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馬車で三日程でヴァルドーラ帝国との国境に辿り着いた
国境の検問を受けヴァルドーラ帝国に入ってからは馬車道もしっかりと整備され、こういう所が大国たらしめる所以かと驚くばかりであった
国境を越えてから二週間ばかり掛かって帝都に入った
正面に皇城が見えてくる
シーリンス王国の王都がすっぽりと収まりそうな広大な白亜の宮殿であった
正門で外交官が乗った馬車と共に中をあらためられて中に入る事が出来た
広い馬車止めに二台の馬車が到着すると、皇城の騎士が扉を開けてシャーロットに手を差し伸べエスコートをしてくれた
シャーロット達を出迎えた外交官と皇宮騎士に、シャーロットは城の奥へと案内された
シーリンス王国の外交官は入ってすぐの玄関ホールで、ヴァルドーラ帝国の外交官が、書状と王国からの贈り物を受け取り、すぐに帰されたと後日聞くこととなった
シャーロットは広い皇城の中程に位置した皇帝陛下の執務室の隣りの部屋に通されていた
部屋の下座で跪き、頭を下げて礼を取って待つ
暫くして重厚な扉が開く音と共に、カツンカツンと大理石を踵で打ち付けるような足音がゆっくりと近づいてきた
目の前で立ち止まると、伏せた視線の先に皇帝陛下の足下だけがうつる
「顔を上げろ」
冷たい声が頭上から降ってくる
礼を尽くして顔を上げると、鋭い目で刺すように見下ろされていた
艶やかな漆黒の黒髪に鋭く光る黒い瞳、褐色の肌をした怜悧な美貌の逞しい長身の若い男性がシャーロットを見下ろしていたのだ
何故こんなにも若い男性がいるのか、ヴァルドーラ帝国の皇帝陛下は六十を越えた初老であったはず、それともヴァルドーラ帝国の男性は物凄く若く見えるのか·····シャーロットは固まってしまった
するとその若い男性がシャーロットに向かって問いかけた
「お前は、キャロライン・リュグラー、ではないな」
その問いかけに我に返ったシャーロットは再び深く頭を下げて
「はい。申し訳ございません。シャーロット・グラントにございます·····」
続けて挨拶をしようとしたシャーロットを遮って
「断わりもなく、約束を違えるとはな」
不快感を顕にする男性に頭を下げる事しか出来ずにいた、が、シャーロットは目の前の男性が初老の皇帝陛下でない事に戸惑っていた
ただ、この男性の纏うオーラは、支配者の纏うそれなのだ
「まあいい」
廊下に控えていた侍女に、シャーロットを案内するようにと言い残すと部屋を出て執務室へと消えていった
入れ替わりに侍女が部屋に入ってくると
「今日よりシャーロット様のお世話を務めさせて頂きます。ミーナと申します。よろしくお願い致します」
シャーロットより少し歳上であろう優しげな雰囲気のミーナがシャーロットに挨拶をした
「シャーロット・グラントにございます。お世話になります」
まだ先程の緊張が解けないままのシャーロットをミーナが案内して、ハーレムのある宮殿の奥へと向かった
ハーレムには今十名の女性がいて、皆ヴァルドーラ帝国以外の国から集まっている
各国から同盟を結んだり友好の印にと美しい貴族の令嬢が送られてくるようだ
多い時には三十名を越える女性がいる時もある
基本的に皆のんびりと過ごしているらしい
皇帝陛下はハーレムの女性に対して序列を付ける事はなく、女性達も寵愛を競ったりなどはしない、というよりはハーレムの女性同士で争い事を起こす事を良しとしないようである
長くても五年程でハーレムから出られるらしく、その後は国に帰るという事も自由であるが、殆どの女性は、ヴァルドーラの騎士や貴族達と婚姻しているという
帝国では側妃制度はなく、正妃が一人選ばれる以外は皆平等にハーレムの一員である
というような事を教わりながらシャーロットに与えられた部屋に到着した
大理石の床で白い壁の広い部屋であった
家具や装飾品などは、城に出入りの商人から自由に買ったり、自分好みに出来るという
ミーナからの説明を受けながら、はたと肝心な事を聞きそびれていた事を思い出した
