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聖女諭す
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愛称で呼ぶ事を許され、ノルンはシルフィアーナ姫にニコリと微笑みました。
「はい。私もルフィアとお友達になれて嬉しいです」
ノルンは嬉しそうにテレパシーで私に報告してくれます。
『リライザ!!お友達が増えたよ!!』
『やりましたね!!ノルン!!』
ノルンにまたお友達が出来て、私もとても嬉しいです。
「ルフィア、あとで紹介したい方がいますので少し待っていてもらえますか?」
「私に紹介したい相手?」
「ええ。せっかく専用の剣を手に入れたのですから、ちゃんとした先生に剣術を習った方が良いでしょう。楽しみにしててください」
「本当か!?ノルン、何から何までありがとう!!」
「いいんですよ。私が好きでやってる事ですから。さて、次はリィちゃんの武器を作りますか」
ノルンはシルフィアーナ姫にそう笑顔で告げると、今度はリィナさん用の武器を作り始めました。
「まず銃身の内部に防御陣を付与。次に弾倉に魔法吸収を付与。それから撃鉄に魔法解放を付与。今は使わないけど、後々の為に魔法増幅を付与……と」
短銃の部品に次々と魔法を付与していきます。
「これでよし。おじさま。組み立てお願いしてよろしいですか?」
「ああ。そんくらいお安い御用だ」
ガルムさんによってあっという間に短銃が組み立てられ、完成品がノルンに手渡されました。
ノルンはそれをリィナさんに手渡します。
「あの……。お姉様……。これはどう使うんですか?」
「それはリィちゃんの魔法に指向性を持たせる為の道具です。それを持ってリィちゃんが発動した魔法は弾倉の中にすべて吸収されます。トリガーを引いて撃鉄が弾倉に打ち付けられる事で、吸収した魔法が内部に防御陣が張り巡らせてある銃口から、まっすぐに放たれる仕組みになってるんですよ」
「すごい……。お姉様すごいです!!」
「流石ノルンお姉様!!これでリィナさんの黒魔法の暴発や命中率問題もクリアですわね!!」
リィナさんとアイラさんはノルンの説明を聞いて、目を輝かせながらノルンを褒め称えます。
「あ……。でも、これを使うのはずるい事なんじゃ……。私、何も努力してません……」
リィナさんがそう言って俯くと、ノルンは優しい声で言いました。
「リィちゃん。戦技実習は各自それぞれの得意分野を伸ばす為の授業ですよ。リィちゃんが得意な技能を伸ばす為の道具を用意して使うのは何も問題ありません」
「で、ですが……」
「リィちゃん。人との繋がりと言うのはかけがえのない宝であり、何物にも勝る財産なんです。あなたは私と言う姉を……。聖女と言う味方を手に入れた。ならば私の力を頼るのは何ら悪い事ではありません」
「お姉様……」
「私にも少しくらい、かわいい妹の為に尽力させてください。ね?」
そう言ってノルンがウインクすると、リィナさんはとても嬉しそうな笑顔ではい、と頷きました。
「さて、もう一人のかわいい妹であるアイちゃんの武器も作ってしまいますね」
「お姉様……。ありがとうございます!!」
「いいんですよ。さて、アイちゃんは鞭に魔法を付与する戦い方をするんでしたね」
「はい。そうです」
「それなら、戦闘状況に合わせて鞭とロッドに変化させられる防御陣を付与しましょう。狭い場所とか鞭だと戦いにくい時もあるでしょうし。それと今後増幅されたリィちゃんの魔法を付与するのにも耐えられるようにしないといけませんね。アイちゃん。手伝ってもらえますか?」
「はい!!お姉様!!」
ノルンはアイラさんと二人で協力しながら、最高レベルの魔法を付与出来る鞭を完成させました。
「さてと。これですべて完成したので今度は戦闘訓練も兼ねて、ラギアン王国の北部に向かいますよ。そこにはルフィアに紹介したい方が住んでますから」
