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PKゲーム
6 因果応報*
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「はー、やっと終わった!」
扉が閉まった後、明は思いきり伸びをしてから、森江の向かいのソファに座った。
「おや。あの人でなしは森江さんにお茶も出してなかったんですね。やっぱり人でなし。ちょっと待っててください。今持ってこさせますから」
「結構だ」
明が胸ポケットから携帯電話を取り出す前に、森江はことさら大きな声で言った。
「おまえが勧める茶なんて、何が盛られてるかわかったもんじゃない」
「失礼な。僕が森江さんにそんなことするはずないでしょ」
明はそう反論したが、結局、命令はしなかった。
「おまえ、兄貴をどうするつもりだ?」
「因果応報」
にやりと明は笑った。
「兄が〝僕〟にしたことを、そのままそっくり返してさしあげます。ただし、僕には自分の兄を犯す趣味はありませんので、それはその道の方々に全面的におまかせいたしますが。あと、兄を助けるために森江さんを雇ったりもしません。記憶をなくしたまま、あそこで使い物にならなくなるまで、無償で働いていただきます」
「何が〝僕〟だ。別人だろうが」
森江は不快げに顔をしかめる。
「あいつはいったい何者なんだ?」
「そうですね。僕の双子の兄弟……のようなものです。そんな存在が自分の兄に犯されてるのを見てるのは、なかなか倒錯的でしたよ」
「影武者か。……あと何人いるんだ?」
「それは企業秘密です」
「……記憶は戻せないのか?」
「そのほうが幸せでしょう」
「……おまえも、兄貴とは違う意味で〝人でなし〟だ」
「ええ。そのとおりです」
平然と明は肯定した。
「僕は人でなし。だから、裏で生きる道を選びました。……兄には表で生涯をまっとうしてもらいたかったんですがね。人でなしの兄は、しょせん人でなしでした」
「あいつを拉致した時点で、なぜ止めなかった?」
「一応、最後の肉親ですからね。自発的に途中でやめてくれれば、なかったことにしてやろうかと甘いことを考えていました。結果はごらんのとおりです。本当にお恥ずかしい」
「本気でそう考えてるなら、あいつをもう自由にしてやれ。あいつの〝回収〟を放棄するなら、おまえからの報酬はいらない」
「交換条件ですか」
明は意外そうに軽く目を見張った。
「森江さんがそんなことを言うなんて、〝僕〟はずいぶん気に入られたようですね。顔は同じはずなのに、どうしてだろう?」
「逆に言うと顔だけだ。最近、ようやくそう割り切れるようになった」
「はは、この一ヶ月、森江さんもずいぶん苦労されてましたね。また兄に拉致されないように、出かけたふりして駐車場の自分の車の中で見張りしたり、向かいのスーパーで食料買って帰ったり」
「やっぱり張り込みさせてやがったな。でも、たとえあいつがまた拉致されても、おまえはまた止めなかっただろ」
それに対しては明は答えず、少しだけ気まずそうに笑った。
「わかりました。森江さんの言うとおりにいたしましょう。でも、自由でいるためには、自分で自分の身を守れる強さが必要です。あの〝僕〟にそれがあると思いますか?」
「それは……」
「だから森江さん、あなたがこれからも〝僕〟を守ってやってください。兄の代役は立てますが、僕が兄の名前で〝僕〟の〝養育費〟を、毎月森江さんの口座に振りこみます」
「いつまで?」
「〝僕〟が自分から兄のところに帰る、もしくは、森江さんのところを出ると言い出すまで。まあ、前者は絶対にないだろうとは思いますが、いずれにしろ、僕のほうから迎えにいくことはありませんし、もちろん、拉致もいたしません」
「本当だな?」
「本当ですよ。僕は森江さんを敵に回したくないですから。これからも、何かあったらよろしくお願いいたします」
「俺はよろしくしたくないが……持ちつ持たれつだな。俺もおまえを敵に回したくはない」
森江は嘆息してソファから立ち上がり、扉に向かって歩きかけた。が、ふと思いついたように足を止め、明を振り返った。
「おまえ、目玉焼きには何かける?」
「何ですか、いきなり。……そうですね。醤油ですかね」
「そうか。……安心した」
そう言い残して、森江は扉から出ていった。それを見送ってから、明は独りごちる。
「ただし、トーストの上に載せるなら、マヨネーズをかけますけどね」
*
携帯電話の着信音に驚いて、彼はソファから跳ね起きた。
(え、いつのまにか眠っちゃってた?)
