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ユリアーナとレイモンドが交流を深めている頃、学園では、アンナとアイザックをはじめとしたアンナに籠絡された令息達が、人目も憚らずイチャイチャベタベタとしていた
良識派の令嬢令息が眉を顰めるが、ユリアーナに虐められているアンナを慰めているのだと悪びれない
この間の騒動からユリアーナは学園には来ていない
それをいい事にアンナとアイザックはベッタリだった
「アイザックさまぁ、お義姉様が最近学園を休んんでるんですっ」
「この間の事で来づらいのだろう。義妹を虐める性悪な女だと、学園中に知れ渡ったからな」
「そうだと思いますっ。プライドが高いお義姉様には耐えられないんだと思いますっ」
アイザックは愛おしそうにアンナの肩を抱きながら
「虐められているのに、ユリアーナの心配をしてやるなんて、アンナはなんて慈悲深い優しい令嬢なんだ。アンナの部屋はちゃんとしてもらえたのか?」
悲しそうな顔をしてアンナは首を横に振る
「いいえっ。それに、お義姉様やお義父さまと話そうと思っても、侍女やメイドや執事に邪魔をされて、家で顔を合わすことも出来ないんですぅ。お母様も会えないって嘆いていますっ」
公爵家では、執事と家令を中心にして、ユリアーナとルーカスをアンナとアシュリー夫人に会わせないようにしていた
「公爵にまで会わさないようにするとは。性悪の言いなりになってアンナを蔑ろにするような使用人達は、俺が公爵を継いだら全員入れ替えさせてやる」
ここにいないユリアーナに暴言を吐くアイザックにアンナは抱きついて
「アンナの事で怒ってくれて嬉しいっ。……でも、アイザック様がお義姉様と結婚したら、アイザック様の事をお義兄様って呼ばなきゃいけないんですよねぇ……辛いな……」
大きな目をうるうるとさせて寂しそうに呟くアンナにアイザックは堪らなくなり
「俺がファシュエル公爵家に婿に入るのは決まっているんだ。なら、アンナと結婚しても、公爵家に取っては同じ事だ」
「アイザックさまぁ、アイザック様はお義姉様じゃなくて、アンナを選んでくれるんですかっ?」
「ああ、勿論だ。ユリアーナのような性悪よりも、可憐で健気で優しいアンナが良い。ファシュエル公爵も、アンナと俺が結婚して公爵家を継ぐ方が喜ぶに決まっているよ」
「そうですよねっ。そしたらお母様も安心しますぅ」
イチャイチャしながらそんな会話を続ける2人はまだ気づかない
大変な勘違いをしていることに
初めのアンナの勘違いから、ユリアーナの話しを聞くこともせず、勘違いに勘違いを重ねて、取り返しのつかない所まできていることに
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アイザックは愛おしそうにアンナの肩を抱きながら
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「公爵にまで会わさないようにするとは。性悪の言いなりになってアンナを蔑ろにするような使用人達は、俺が公爵を継いだら全員入れ替えさせてやる」
ここにいないユリアーナに暴言を吐くアイザックにアンナは抱きついて
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