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奇跡
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「あっ」
しまった!!油断した!!
貴重な食材に逃げられないよう、防御陣はんどでしっかり押さえつけてたはずだったのに……。
しっぽもたくさん回収出来たしそろそろ締めようとしたら、黒竜が死に物狂いで暴れた上、だらだら流してた脂汗のせいで防御陣はんどからぬるりと抜け出しちゃった……。
ぼくから逃げようと天高く舞い上がる黒竜。
だけど、散々ぼくが下ごしらえをしてたせいか、途中で力尽きたらしくぼく目掛けて落ちてきた。
ちょっとやばいかも!!
防御陣で受けるか、ここから飛び退かないと黒竜に潰されちゃう!!
食材なんかに潰されて死ぬとか笑えないよ!!
「地殻変動魔法!!」
想定外の事態に固まってしまってたぼくの周囲の地面が、力ある言葉と共に盛り上がり、岩石の棘山と化して落ちてくる黒竜の背中に突き刺さった。
黒竜の硬い鱗に傷を付ける事は出来なかったけど、どうやら食材に押し潰されるのだけは免れたよ……。
声がした方へ振り向くとそこにはリィちゃんが魔導銃を構えて立ってた。
リィちゃん、いつの間に中級攻撃魔法を覚えたんだろう?
ぼくがリィちゃんに気を取られていたら、黒竜の巨体を支えきれず、バキバキィッと音を立てながら岩石の棘が割れ出す。
「アイラさん!!」
「お任せを!!付与!!氷結魔法!!」
リィちゃんの言葉に応えて、リィちゃんの背後からアイちゃんが飛び出してきた。
岩石の棘に魔杖から発生させたしなやかかつ頑丈な防御陣製の鞭を叩きつけて氷結魔法を付与した事で、ひび割れ崩れ落ちそうな岩石の棘山が凍りつき、強度が増した。
そのおかげで黒竜が落ちてくるまで少しばかりの猶予が生まれた。
リライザがぼくに向かって叫ぶ。
「ノルン!!今のうちに離脱しましょう!!」
「リィちゃん、アイちゃん……?どうして……?」
「ノルン!!」
避難させたはずの二人の姿を見てぼくが呆気にとられていると、ルフィアが走ってきてぼくを抱き寄せて抱え上げこの場を離脱した。
黒竜の巨体を支えきれず、凍った岩石が崩れ落ち黒竜は地面に落下して大きな地響を立てながら、そのまま粉々に砕けた岩石の山に埋もれる。
「なんで……?なんで、三人ともここに戻ってきたの?」
ぼくを抱きかかえたルフィアに地面に下ろしてもらいながら、ケイトおねーちゃん達と一緒に避難したはずなのにどうしてここに戻ってきたのか尋ねると、ルフィアは真剣な表情でぼくの目を見て答えた。
「ノルンだけにすべて任せて逃げたくなかった。ここで逃げるような臆病者にノルンの友を名乗る資格はないからな」
「ルフィア……」
「お姉様!!わたしも姫と同じ気持ちです!!ここでお姉様にすべて押し付けて逃げるようなわたしは嫌です!!」
「リィちゃん……」
「わたくしもです。お姉様を見捨てて逃げるなど出来ません。そのような卑怯者がお姉様の妹を名乗るなど許されませんもの」
「アイちゃん……」
リィちゃんとアイちゃんも駆け寄ってきて、二人共真剣な表情でぼくの目を見てはっきりとそう告げた。
「私達はまだまだ未熟だが、ノルンの力になりたい。これからもノルンと共にいたい。だから、私達もノルンと共に戦わせてほしい」