それよりも、今は携帯だ。彼は卓上で震えている携帯電話を引っつかんだ。
これは緊急連絡用にと森江が置いていったもので、かけてくるのは森江しかいない。表示されている名前も「森江一朗」だった。
(何だろう。また〝何か欲しいものあるか〟コールかな)
何はともあれ、彼は急いで通話ボタンを押した。
「お待たせしました! 俺です!」
『何だ、何かしてたのか?』
やはり森江だった。声だけでもほっとする。
「いえ……ちょっと、ソファでうたた寝してました。……すいません」
『何で謝るんだ?』
「いや、森江さんが外で仕事してるのに、居候の俺が昼寝なんかしてて、とっても申し訳ないなと……」
『なら、トイレに行ってたとか掃除してたとか、適当に嘘つきゃいいのに』
「……思いつきませんでした」
愕然として答えると、森江が愉快そうに笑う。
『寝起きでまだ頭が回らなかったか。こっちこそ起こして悪かったな。……何か欲しいものあるか?』
「ええと……もう少しでマヨネーズがなくなりそうなので、予備が欲しいです」
『もう? ほんとにマヨラーだな』
呆れたようにそう言ってから、森江は唐突にこう切り出した。
『明。本当のことを一つだけ言っておく。……俺は四番じゃない。俺はあのとき、観客席にいた』
これまで何度訊ねてみても、決して答えてくれなかったことだ。彼は面食らったが、あわてて森江に問い返した。
「なら、あの四番は誰だったんですか?」
『あそこの参加者は、みんな仮面をつけてる。誰だかはわからない』
「俺はてっきりあなただと……」
『だから、うちにいたがったのか?』
「違います。……怖かったんです、本当に。あの人たちが、とっても」
『今でも怖いか?』
「怖いです。あなたには迷惑でしょうけど、ずっとここにいたいです」
『俺が四番じゃなくてもか?』
「……かえってよかったです。四番はあれで金を受けとったんですよね。いくらだか知らないけど」
『まあな。……四番が誰だったか、どうしても知りたいか?』
彼は少し考えてから答えた。
「知らないほうが、俺は幸せだろうと思います」
『おまえは天然なようで賢いな』
「えへへ」
反射的に照れ笑いをしてしまったが、実は馬鹿にされているのかもしれない。
でも、そのほうがいい。そのほうが、この男には可愛がってもらえる。
ごく普通の弟のように。
*
目隠しをされ、猿ぐつわをかまされていた。
両手首はガムテープらしきもので一まとめにされた上で、ロープと思しきもので縛られて前方につながれており、両膝と両足首はガラスのように硬くて冷たい床に金属製の足枷で固定されている。腰には革製のベルトが食いこむほどきつく巻かれていて、尻が少し上に持ち上がるよう、おそらくは鎖で吊り上げられていた。
そして、それら以外に、彼が身につけているものはなかった。
『ジェントルメン&ジェントルメン! お待たせいたしました! 次のゲームは〝PK〟です!』
男のアナウンスが響き渡った。それに応じて、盛大な拍手が湧き起こる。
『ルールは単純明快。あちらの台上に設置いたしましたゴールゲートにゴールを決めるだけです。ただし、手は使わず、五秒以内にゴールできなければ、失格となります。さらに、五秒以内にゴールできても、それから五分以内にゴールゲートをいかせられなければ、ゴール成功として認定されません。なお、今回のゴールゲートには催淫剤は投与されておりません。プレイヤーの皆様の実力が大いに問われます』
歓声が上がった。何も見えないが、無数の視線を感じる。嘲笑まじりの好奇の目。
『今回の挑戦者は五名様。しかし、もし万が一、どなたも成功なさらなかった場合には、飛び入り参加も受けつけます。では一番の方、警笛が鳴ってからお願いします』
