心を奥に潜ませた瞳だった。
目に入れても痛くないほど七海を溺愛している望を、七海もまた絶対的な大切な存在として位置づけているのは直ぐに分かった。
そんなマイナスの感情から俺を気にするようになった七海が、ゼロからプラスへと俺への評価を上げれば、自分自身の感情に戸惑うのも無理はない。だからと言って、そんなものは憧れに過ぎない。そう諭したところで、恋愛経験が浅い七海に理解させるのは難しい。若さゆえに、そんな事はないと撥ねつけられるのがオチだろう。
自分の経験や感情が最優先で全て。物知り顔で大人に諭されるのを、一番嫌がる微妙な年頃だ。なら、選ぶ手段はただ一つだ。
幻滅させればいい。そうすれば、あっさり七海の中に芽生えた感情を拭い去れる。
生憎と、俺にはそう出来るだけの過去がある。俺自身にとっては必要だった過去も、七海からしてみれば、理解出来ないに違いない。
過去を打ち明ければ、俺への評価がマイナスへと急降下するだけに、正直、辛いところだ。
望が愛する七海を、俺もまた無条件で可愛いと思っているし、嫌われるのはキツイ。七海を傷つけてしまうと思うと、心だって痛む。
だが、決めた決断に迷いはなかった。いつ切り出そうかと、この数週間その機会を窺っていた。
そして、今日。全てを覚悟の上で、平然と “元ホスト” だという真実を口にした途端。分かりやすいまでに顔色を変えた七海。
当然だ。七海なら、その事実に引くことは最初から想定済み。何故なら、七海は夜の世界に生きる奴等を嫌悪していると知っていたからだ。
いつだったか……。七海と望と俺との三人で、外で夕飯を喰った帰り道。一目で夜の世界に生きていると分かる女性とすれ違った時、あからさまに七海は顔を顰めた。
好きと嫌いの境界線を思いのままに引く七海は、良くも悪くも素直だ。我儘というわけじゃない。寧ろ、考える能力には長けていると思っている。
ただ経験の乏しさから、自分の中の僅かな知識を判断材料としているだけで、若いのだから仕方のないことだ。
そんな七海にとっての憧れの女は望だ。事実、すれ違い様に見た女性と比較し、『ノンちゃんの方が断然綺麗!』そう言って、望の腕に自分のものを絡ませ、纏わりつきながら騒いでいたのを思い出す。
七海の中の望は、それだけ理想となっていたし、愛する望に優しく接する俺もまた、憧れの大人の男だと評価は昇格されていただろう。
その俺が元ホストだったなんて、七海には受け入れがたいことだ。
それでも知って欲しかった。夜の世界に生きる奴等が、全て汚れているわけじゃないと。誰しもが何かを抱え、精一杯に生きているだけなんだと……。そして、一華もまた、そんな中に生きていた。
身内を救いたいが為に、夢も恋も捨て去って必死に生きただけ。そんな女を愛したことを、嘘になんてしたくはない。
どれだけ一華が気張って生きて来たのか……。 一華が夜を上がった後、一華のスタイルを見本に仕事を続けた俺には良く分かる。
きっと、人知れず涙を流した事もあったはずだ。それでも毅然と自分のスタイルを貫き通した一華は、どれほどの重圧をも背負っていたことか。いち早く気付いてあげられなかった俺もまた、その当時は若過ぎた。
今なら分かる。何よりも誰よりも一華のことを。本当は俺との歳の差を、もの凄く気にしてることも、愛する者から嫌われるんじゃないかと、怯える弱さがあることも。本当は強いだけの女ではないのだと、俺だけが知っている。
そういう女を心から愛している俺の気持ちは揺るぎようがなく、七海も良く分かったはずだ。いや、充分分からせたはずだ。
本当なら、言うべきではなかったのかもしれない。知らないで済むならそれにこしたことはない。全てを話すことが正しいとも思っちゃいない。逆に俺達にとっては、知られたくもない話だ。
それでも俺が過去の話を打ち明けたのは、無垢な七海に予防線を張りつけておきたかったがため。
きっと今頃、七海を混乱させてるに違いない。望という存在があるからこそ、俺を見る目も成り立っていただけに軽蔑もしているだろう。
そして、その軽蔑と引き換えに、望の存在をより強く感じているはずだ。俺が望だけでなく、一華も愛しているのなら、せめて自分だけは望を絶対に裏切りはしないと……。
それでいい。今はまだそれだけでいい。七海にとって、どれだけ望が大切な存在なのか、改めて知って欲しい。それが、七海が思っている以上に、望がどれだけ七海を愛しているかを知る術にも繋がる。
でもいつか……。
「………響…?」
「起きたのか?」
俺の腕の中で、重みの取れない瞼が薄っすらと開く。
「なに考えてたの?」
問い掛けてくる声は、まだ少しだけ掠れていた。
「……もう直ぐ十三回忌だな」
俺を見上げていた瞳は、暗闇の中の天井へと移り、「……そうね」 と、小さく呟いた。
一華の母親がこの世を去って十二年。もう直ぐ十三回忌を迎える。
母親が築き上げ、一華が守り抜いた店は、今は信用ある者に任せ現在も存在する。
その店も今年で三十周年。丁度、店の節目とぶつかる十三回忌の法要は、今まで身内だけで執り行われていたものとは違い、お世話になった関係者も呼ぶと言う。
それは何より、亡くなった母親の供養にもなる。関係者と共に母親の思い出話に華を咲かせ、そして、その意志を引き継いだ娘である一華には、身内がいる前でも大勢の者たちが語りかけるだろう。
「なぁ」
天井を彷徨ってた視線を俺へと呼び戻し、抱き寄せる腕に力を込める。
「もう一度抱いてもいいか?」
返事はなく、恥ずかしそうにほんのりと染まる頬。その頬を撫で、俺はもう一度耳元で囁いた。
「今度は……望として抱きたい」
────七海?
今はまだ、俺がホストだったってだけで傷つき、何色にも染まっていない七海だけど。でもいつか……。もう少しだけ大人になったら、一華という女の存在を、どうか受け入れてやって欲しい。
全てを知った時、俺にしたように厳しい眼差しを向ける前に思い出して欲しい。渦巻く欲望に呑み込まれもせず、一華は清く綺麗な存在だったということを……。
一華を支えたのは、七海だ。
七海がもっと幼かった頃。愛らしい七海の汚れを知らない瞳を見る度、この子に恥じぬ生き方をしよう。そう一華は何度も思いながら、胸に刻み込んで生きて来たという。
だからどうか、俺が予防線を張り巡らせながら語った意味を、少しだけで良い。考えて欲しい。
七海が、全ての真実に気付く日は近い。法事の日に全てを知るだろう。
でもその時。おまえが訊きたいと言うのなら、何度だって俺は、一華の話を訊かせてやる。
そして、最後に俺は自慢気に言うつもりだ。
俺が愛しているのは、この世でただ一人。 誰よりも純真な女であるということを……。この想いは疑いようもなく、純潔な愛なのだと────。
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