ノルンはガルムさんにお礼を言って、三人を連れ工房を後にしました。
「はい。私もルフィアとお友達になれて嬉しいです」
ノルンは嬉しそうにテレパシーで私に報告してくれます。
『リライザ!!お友達が増えたよ!!』
『やりましたね!!ノルン!!』
ノルンにまたお友達が出来て、私もとても嬉しいです。
「ルフィア、あとで紹介したい方がいますので少し待っていてもらえますか?」
「私に紹介したい相手?」
「ええ。せっかく専用の剣を手に入れたのですから、ちゃんとした先生に剣術を習った方が良いでしょう。楽しみにしててください」
「本当か!?ノルン、何から何までありがとう!!」
「いいんですよ。私が好きでやってる事ですから。さて、次はリィちゃんの武器を作りますか」
ノルンはシルフィアーナ姫にそう笑顔で告げると、今度はリィナさん用の武器を作り始めました。
「まず銃身の内部に防御陣を付与。次に弾倉に魔法吸収を付与。それから撃鉄に魔法解放を付与。今は使わないけど、後々の為に魔法増幅を付与……と」
短銃の部品に次々と魔法を付与していきます。
「これでよし。おじさま。組み立てお願いしてよろしいですか?」
「ああ。そんくらいお安い御用だ」
ガルムさんによってあっという間に短銃が組み立てられ、完成品がノルンに手渡されました。
ノルンはそれをリィナさんに手渡します。
「あの……。お姉様……。これはどう使うんですか?」
「それはリィちゃんの魔法に指向性を持たせる為の道具です。それを持ってリィちゃんが発動した魔法は弾倉の中にすべて吸収されます。トリガーを引いて撃鉄が弾倉に打ち付けられる事で、吸収した魔法が内部に防御陣が張り巡らせてある銃口から、まっすぐに放たれる仕組みになってるんですよ」
「すごい……。お姉様すごいです!!」
「流石ノルンお姉様!!これでリィナさんの黒魔法の暴発や命中率問題もクリアですわね!!」
リィナさんとアイラさんはノルンの説明を聞いて、目を輝かせながらノルンを褒め称えます。
「あ……。でも、これを使うのはずるい事なんじゃ……。私、何も努力してません……」
リィナさんがそう言って俯くと、ノルンは優しい声で言いました。
「リィちゃん。戦技実習は各自それぞれの得意分野を伸ばす為の授業ですよ。リィちゃんが得意な技能を伸ばす為の道具を用意して使うのは何も問題ありません」
「で、ですが……」
「リィちゃん。人との繋がりと言うのはかけがえのない宝であり、何物にも勝る財産なんです。あなたは私と言う姉を……。聖女と言う味方を手に入れた。ならば私の力を頼るのは何ら悪い事ではありません」
「お姉様……」
「私にも少しくらい、かわいい妹の為に尽力させてください。ね?」
そう言ってノルンがウインクすると、リィナさんはとても嬉しそうな笑顔ではい、と頷きました。
「さて、もう一人のかわいい妹であるアイちゃんの武器も作ってしまいますね」
「お姉様……。ありがとうございます!!」
「いいんですよ。さて、アイちゃんは鞭に魔法を付与する戦い方をするんでしたね」
「はい。そうです」
「それなら、戦闘状況に合わせて鞭とロッドに変化させられる防御陣を付与しましょう。狭い場所とか鞭だと戦いにくい時もあるでしょうし。それと今後増幅されたリィちゃんの魔法を付与するのにも耐えられるようにしないといけませんね。アイちゃん。手伝ってもらえますか?」
「はい!!お姉様!!」
ノルンはアイラさんと二人で協力しながら、最高レベルの魔法を付与出来る鞭を完成させました。
「さてと。これですべて完成したので今度は戦闘訓練も兼ねて、ラギアン王国の北部に向かいますよ。そこにはルフィアに紹介したい方が住んでますから」
ノルンはガルムさんにお礼を言って、三人を連れ工房を後にしました。
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