「あの、先程の男性なのだけど·····」
と切り出すと、ミーナは先程の男性、と口の中で考えるように呟いて
「サフィーラ皇帝陛下の事でございますか?」
「皇帝陛下?!」
驚いた声を上げたシャーロットにミーナも驚いて顔を見合わせる
「ああっ、シャーロット様のお国にはまだ知らされていないのですね。おそらくシャーロット様がお知りになっているのは、崩御された前皇帝陛下でございますね」
「ソレス皇帝陛下が崩御された·····?」
「一年近く前になりますが、ご病気で·····。ヴァルドーラ帝国では皇帝陛下の崩御は一年程隠されます。新皇帝陛下が足場を固められてから崩御が伝えられ、新皇帝陛下の戴冠式が行われるのです」
理由を聞いてシャーロットは成程と納得した
だからシーリンス王国ではヴァルドーラ帝国の皇帝陛下はまだソレス皇帝陛下だと思われているのだと
ミーナが手早くお茶の準備をしてくれて、紅茶の香りが鼻腔を掠める
クスクスと笑って紅茶をカップに注ぎながら
「では先程はお驚きになられたでしょう」
「ええ、とても驚きましたわ。ヴァルドーラ帝国のサフィーラ皇太子殿下が立太子された事は知っていましたが、皇帝陛下になられたとは思っていなかったものですから」
大国故にヴァルドーラ帝国は自国の情報を漏らさない国である
妃教育として他国の勉強はしてきたが、ヴァルドーラ帝国については、特産品などといったものしか情報としてはないのであった
「私の知っている事であればお教えいたしますから、いつでも聞いてくださいね」
「ありがとう、ミーナ。とても心強いですわ」
人質としてヴァルドーラ帝国に行くシャーロットに、一人の侍女も連れていく事を許されなかったシャーロットは、やはり心細かったのだ
サフィーラの執務室では、宰相と外務大臣、政務次官などが集まっていた
シーリンス王国に潜り込ませていた者から事前に報告が上がっていたが、まさか本当にこんな恥知らずな無礼を働いた事に憤慨しているのだ
ヴァルドーラ帝国からキャロラインをと求めたわけではなく、シーリンス王国側からの申し出であり、直前で王太子が婚約破棄をしたシャーロットを、そのキャロラインの代わりに送り込んできたのだ、ヴァルドーラサイドの怒りは相当なものであった
「シーリンス王国に警告を入れますか」
外務大臣が問うとサフィーラは無言で首を振り
「少しシーリンス王国を探れ」
「承知致しました。じっくり探らせましょう」
「代わりに送り込まれた令嬢はいかがしますか」
「別にどうもこうもない。ハーレムの女として扱うだけだ」
サフィーラからの答えを聞いて大臣達は部屋をあとにした
シャーロットが帝国に着いてから一週間あまり、何もなく過ぎていった
その間にミーナに色々教えてもらっていた
皇帝は皇城内に自室と寝室があるが、寝室で寝るという事はほぼなく、ハーレムの誰かの部屋で休んでいること
誰と決まっているわけではなく、皇帝のその日の気分で部屋に訪れること
故に、誰の部屋に渡るかは直前まで分からない為、夜は毎日それぞれが準備して待機していると、十時を過ぎれば渡りはないと考え自由に休んでも良い事になっている
シャーロットも毎日ミーナ達侍女に体中を磨き抜かれ体のラインがうつる薄いシースルーの夜着を着せられて夜を過ごしていた
全く渡りがないという事は、人質の、それも取り替えられたシャーロットには興味もないという事なのだろう
このまま忘れ去られたように何年か経てば、誰かに下げ渡されたり下賜されたりするのだろうか、それとも人質という事でそれもなく飼い殺されていくのだろうか、などと考えた
その日の夕食後も、いつものように部屋の立派な浴室で全身をメイドの手によって洗われた
体を人に洗われるのは恥ずかしいので自分で洗いたいと訴えたのだが、それは譲れないと却下されて、恥ずかしさを偲んでされるがままになっているのである
浴槽に浸かり丹念にオイルを体に塗り込められる
髪を拭いて乾かしてもらい、丁寧にブラシで梳かしてもらう
薄い夜着を纏うと前をリボンで結び、ベッドの傍らに跪いて時間が過ぎるのを待つ
