上 下
37 / 101

37.大勝利!!

しおりを挟む
 「うおおおおおおっ!!」

 だーりんの雄叫びと共に放たれるグレートラインハルトの追撃パンチが、立ち上がった邪神の放つパンチを粉々に打ち砕く。

 「でやあああっ!!」

 グレートラインハルトの膝蹴りが、邪神の胴体に風穴を開けて吹っ飛ばす。

 「ぐふおっ!!があああっ!!馬鹿な!!こんな馬鹿なあああっ!!」

 邪神が目と口から凄まじい魔力を込めた破壊光線を放つが、グレートラインハルトには効かない!!
 邪神の攻撃を跳ね返しながら近付いていき、強烈な裏拳を叩き込む。

 「こちとらには一万二千枚の最高位防御陣装甲エクス・プロテクション・アーマーと!!」

 グレートラインハルトの裏拳によるダメージで、ふらついてる邪神にかかと落としを決める。

 「だーりんが付いてるんだからああっ!!」

 そのまま、思いっきり邪神を上空へと蹴り上げる。

 「負けるはずないでしょ!!邪神なんかにぃぃっ!!防御陣プロテクション・ホールド!!」 

 上空へ蹴り上げられた邪神ドルディバイアを、ぼくは最高位防御陣エクス・プロテクションの結界で、完全拘束する。
 邪神は何とか逃げ出そうともがく。
 だけど今度はもう絶対に逃さない!!

 「だーりん!!今だよ!!」
 「応っ!!その力を今こそ解き放て!!神剣アルバライザー!!」

 伝説の神剣アルバライザーが真の名を呼ばれその秘めた真の力を発揮し、黄金に光輝くとグレートラインハルトの右手にも、黄金に光り輝く巨大な神剣が握られる。

 「究極剣技!!一閃爆裂!!」

 だーりんの放った必殺の一閃が、最高位防御陣エクス・プロテクションの結界ごと、邪神を斬り裂いた。

 「ぎゃあああああああああああっ!!」

 今度こそ、邪神ドルディバイアの最後。
 断末魔の悲鳴を上げて、邪神ドルディバイアは大爆発を起こし今度こそ、完全に消滅した。

 「やったああああ!!やったよだーりん!!」

 完全に邪神の邪気が消えたのを確認してから、ぼくは喜びの声を上げてだーりんに抱きつこうとした、んだけど……。

 「あ、あれ……?」

 ちょっと張り切りすぎちゃったかもしれない。
 魔力切れを起こしたぼくは、グレートラインハルトを維持できなくなって、グレートラインハルトを構成していた最高位防御陣エクス・プロテクションが全部一斉に消えちゃった……。

 60メートル位の邪神を殴り飛ばせるサイズの、グレートラインハルトの胸部の中に、ぼくとだーりんはいたわけで。

 「きゃあああああっ!?」

 足場がなくなれば、当然、人間は下に落ちるわけで。

 「うわあああああんっ!!落ちちゃうぅぅぅっ!!」

 高い所こわいよお!!
 ぼくが泣きべそをかきながら地面に為す術なく落ちてると、だーりんが空中でぼくを抱き寄せて、そのまま地面に着地した。

 「お疲れ様、ノルン」

 そう言ってだーりんは優しく微笑んでくれる。

 「うわあああああんっ!!こわかったよおおっ!!」
 「よしよし。どんな時も俺が絶対守るから。だから安心して」

 だーりんにお姫様だっこされながら、だーりんに抱きついてわんわん泣いちゃうぼく。

 「ぐす、すん……」

 だーりんに背中をぽんぽんされながら、しばらく泣いてようやく泣き止んだぼくに、だーりんは優しく声をかけてくれる。

 「さあ、帰ろう。俺達が出会った、あの街へ」
 「……うんっ」

 ぼくは大好きなだーりんの腕の中から、とびっきりの笑顔でそう答えた。
 だーりんだいすき♡ 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】魅了が解けたあと。

恋愛
国を魔物から救った英雄。 元平民だった彼は、聖女の王女とその仲間と共に国を、民を守った。 その後、苦楽を共にした英雄と聖女は共に惹かれあい真実の愛を紡ぐ。 あれから何十年___。 仲睦まじくおしどり夫婦と言われていたが、 とうとう聖女が病で倒れてしまう。 そんな彼女をいつまも隣で支え最後まで手を握り続けた英雄。 彼女が永遠の眠りへとついた時、彼は叫声と共に表情を無くした。 それは彼女を亡くした虚しさからだったのか、それとも・・・・・ ※すべての物語が都合よく魅了が暴かれるとは限らない。そんなお話。 ______________________ 少し回りくどいかも。 でも私には必要な回りくどさなので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

嘘つきと言われた聖女は自国に戻る

七辻ゆゆ
ファンタジー
必要とされなくなってしまったなら、仕方がありません。 民のために選ぶ道はもう、一つしかなかったのです。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています

水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。 森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。 公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。 ◇画像はGirly Drop様からお借りしました ◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

【短編】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
 もうすぐ、赤ちゃんが生まれる。  誕生を祝いに、領地から父の辺境伯が訪ねてくるのを心待ちにしているアリシア。 でも、夫と赤髪メイドのメリッサが口づけを交わしているのを見てしまう。 「なぜ、メリッサもお腹に赤ちゃんがいるの!?」  アリシアは夫の愛を疑う。 小説家になろう様にも投稿しています。

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

処理中です...