「……これは訓練じゃないんだよ?」
「わかっている」
「一歩間違えたら死んじゃうかもしれないんだよ?」
「それはお姉様も同じじゃないですか」
「それにお姉様が一緒にいてくださるのなら、どんなに痛くてつらい思いをしても平気ですわ」
ぼくの言葉に三人はなんの躊躇もなく、そう答えた。
ぼくは三人のその言葉に俯き、顔を上げ三人にふっと微笑む。
「もう……。三人共、無茶がすぎるよ……」
ルフィア達に怪我をさせたくなくて、せっかく避難させたのに……。
「その位しないと、ノルンの友は務まらないだろう?」
「例え無茶でも、絶対引きません!!」
「そうですとも。どんな無茶でも皆で押し通せば良いのです」
「……そうだね」
三人の気持ちがすごく嬉しくて、顔がほころぶ……。
三人も同じ気持ちなのか、清々しい笑顔を見せてくれる。
ぼく達四人が笑いあってたその時だった。
自身に降り積もった岩石を吹き飛ばしながら、黒竜がその巨体をそびえ立たせ咆哮を上げた。
「グオオオオオオオオッ!!」
怒りの雄叫びを上げ、黒竜がしっぽを振り回して暴れる。
「リィナ、アイラ!!行くぞ!!」
「はい!!」
「かしこまりましたわ!!」
ぼくが作ってあげた武器を手に三人はぼくを背後に庇うように前に立つ。
「……っ」
ーー夢で見たシルフィ達の背中と、ルフィア達の背中が重なって見えた。
「ガアアアアアッ!!」
黒竜がその口内に炎を集め吐き出してくる。
「行きます!!中級氷結魔法!!増幅発射!!連射!!」
ぼくが防御陣を発動するよりも早く、リィちゃんが魔導銃で発動した中級攻撃魔法の威力を増幅して、黒竜の顔めがけて連射した。
高位氷結魔法並の威力に増幅された中級氷結魔法が連続発射され炎のブレスを相殺していく。
黒竜のブレスとリィちゃんの攻撃魔法が両者一歩も引かずお互いせめぎ合う。
「付与!!」
アイちゃんが炎のブレスとぶつかり合う氷結魔法目がけて鞭を振るい、氷結魔法を自身の鞭に付与して走る。
「はああああっ!!氷結鞭!!」
高位攻撃魔法並に増幅された氷結魔法を付与した鞭が、黒竜の口元に巻き付き凍りつかせていく。
「ムゴオオオオッ!!」
両目の先から氷漬けにされ、黒竜はブレスを封じ込められる。
「姫様!!今ですわ!!」
アイちゃんの叫びに応え、ルフィアが光刃剣を手に走る。
「剣よ!!」
最高位防御陣製の刃が生成され、ルフィアが黒竜が苦し紛れに振り回したしっぽを斬り飛ばした。
「はあああああああっ!!」
しっぽを切断された黒竜が苦悶の叫びを上げるよりも早く、懐に飛び込んだルフィアが跳躍して黒竜の首を根元から斬り落とした。
斬り落とされた黒竜の首が宙を舞い、地面に叩きつけられる。
首を失った胴体が後ろに倒れながら大量の血を吹き出す。
「こんな、馬鹿な……」
落下の衝撃で顔半分を覆っていた氷が砕け、黒竜は最後に一言、人の言葉に良く似た鳴き声を上げて息絶えた。
「すごい……。三人共初めての実戦なのに、ドラゴンに勝っちゃったよ、リライザ……」
「私も驚きました……。ノルンが消耗させていたとはいえ、人の言葉を話す高位の竜を倒すなんて……」
ぼくとリライザが三人の成長に驚いていると、ルフィア達がぼくの方に振り返り笑う。
「ノルン。勝ったぞ」
「お姉様。わたしやれました」
「これもお姉様との訓練のおかげですわ」