自分の尻の後ろに、誰かが立った気配があった。今から自分が何をされるかは、先ほどのアナウンスでわかった。どうにかして逃れようと尻を揺らしたが、どうにもならなかった。
警笛が鳴った。同時に、ぬるぬるとした熱いものが彼の中心を押し破り、一瞬、彼の呼吸を止めさせた。
『すごい! 一発でゴール決まりました! 後は五分以内にいかせられるか!』
膨れあがった一番のものは、力まかせに彼を突き上げてくる。
――壊れる。壊される。
彼がそんな恐怖を覚えたとき、一番が短い呻きを上げた。
『残念! いかせる前にいってしまいました! ゴール不成功です! 一番の方、お疲れ様でした。次の方と交替してください』
くすくすと笑う声があちこちから聞こえた。一番は小さく舌打ちしたが、アナウンスに従い、彼の中から抜け出ていった。それと入れ違うように、また誰かが背後に立った。
『二番の方、準備はよろしいですか? では、どうぞ』
再び警笛が鳴った。今度も彼は一気に貫かれ、乱暴に揺さぶられた。悲鳴を上げられない彼のかわりに、鎖が耳障りな音を立てる。
これと同じ音を、前にも聞いたことがある。だが、それがいつ、どこでだったかは、彼にはまったく思い出せなかった。
――俺は誰だ? どうしてこんなところで、こんな目にあわされている?
『おっ、ゴールゲートがエレクトしはじめました! 制限時間はあと二分少々! はたして間に合うでしょうか!』
―了―
扉が閉まった後、明は思いきり伸びをしてから、森江の向かいのソファに座った。
「おや。あの人でなしは森江さんにお茶も出してなかったんですね。やっぱり人でなし。ちょっと待っててください。今持ってこさせますから」
「結構だ」
明が胸ポケットから携帯電話を取り出す前に、森江はことさら大きな声で言った。
「おまえが勧める茶なんて、何が盛られてるかわかったもんじゃない」
「失礼な。僕が森江さんにそんなことするはずないでしょ」
明はそう反論したが、結局、命令はしなかった。
「おまえ、兄貴をどうするつもりだ?」
「因果応報」
にやりと明は笑った。
「兄が〝僕〟にしたことを、そのままそっくり返してさしあげます。ただし、僕には自分の兄を犯す趣味はありませんので、それはその道の方々に全面的におまかせいたしますが。あと、兄を助けるために森江さんを雇ったりもしません。記憶をなくしたまま、あそこで使い物にならなくなるまで、無償で働いていただきます」
「何が〝僕〟だ。別人だろうが」
森江は不快げに顔をしかめる。
「あいつはいったい何者なんだ?」
「そうですね。僕の双子の兄弟……のようなものです。そんな存在が自分の兄に犯されてるのを見てるのは、なかなか倒錯的でしたよ」
「影武者か。……あと何人いるんだ?」
「それは企業秘密です」
「……記憶は戻せないのか?」
「そのほうが幸せでしょう」
「……おまえも、兄貴とは違う意味で〝人でなし〟だ」
「ええ。そのとおりです」
平然と明は肯定した。
「僕は人でなし。だから、裏で生きる道を選びました。……兄には表で生涯をまっとうしてもらいたかったんですがね。人でなしの兄は、しょせん人でなしでした」
「あいつを拉致した時点で、なぜ止めなかった?」
「一応、最後の肉親ですからね。自発的に途中でやめてくれれば、なかったことにしてやろうかと甘いことを考えていました。結果はごらんのとおりです。本当にお恥ずかしい」
「本気でそう考えてるなら、あいつをもう自由にしてやれ。あいつの〝回収〟を放棄するなら、おまえからの報酬はいらない」
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明は意外そうに軽く目を見張った。
