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番外編 聖女は友達がいない
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「だーりん、だーりん!!次はあっちのお店見に行こ!!」
「ああ。ノルンが行きたい所ならどこでもいいよ」
ガリアス帝国の商店街を仲睦まじく歩くノルンとラインハルト様。
私は腕輪の形でノルンの左腕に装着され、黙って二人の仲睦まじい様子を見守ります。
失礼しました。
申し遅れましたが私、女神の杖こと、聖杖リライザです。
邪神が滅び平和になったこの世界で、主様ノルンの相棒兼話相手として、日々を過ごしています。
今日はラインハルト様のお仕事が連休に入ったので、ノルンとラインハルト様はガリアス帝国に遊びに来ています。
連休中ずっと一緒にいられてご機嫌なノルンは、ラインハルト様と腕を組んで嬉しそうに歩きます。
いつもの聖女としてのローブ姿ではなく、白い清楚なワンピース姿に、白い帽子を被ったノルンは年齢相応にとてもかわいらしく、道行く人々が皆見惚れています。
見た目だけなら、可憐で儚げな超絶美少女ですから、当然と言えば当然ですね。
ラフな私服で隣を歩くラインハルト様は、羨望と嫉妬の入り混じった目で男性達に見られています。
あれからノルンも色々と成長している為か、ラインハルト様はノルンのまだ成長中の胸部が腕に当たる度に、耳を赤くして照れています。
勇者と言えども、この辺りはやはり男性ですね。
あ、そうそう。私が先程から主様であるノルンを、名前で呼ぶのは本人からの希望です。
「リライザ。ぼくとあなたは相棒なんだから、ぼくの事は名前で呼んで」
彼女は所詮、神器に宿る疑似人格に過ぎない私をまるで一人の人間のように扱います。
遠い昔、聖女ノエルだった頃から変わりません。
喋る道具を人扱いする必要などないのですが、私がそう言うとノルンは言いました。
「だってリライザには心があるじゃない」
かつてノエルにも同じ事を言われました。
それ以来、私は彼女の事を私と言う疑似人格が消えるその日まで見守りたい、とそう思うようになりました。
お目当てのお店に到着し、新しい靴を探すノルンをラインハルト様と共に見守っていると、ノルンと同年代の女の子達が数人、お店に入ってきました。
女の子達は仲良く楽しそうにお喋りをしながら、靴を選んでいます。
ノルンの靴を物色する手が止まっていたので、彼女の顔を観察すると、ノルンは女の子達をどこか羨ましそうな目で見ていました。
女の子達が買い物を済ませてお店を後にすると、ノルンもお目当ての靴を見つけて購入し、お店を出ました。
「ノルン。どうかしたのかい?なんだか元気ないけど。もしかして疲れちゃった?」
ノルンの様子がおかしい事に気付いた、ラインハルト様がそう尋ねると、ノルンはこう答えました。
「……ぼく、友達が欲しい」
ーーそう。
私達の大切な聖女には、同年代の友達がいなかったのです…。
「ああ。ノルンが行きたい所ならどこでもいいよ」
ガリアス帝国の商店街を仲睦まじく歩くノルンとラインハルト様。
私は腕輪の形でノルンの左腕に装着され、黙って二人の仲睦まじい様子を見守ります。
失礼しました。
申し遅れましたが私、女神の杖こと、聖杖リライザです。
邪神が滅び平和になったこの世界で、主様ノルンの相棒兼話相手として、日々を過ごしています。
今日はラインハルト様のお仕事が連休に入ったので、ノルンとラインハルト様はガリアス帝国に遊びに来ています。
連休中ずっと一緒にいられてご機嫌なノルンは、ラインハルト様と腕を組んで嬉しそうに歩きます。
いつもの聖女としてのローブ姿ではなく、白い清楚なワンピース姿に、白い帽子を被ったノルンは年齢相応にとてもかわいらしく、道行く人々が皆見惚れています。
見た目だけなら、可憐で儚げな超絶美少女ですから、当然と言えば当然ですね。
ラフな私服で隣を歩くラインハルト様は、羨望と嫉妬の入り混じった目で男性達に見られています。
あれからノルンも色々と成長している為か、ラインハルト様はノルンのまだ成長中の胸部が腕に当たる度に、耳を赤くして照れています。
勇者と言えども、この辺りはやはり男性ですね。
あ、そうそう。私が先程から主様であるノルンを、名前で呼ぶのは本人からの希望です。
「リライザ。ぼくとあなたは相棒なんだから、ぼくの事は名前で呼んで」
彼女は所詮、神器に宿る疑似人格に過ぎない私をまるで一人の人間のように扱います。
遠い昔、聖女ノエルだった頃から変わりません。
喋る道具を人扱いする必要などないのですが、私がそう言うとノルンは言いました。
「だってリライザには心があるじゃない」
かつてノエルにも同じ事を言われました。
それ以来、私は彼女の事を私と言う疑似人格が消えるその日まで見守りたい、とそう思うようになりました。
お目当てのお店に到着し、新しい靴を探すノルンをラインハルト様と共に見守っていると、ノルンと同年代の女の子達が数人、お店に入ってきました。
女の子達は仲良く楽しそうにお喋りをしながら、靴を選んでいます。
ノルンの靴を物色する手が止まっていたので、彼女の顔を観察すると、ノルンは女の子達をどこか羨ましそうな目で見ていました。
女の子達が買い物を済ませてお店を後にすると、ノルンもお目当ての靴を見つけて購入し、お店を出ました。
「ノルン。どうかしたのかい?なんだか元気ないけど。もしかして疲れちゃった?」
ノルンの様子がおかしい事に気付いた、ラインハルト様がそう尋ねると、ノルンはこう答えました。
「……ぼく、友達が欲しい」
ーーそう。
私達の大切な聖女には、同年代の友達がいなかったのです…。
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