午後九時を回った頃であった
国境の検問を受けヴァルドーラ帝国に入ってからは馬車道もしっかりと整備され、こういう所が大国たらしめる所以かと驚くばかりであった
国境を越えてから二週間ばかり掛かって帝都に入った
正面に皇城が見えてくる
シーリンス王国の王都がすっぽりと収まりそうな広大な白亜の宮殿であった
正門で外交官が乗った馬車と共に中をあらためられて中に入る事が出来た
広い馬車止めに二台の馬車が到着すると、皇城の騎士が扉を開けてシャーロットに手を差し伸べエスコートをしてくれた
シャーロット達を出迎えた外交官と皇宮騎士に、シャーロットは城の奥へと案内された
シーリンス王国の外交官は入ってすぐの玄関ホールで、ヴァルドーラ帝国の外交官が、書状と王国からの贈り物を受け取り、すぐに帰されたと後日聞くこととなった
シャーロットは広い皇城の中程に位置した皇帝陛下の執務室の隣りの部屋に通されていた
部屋の下座で跪き、頭を下げて礼を取って待つ
暫くして重厚な扉が開く音と共に、カツンカツンと大理石を踵で打ち付けるような足音がゆっくりと近づいてきた
目の前で立ち止まると、伏せた視線の先に皇帝陛下の足下だけがうつる
「顔を上げろ」
冷たい声が頭上から降ってくる
礼を尽くして顔を上げると、鋭い目で刺すように見下ろされていた
艶やかな漆黒の黒髪に鋭く光る黒い瞳、褐色の肌をした怜悧な美貌の逞しい長身の若い男性がシャーロットを見下ろしていたのだ
何故こんなにも若い男性がいるのか、ヴァルドーラ帝国の皇帝陛下は六十を越えた初老であったはず、それともヴァルドーラ帝国の男性は物凄く若く見えるのか·····シャーロットは固まってしまった
するとその若い男性がシャーロットに向かって問いかけた
「お前は、キャロライン・リュグラー、ではないな」
その問いかけに我に返ったシャーロットは再び深く頭を下げて
「はい。申し訳ございません。シャーロット・グラントにございます·····」
続けて挨拶をしようとしたシャーロットを遮って
「断わりもなく、約束を違えるとはな」
不快感を顕にする男性に頭を下げる事しか出来ずにいた、が、シャーロットは目の前の男性が初老の皇帝陛下でない事に戸惑っていた
ただ、この男性の纏うオーラは、支配者の纏うそれなのだ
「まあいい」
廊下に控えていた侍女に、シャーロットを案内するようにと言い残すと部屋を出て執務室へと消えていった
入れ替わりに侍女が部屋に入ってくると
「今日よりシャーロット様のお世話を務めさせて頂きます。ミーナと申します。よろしくお願い致します」
シャーロットより少し歳上であろう優しげな雰囲気のミーナがシャーロットに挨拶をした
「シャーロット・グラントにございます。お世話になります」
まだ先程の緊張が解けないままのシャーロットをミーナが案内して、ハーレムのある宮殿の奥へと向かった
ハーレムには今十名の女性がいて、皆ヴァルドーラ帝国以外の国から集まっている
各国から同盟を結んだり友好の印にと美しい貴族の令嬢が送られてくるようだ
多い時には三十名を越える女性がいる時もある
基本的に皆のんびりと過ごしているらしい
皇帝陛下はハーレムの女性に対して序列を付ける事はなく、女性達も寵愛を競ったりなどはしない、というよりはハーレムの女性同士で争い事を起こす事を良しとしないようである
長くても五年程でハーレムから出られるらしく、その後は国に帰るという事も自由であるが、殆どの女性は、ヴァルドーラの騎士や貴族達と婚姻しているという
帝国では側妃制度はなく、正妃が一人選ばれる以外は皆平等にハーレムの一員である
というような事を教わりながらシャーロットに与えられた部屋に到着した
大理石の床で白い壁の広い部屋であった
家具や装飾品などは、城に出入りの商人から自由に買ったり、自分好みに出来るという
ミーナからの説明を受けながら、はたと肝心な事を聞きそびれていた事を思い出した
「あの、先程の男性なのだけど·····」
と切り出すと、ミーナは先程の男性、と口の中で考えるように呟いて