「森江さんがそんなことを言うなんて、〝僕〟はずいぶん気に入られたようですね。顔は同じはずなのに、どうしてだろう?」
「逆に言うと顔だけだ。最近、ようやくそう割り切れるようになった」
「はは、この一ヶ月、森江さんもずいぶん苦労されてましたね。また兄に拉致されないように、出かけたふりして駐車場の自分の車の中で見張りしたり、向かいのスーパーで食料買って帰ったり」
「やっぱり張り込みさせてやがったな。でも、たとえあいつがまた拉致されても、おまえはまた止めなかっただろ」
それに対しては明は答えず、少しだけ気まずそうに笑った。
「わかりました。森江さんの言うとおりにいたしましょう。でも、自由でいるためには、自分で自分の身を守れる強さが必要です。あの〝僕〟にそれがあると思いますか?」
「それは……」
「だから森江さん、あなたがこれからも〝僕〟を守ってやってください。兄の代役は立てますが、僕が兄の名前で〝僕〟の〝養育費〟を、毎月森江さんの口座に振りこみます」
「いつまで?」
「〝僕〟が自分から兄のところに帰る、もしくは、森江さんのところを出ると言い出すまで。まあ、前者は絶対にないだろうとは思いますが、いずれにしろ、僕のほうから迎えにいくことはありませんし、もちろん、拉致もいたしません」
「本当だな?」
「本当ですよ。僕は森江さんを敵に回したくないですから。これからも、何かあったらよろしくお願いいたします」
「俺はよろしくしたくないが……持ちつ持たれつだな。俺もおまえを敵に回したくはない」
森江は嘆息してソファから立ち上がり、扉に向かって歩きかけた。が、ふと思いついたように足を止め、明を振り返った。
「おまえ、目玉焼きには何かける?」
「何ですか、いきなり。……そうですね。醤油ですかね」
「そうか。……安心した」
そう言い残して、森江は扉から出ていった。それを見送ってから、明は独りごちる。
「ただし、トーストの上に載せるなら、マヨネーズをかけますけどね」
*
携帯電話の着信音に驚いて、彼はソファから跳ね起きた。
(え、いつのまにか眠っちゃってた?)
それよりも、今は携帯だ。彼は卓上で震えている携帯電話を引っつかんだ。
これは緊急連絡用にと森江が置いていったもので、かけてくるのは森江しかいない。表示されている名前も「森江一朗」だった。
(何だろう。また〝何か欲しいものあるか〟コールかな)
何はともあれ、彼は急いで通話ボタンを押した。
「お待たせしました! 俺です!」
『何だ、何かしてたのか?』
やはり森江だった。声だけでもほっとする。
「いえ……ちょっと、ソファでうたた寝してました。……すいません」
『何で謝るんだ?』
「いや、森江さんが外で仕事してるのに、居候の俺が昼寝なんかしてて、とっても申し訳ないなと……」
『なら、トイレに行ってたとか掃除してたとか、適当に嘘つきゃいいのに』
「……思いつきませんでした」
愕然として答えると、森江が愉快そうに笑う。
『寝起きでまだ頭が回らなかったか。こっちこそ起こして悪かったな。……何か欲しいものあるか?』
「ええと……もう少しでマヨネーズがなくなりそうなので、予備が欲しいです」
『もう? ほんとにマヨラーだな』
呆れたようにそう言ってから、森江は唐突にこう切り出した。
『明。本当のことを一つだけ言っておく。……俺は四番じゃない。俺はあのとき、観客席にいた』
これまで何度訊ねてみても、決して答えてくれなかったことだ。彼は面食らったが、あわてて森江に問い返した。
「なら、あの四番は誰だったんですか?」
