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ひとり
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「あなたにとって、学校とは?」と聞かれたら、私はこう答える。
「雨風をしのげる建物のひとつ」と。
本を読むことが私は好きだ。読んでいる間は違う世界にいることができて、現実から離れることもできる。だから、本を読めればどこでもいいと思っていた。でも、外で読む場合、風が吹いたり、雨が降ったりするのでしっかりと読むことができない日が多い。そのため、屋内で読まざる得ないのだ。
なら一体どこで読むのか。その答えが学校ということになる。
なぜ学校なのか?その疑問については日本人の三大義務から説明しなければならないだろう。
三大義務とは納税の義務、就労の義務、義務教育の三つの義務のことだ。そして今回の話の中で詳しく説明しなければならないのは義務教育である。
義務教育というのは親が子どもに小学校から中学校までの九年間、学校に通わせなければならないという義務だ。この義務のミソは義務自体が通う本人ではなく、親に課せられているということだ。
もし、子どもが学校に何らかの理由でいかない場合、まず白羽の矢が飛ぶのは親なのである。当然といえば当然だが、子どもが学校に来ていないということは親が義務を怠っているということでもあるのだ。私はそんなことで両親を、義務を守れない非国民などにはしたくない。だから私は学校に本を読みに行く。
ここまででわかったと思うが、私は学校が嫌いだ。嫌いじゃないなら学校とは「共同生活と勉学を学ぶ場所」と答えるだろう。そこを「雨風をしのげる建物の一つ」などと答える私は心底共同生活を否定しているのだ。
私はひとりだから。
別にいじめられているわけではない。「いじめられていた」ただそれだけだ。
あまり人に話したいような話ではないので、簡単に説明する。
私は小学校六年生の時いじめられていた。
だから勉強した。
新しい自分になるために。
あいつらと同じ学校にならないように。
その努力の甲斐もあって私立の名門校に入学することができた。その時の勉強癖がついたおかげか、今でも勉強しなきゃ気が済まない身体になっている。
確かにあの時は受験に落ちたら、命を落とす覚悟だったので、身体に染み付いていて当然とも言えるのだが。
その恩恵もあり、名門校であるはずなのに私はトップクラスの成績をキープできている。
だから私にとって学校は「勉学を学ぶ場所」でもないのだ。
勉強はひとりでできる。
ひとりで。
「雨風をしのげる建物のひとつ」と。
本を読むことが私は好きだ。読んでいる間は違う世界にいることができて、現実から離れることもできる。だから、本を読めればどこでもいいと思っていた。でも、外で読む場合、風が吹いたり、雨が降ったりするのでしっかりと読むことができない日が多い。そのため、屋内で読まざる得ないのだ。
なら一体どこで読むのか。その答えが学校ということになる。
なぜ学校なのか?その疑問については日本人の三大義務から説明しなければならないだろう。
三大義務とは納税の義務、就労の義務、義務教育の三つの義務のことだ。そして今回の話の中で詳しく説明しなければならないのは義務教育である。
義務教育というのは親が子どもに小学校から中学校までの九年間、学校に通わせなければならないという義務だ。この義務のミソは義務自体が通う本人ではなく、親に課せられているということだ。
もし、子どもが学校に何らかの理由でいかない場合、まず白羽の矢が飛ぶのは親なのである。当然といえば当然だが、子どもが学校に来ていないということは親が義務を怠っているということでもあるのだ。私はそんなことで両親を、義務を守れない非国民などにはしたくない。だから私は学校に本を読みに行く。
ここまででわかったと思うが、私は学校が嫌いだ。嫌いじゃないなら学校とは「共同生活と勉学を学ぶ場所」と答えるだろう。そこを「雨風をしのげる建物の一つ」などと答える私は心底共同生活を否定しているのだ。
私はひとりだから。
別にいじめられているわけではない。「いじめられていた」ただそれだけだ。
あまり人に話したいような話ではないので、簡単に説明する。
私は小学校六年生の時いじめられていた。
だから勉強した。
新しい自分になるために。
あいつらと同じ学校にならないように。
その努力の甲斐もあって私立の名門校に入学することができた。その時の勉強癖がついたおかげか、今でも勉強しなきゃ気が済まない身体になっている。
確かにあの時は受験に落ちたら、命を落とす覚悟だったので、身体に染み付いていて当然とも言えるのだが。
その恩恵もあり、名門校であるはずなのに私はトップクラスの成績をキープできている。
だから私にとって学校は「勉学を学ぶ場所」でもないのだ。
勉強はひとりでできる。
ひとりで。
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