自信が付いたのかどこか誇らしげに笑う三人。
『ノエル。勝ったぞ』
『お姉ちゃん。わたしでもやれたよ』
『わたくし達が力を合わせれば勝てぬ物などありませんわ』
不意に夢で見たノエルの幼なじみ達の姿がルフィア達と重なって見えた。
「……うん。すごかったよ。三人共。初めての実戦なのに息ぴったりで驚いたよ」
ぼくが三人の戦いぶりを誉めると、三人は照れくさそうに笑う。
「はい。訓練の時もそうでしたけど、何故かお二人と息を合わせて戦うの上手くいくんです。お姉様」
「リィナさんも?わたくしもです。お互いに出会ってからそんなに経ってませんのに……。何故かお二人との連携がしっくりくるんですよね……」
「二人もか?実は私もそうなんだ……。連携の訓練にも先日混ぜてもらったばかりなのに、三人で戦うのが何だかすごくしっくりくる気がする……。まるでずっと以前から、こうして一緒に戦ってきたような……」
「あ。それ、わたしも思いました。なんででしょうね?」
「不思議ですわよね。今回が初めての実戦のはずなのに。お姉様を背後に庇って三人で魔物に立ち向かう。なぜだか以前にもこんなシチュエーションがあったような気がするんですの……。わたくし如きがこんな事を言うのはお姉様に対して無礼だと思いますけど……」
「シルフィ、リィン、アイル……」
ぼくがノエルが失った三人の幼なじみの名を呟くと、ルフィア達はぼくの方へ振り向き不思議そうに呟く。
「何故だろう……。その名に聞き覚えがあるような気がする……」
「……わたしもです。なんでだろ?」
「もしかして、お姉様が新しい愛称を考えてくださったのですか?今の呼ばれ方、なぜだかすごくしっくり来ますわ……」
「……っ。うぅ……」
三人の反応を見て、ぼくは涙を流してしまう。
「ノルン!?突然泣き出したりしてどうしたんだ!?」
「お姉様!?もしかしてどこかお怪我を!?」
「あああ!?大変ですわ!!どこです!?どこが痛むんですかお姉様!!」
突然泣き出したぼくに三人が駆け寄ってきて、慌てふためく。
「何でも……ひっく、ないの……。ただ、みんなに会えて、友達になれて、ぐすっ、良かった……」
ルフィア。
リィちゃん。
アイちゃん。
三人と出会えて、また、友達になれた。
きっと、これはぼくに訪れた奇跡……。
しまった!!油断した!!
貴重な食材に逃げられないよう、防御陣はんどでしっかり押さえつけてたはずだったのに……。
しっぽもたくさん回収出来たしそろそろ締めようとしたら、黒竜が死に物狂いで暴れた上、だらだら流してた脂汗のせいで防御陣はんどからぬるりと抜け出しちゃった……。
ぼくから逃げようと天高く舞い上がる黒竜。
だけど、散々ぼくが下ごしらえをしてたせいか、途中で力尽きたらしくぼく目掛けて落ちてきた。
ちょっとやばいかも!!
防御陣で受けるか、ここから飛び退かないと黒竜に潰されちゃう!!
食材なんかに潰されて死ぬとか笑えないよ!!
「地殻変動魔法!!」
想定外の事態に固まってしまってたぼくの周囲の地面が、力ある言葉と共に盛り上がり、岩石の棘山と化して落ちてくる黒竜の背中に突き刺さった。
黒竜の硬い鱗に傷を付ける事は出来なかったけど、どうやら食材に押し潰されるのだけは免れたよ……。
声がした方へ振り向くとそこにはリィちゃんが魔導銃を構えて立ってた。
リィちゃん、いつの間に中級攻撃魔法を覚えたんだろう?