『あそこの参加者は、みんな仮面をつけてる。誰だかはわからない』
「俺はてっきりあなただと……」
『だから、うちにいたがったのか?』
「違います。……怖かったんです、本当に。あの人たちが、とっても」
『今でも怖いか?』
「怖いです。あなたには迷惑でしょうけど、ずっとここにいたいです」
『俺が四番じゃなくてもか?』
「……かえってよかったです。四番はあれで金を受けとったんですよね。いくらだか知らないけど」
『まあな。……四番が誰だったか、どうしても知りたいか?』
彼は少し考えてから答えた。
「知らないほうが、俺は幸せだろうと思います」
『おまえは天然なようで賢いな』
「えへへ」
反射的に照れ笑いをしてしまったが、実は馬鹿にされているのかもしれない。
でも、そのほうがいい。そのほうが、この男には可愛がってもらえる。
ごく普通の弟のように。
*
目隠しをされ、猿ぐつわをかまされていた。
両手首はガムテープらしきもので一まとめにされた上で、ロープと思しきもので縛られて前方につながれており、両膝と両足首はガラスのように硬くて冷たい床に金属製の足枷で固定されている。腰には革製のベルトが食いこむほどきつく巻かれていて、尻が少し上に持ち上がるよう、おそらくは鎖で吊り上げられていた。
そして、それら以外に、彼が身につけているものはなかった。
『ジェントルメン&ジェントルメン! お待たせいたしました! 次のゲームは〝PK〟です!』
男のアナウンスが響き渡った。それに応じて、盛大な拍手が湧き起こる。
『ルールは単純明快。あちらの台上に設置いたしましたゴールゲートにゴールを決めるだけです。ただし、手は使わず、五秒以内にゴールできなければ、失格となります。さらに、五秒以内にゴールできても、それから五分以内にゴールゲートをいかせられなければ、ゴール成功として認定されません。なお、今回のゴールゲートには催淫剤は投与されておりません。プレイヤーの皆様の実力が大いに問われます』
歓声が上がった。何も見えないが、無数の視線を感じる。嘲笑まじりの好奇の目。
『今回の挑戦者は五名様。しかし、もし万が一、どなたも成功なさらなかった場合には、飛び入り参加も受けつけます。では一番の方、警笛が鳴ってからお願いします』
自分の尻の後ろに、誰かが立った気配があった。今から自分が何をされるかは、先ほどのアナウンスでわかった。どうにかして逃れようと尻を揺らしたが、どうにもならなかった。
警笛が鳴った。同時に、ぬるぬるとした熱いものが彼の中心を押し破り、一瞬、彼の呼吸を止めさせた。
『すごい! 一発でゴール決まりました! 後は五分以内にいかせられるか!』
膨れあがった一番のものは、力まかせに彼を突き上げてくる。
――壊れる。壊される。
彼がそんな恐怖を覚えたとき、一番が短い呻きを上げた。
『残念! いかせる前にいってしまいました! ゴール不成功です! 一番の方、お疲れ様でした。次の方と交替してください』
くすくすと笑う声があちこちから聞こえた。一番は小さく舌打ちしたが、アナウンスに従い、彼の中から抜け出ていった。それと入れ違うように、また誰かが背後に立った。
『二番の方、準備はよろしいですか? では、どうぞ』
再び警笛が鳴った。今度も彼は一気に貫かれ、乱暴に揺さぶられた。悲鳴を上げられない彼のかわりに、鎖が耳障りな音を立てる。
これと同じ音を、前にも聞いたことがある。だが、それがいつ、どこでだったかは、彼にはまったく思い出せなかった。
――俺は誰だ? どうしてこんなところで、こんな目にあわされている?
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