「サフィーラ皇帝陛下の事でございますか?」
「皇帝陛下?!」
驚いた声を上げたシャーロットにミーナも驚いて顔を見合わせる
「ああっ、シャーロット様のお国にはまだ知らされていないのですね。おそらくシャーロット様がお知りになっているのは、崩御された前皇帝陛下でございますね」
「ソレス皇帝陛下が崩御された·····?」
「一年近く前になりますが、ご病気で·····。ヴァルドーラ帝国では皇帝陛下の崩御は一年程隠されます。新皇帝陛下が足場を固められてから崩御が伝えられ、新皇帝陛下の戴冠式が行われるのです」
理由を聞いてシャーロットは成程と納得した
だからシーリンス王国ではヴァルドーラ帝国の皇帝陛下はまだソレス皇帝陛下だと思われているのだと
ミーナが手早くお茶の準備をしてくれて、紅茶の香りが鼻腔を掠める
クスクスと笑って紅茶をカップに注ぎながら
「では先程はお驚きになられたでしょう」
「ええ、とても驚きましたわ。ヴァルドーラ帝国のサフィーラ皇太子殿下が立太子された事は知っていましたが、皇帝陛下になられたとは思っていなかったものですから」
大国故にヴァルドーラ帝国は自国の情報を漏らさない国である
妃教育として他国の勉強はしてきたが、ヴァルドーラ帝国については、特産品などといったものしか情報としてはないのであった
「私の知っている事であればお教えいたしますから、いつでも聞いてくださいね」
「ありがとう、ミーナ。とても心強いですわ」
人質としてヴァルドーラ帝国に行くシャーロットに、一人の侍女も連れていく事を許されなかったシャーロットは、やはり心細かったのだ
サフィーラの執務室では、宰相と外務大臣、政務次官などが集まっていた
シーリンス王国に潜り込ませていた者から事前に報告が上がっていたが、まさか本当にこんな恥知らずな無礼を働いた事に憤慨しているのだ
ヴァルドーラ帝国からキャロラインをと求めたわけではなく、シーリンス王国側からの申し出であり、直前で王太子が婚約破棄をしたシャーロットを、そのキャロラインの代わりに送り込んできたのだ、ヴァルドーラサイドの怒りは相当なものであった
「シーリンス王国に警告を入れますか」
外務大臣が問うとサフィーラは無言で首を振り
「少しシーリンス王国を探れ」
「承知致しました。じっくり探らせましょう」
「代わりに送り込まれた令嬢はいかがしますか」
「別にどうもこうもない。ハーレムの女として扱うだけだ」
サフィーラからの答えを聞いて大臣達は部屋をあとにした
シャーロットが帝国に着いてから一週間あまり、何もなく過ぎていった
その間にミーナに色々教えてもらっていた
皇帝は皇城内に自室と寝室があるが、寝室で寝るという事はほぼなく、ハーレムの誰かの部屋で休んでいること
誰と決まっているわけではなく、皇帝のその日の気分で部屋に訪れること
故に、誰の部屋に渡るかは直前まで分からない為、夜は毎日それぞれが準備して待機していると、十時を過ぎれば渡りはないと考え自由に休んでも良い事になっている
シャーロットも毎日ミーナ達侍女に体中を磨き抜かれ体のラインがうつる薄いシースルーの夜着を着せられて夜を過ごしていた
全く渡りがないという事は、人質の、それも取り替えられたシャーロットには興味もないという事なのだろう
このまま忘れ去られたように何年か経てば、誰かに下げ渡されたり下賜されたりするのだろうか、それとも人質という事でそれもなく飼い殺されていくのだろうか、などと考えた
その日の夕食後も、いつものように部屋の立派な浴室で全身をメイドの手によって洗われた
体を人に洗われるのは恥ずかしいので自分で洗いたいと訴えたのだが、それは譲れないと却下されて、恥ずかしさを偲んでされるがままになっているのである
浴槽に浸かり丹念にオイルを体に塗り込められる
髪を拭いて乾かしてもらい、丁寧にブラシで梳かしてもらう
薄い夜着を纏うと前をリボンで結び、ベッドの傍らに跪いて時間が過ぎるのを待つ
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