ぼくがリィちゃんに気を取られていたら、黒竜の巨体を支えきれず、バキバキィッと音を立てながら岩石の棘が割れ出す。
「アイラさん!!」
「お任せを!!付与!!氷結魔法!!」
リィちゃんの言葉に応えて、リィちゃんの背後からアイちゃんが飛び出してきた。
岩石の棘に魔杖から発生させたしなやかかつ頑丈な防御陣製の鞭を叩きつけて氷結魔法を付与した事で、ひび割れ崩れ落ちそうな岩石の棘山が凍りつき、強度が増した。
そのおかげで黒竜が落ちてくるまで少しばかりの猶予が生まれた。
リライザがぼくに向かって叫ぶ。
「ノルン!!今のうちに離脱しましょう!!」
「リィちゃん、アイちゃん……?どうして……?」
「ノルン!!」
避難させたはずの二人の姿を見てぼくが呆気にとられていると、ルフィアが走ってきてぼくを抱き寄せて抱え上げこの場を離脱した。
黒竜の巨体を支えきれず、凍った岩石が崩れ落ち黒竜は地面に落下して大きな地響を立てながら、そのまま粉々に砕けた岩石の山に埋もれる。
「なんで……?なんで、三人ともここに戻ってきたの?」
ぼくを抱きかかえたルフィアに地面に下ろしてもらいながら、ケイトおねーちゃん達と一緒に避難したはずなのにどうしてここに戻ってきたのか尋ねると、ルフィアは真剣な表情でぼくの目を見て答えた。
「ノルンだけにすべて任せて逃げたくなかった。ここで逃げるような臆病者にノルンの友を名乗る資格はないからな」
「ルフィア……」
「お姉様!!わたしも姫と同じ気持ちです!!ここでお姉様にすべて押し付けて逃げるようなわたしは嫌です!!」
「リィちゃん……」
「わたくしもです。お姉様を見捨てて逃げるなど出来ません。そのような卑怯者がお姉様の妹を名乗るなど許されませんもの」
「アイちゃん……」
リィちゃんとアイちゃんも駆け寄ってきて、二人共真剣な表情でぼくの目を見てはっきりとそう告げた。
「私達はまだまだ未熟だが、ノルンの力になりたい。これからもノルンと共にいたい。だから、私達もノルンと共に戦わせてほしい」
「……これは訓練じゃないんだよ?」
「わかっている」
「一歩間違えたら死んじゃうかもしれないんだよ?」
「それはお姉様も同じじゃないですか」
「それにお姉様が一緒にいてくださるのなら、どんなに痛くてつらい思いをしても平気ですわ」
ぼくの言葉に三人はなんの躊躇もなく、そう答えた。
ぼくは三人のその言葉に俯き、顔を上げ三人にふっと微笑む。
「もう……。三人共、無茶がすぎるよ……」
ルフィア達に怪我をさせたくなくて、せっかく避難させたのに……。
「その位しないと、ノルンの友は務まらないだろう?」
「例え無茶でも、絶対引きません!!」
「そうですとも。どんな無茶でも皆で押し通せば良いのです」
「……そうだね」
三人の気持ちがすごく嬉しくて、顔がほころぶ……。
三人も同じ気持ちなのか、清々しい笑顔を見せてくれる。
ぼく達四人が笑いあってたその時だった。
自身に降り積もった岩石を吹き飛ばしながら、黒竜がその巨体をそびえ立たせ咆哮を上げた。
「グオオオオオオオオッ!!」
怒りの雄叫びを上げ、黒竜がしっぽを振り回して暴れる。
「リィナ、アイラ!!行くぞ!!」
「はい!!」
「かしこまりましたわ!!」
ぼくが作ってあげた武器を手に三人はぼくを背後に庇うように前に立つ。
「……っ」
ーー夢で見たシルフィ達の背中と、ルフィア達の背中が重なって見えた。
「ガアアアアアッ!!」
黒竜がその口内に炎を集め吐き出してくる。
「行きます!!中級氷結魔法!!増幅発射!!連射!!」
ぼくが防御陣を発動するよりも早く、リィちゃんが魔導銃で発動した中級攻撃魔法の威力を増幅して、黒竜の顔めがけて連射した。
高位氷結魔法並の威力に増幅された中級氷結魔法が連続発射され炎のブレスを相殺していく。
黒竜のブレスとリィちゃんの攻撃魔法が両者一歩も引かずお互いせめぎ合う。
「付与!!」
アイちゃんが炎のブレスとぶつかり合う氷結魔法目がけて鞭を振るい、氷結魔法を自身の鞭に付与して走る。
「はああああっ!!氷結鞭!!」
高位攻撃魔法並に増幅された氷結魔法を付与した鞭が、黒竜の口元に巻き付き凍りつかせていく。
「ムゴオオオオッ!!」
両目の先から氷漬けにされ、黒竜はブレスを封じ込められる。
「姫様!!今ですわ!!」
アイちゃんの叫びに応え、ルフィアが光刃剣を手に走る。
「剣よ!!」
最高位防御陣製の刃が生成され、ルフィアが黒竜が苦し紛れに振り回したしっぽを斬り飛ばした。
「はあああああああっ!!」
しっぽを切断された黒竜が苦悶の叫びを上げるよりも早く、懐に飛び込んだルフィアが跳躍して黒竜の首を根元から斬り落とした。
斬り落とされた黒竜の首が宙を舞い、地面に叩きつけられる。
首を失った胴体が後ろに倒れながら大量の血を吹き出す。
「こんな、馬鹿な……」
落下の衝撃で顔半分を覆っていた氷が砕け、黒竜は最後に一言、人の言葉に良く似た鳴き声を上げて息絶えた。
「すごい……。三人共初めての実戦なのに、ドラゴンに勝っちゃったよ、リライザ……」
「私も驚きました……。ノルンが消耗させていたとはいえ、人の言葉を話す高位の竜を倒すなんて……」
ぼくとリライザが三人の成長に驚いていると、ルフィア達がぼくの方に振り返り笑う。
「ノルン。勝ったぞ」
「お姉様。わたしやれました」
「これもお姉様との訓練のおかげですわ」
自信が付いたのかどこか誇らしげに笑う三人。
『ノエル。勝ったぞ』
『お姉ちゃん。わたしでもやれたよ』
『わたくし達が力を合わせれば勝てぬ物などありませんわ』
不意に夢で見たノエルの幼なじみ達の姿がルフィア達と重なって見えた。
「……うん。すごかったよ。三人共。初めての実戦なのに息ぴったりで驚いたよ」
ぼくが三人の戦いぶりを誉めると、三人は照れくさそうに笑う。
「はい。訓練の時もそうでしたけど、何故かお二人と息を合わせて戦うの上手くいくんです。お姉様」
「リィナさんも?わたくしもです。お互いに出会ってからそんなに経ってませんのに……。何故かお二人との連携がしっくりくるんですよね……」
「二人もか?実は私もそうなんだ……。連携の訓練にも先日混ぜてもらったばかりなのに、三人で戦うのが何だかすごくしっくりくる気がする……。まるでずっと以前から、こうして一緒に戦ってきたような……」
「あ。それ、わたしも思いました。なんででしょうね?」
「不思議ですわよね。今回が初めての実戦のはずなのに。お姉様を背後に庇って三人で魔物に立ち向かう。なぜだか以前にもこんなシチュエーションがあったような気がするんですの……。わたくし如きがこんな事を言うのはお姉様に対して無礼だと思いますけど……」
「シルフィ、リィン、アイル……」
ぼくがノエルが失った三人の幼なじみの名を呟くと、ルフィア達はぼくの方へ振り向き不思議そうに呟く。
「何故だろう……。その名に聞き覚えがあるような気がする……」
「……わたしもです。なんでだろ?」
「もしかして、お姉様が新しい愛称を考えてくださったのですか?今の呼ばれ方、なぜだかすごくしっくり来ますわ……」
「……っ。うぅ……」
三人の反応を見て、ぼくは涙を流してしまう。
「ノルン!?突然泣き出したりしてどうしたんだ!?」
「お姉様!?もしかしてどこかお怪我を!?」
「あああ!?大変ですわ!!どこです!?どこが痛むんですかお姉様!!」
突然泣き出したぼくに三人が駆け寄ってきて、慌てふためく。
「何でも……ひっく、ないの……。ただ、みんなに会えて、友達になれて、ぐすっ、良かった……」
ルフィア。
リィちゃん。
アイちゃん。
三人と出会えて、また、友達になれた。
きっと、これはぼくに訪れた奇跡……。
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