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砲撃のパラディン大佐隊編(【06】の裏)
004【炎の七日間編04】0日目:ほぼほぼ本音
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【パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】
事前にエリゴールが連絡を入れていたため、待機室で待っていたロノウェとレラージュ。
エリゴールが一班に異動するまで使っていたテーブルで、レラージュが淹れたコーヒーを飲んでいる。
なお、宿直の班員たちはいつものように、部屋の隅に退避している。
ロノウェ
「やっぱり異動か?」
エリゴール
「ドレイク大佐にはそう〝予言〟されたがな。とりあえずは七日間、様子を見てみることになった」
レラージュ
「様子……ですか」
エリゴール
「まだ奴らが何を考えてるのかわからねえ。〝砲撃隊〟なら〝第二分隊〟にされてたからわかったが、〝第一分隊〟はどんな扱いされてたんだか」
ロノウェ
「たぶん、よくはなかったんじゃねえか? でなきゃ、あそこまでグダグダにはならねえだろ」
エリゴール
「ドレイク大佐は〝部下に罪はない〟って言ってたがな。俺はアルスター大佐隊に対してはとてもそうは思えねえ。うちの可愛い変態どもを苦しめた報いを一度は受けさせてやりてえと思っちまう」
ロノウェ
「うちの可愛い変態ども……か」
エリゴール
「可愛いだろ? 自分の分の徳用チョコ、喜んでレラージュに回すような奴らだぞ?」
ロノウェ
「俺には〝可愛い〟とまでは思えねえが、まあ、もう〝身内〟だとは思ってるよ。アルスター大佐隊に『連合』押しやってやれなかったのが、本当に残念だった」
エリゴール
「そうだな。俺らよりもあいつらのほうがよっぽど大人だったな」
ロノウェ
「……何とか異動せずに済めばいいな」
エリゴール
「俺もそう思ってる。今のところ確定してるのは、次の出撃では俺らはまた後衛に戻るってことだけだ」
ロノウェ
「戻るのか?」
エリゴール
「あんなにグダグダじゃ、奴らに後衛は任せらんねえだろ。また無人護衛艦群と入れ替えられるぞ」
ロノウェ
「確かにな。次までに後衛の仕事仕込むのは、いくら何でも無理だよな」
エリゴール
「ゆくゆくは奴らにも後衛やってもらおうと思ってるが、その前に奴らの中から隊を仕切れる人間を探し出さなきゃならねえ」
ロノウェ
「一班長でいいんじゃねえのか?」
エリゴール
「マクスウェル大佐隊では〝七班長〟だったぜ?」
ロノウェ
「ああ、そうだった。うっかり忘れてた」
エリゴール
「アルスター大佐隊にもああいうのが必ずいるはずだ。そいつにあっちは全面的に仕切らせちまったほうがうまく回る。それは右翼で証明済みだ。最初からそのつもりでああしたんだとしたら、ダーナ大佐はやっぱり賢かったな。ヴァラクに選ばれただけのことはある」
ロノウェ・レラージュ
「…………」
エリゴール
「今した話はザボエスにはしてもいいししなくてもいい。おまえの判断に任せるよ、元上司」
ロノウェ
「〝元上司〟だから、こっちに来たのか?」
エリゴール
「いや、一班からだとこっちのほうが近いから」
ロノウェ
「そこは嘘でも『そうだ』って言っとけよ」
エリゴール
「……俺も異動したくはねえんだよ。でも、ドレイク大佐の〝予言〟は当たりそうな気がする。コンプリートも達成しちまうかもな」
レラージュ
「コンプリート?」
エリゴール
「いや、何でもない」
エリゴール、椅子から立ち上がる。
エリゴール
「じゃあな、元上司。あとは頼む」
ロノウェ
「何をだよ。俺じゃ無理だから、七日間で〝七班長〟見つけて戻ってこい」
レラージュ
「……本当に〝七班長〟がいたら元四班長は戻ってこないのでは?」
ロノウェ
「さらっと不吉なことを言うんじゃねえ」
事前にエリゴールが連絡を入れていたため、待機室で待っていたロノウェとレラージュ。
エリゴールが一班に異動するまで使っていたテーブルで、レラージュが淹れたコーヒーを飲んでいる。
なお、宿直の班員たちはいつものように、部屋の隅に退避している。
ロノウェ
「やっぱり異動か?」
エリゴール
「ドレイク大佐にはそう〝予言〟されたがな。とりあえずは七日間、様子を見てみることになった」
レラージュ
「様子……ですか」
エリゴール
「まだ奴らが何を考えてるのかわからねえ。〝砲撃隊〟なら〝第二分隊〟にされてたからわかったが、〝第一分隊〟はどんな扱いされてたんだか」
ロノウェ
「たぶん、よくはなかったんじゃねえか? でなきゃ、あそこまでグダグダにはならねえだろ」
エリゴール
「ドレイク大佐は〝部下に罪はない〟って言ってたがな。俺はアルスター大佐隊に対してはとてもそうは思えねえ。うちの可愛い変態どもを苦しめた報いを一度は受けさせてやりてえと思っちまう」
ロノウェ
「うちの可愛い変態ども……か」
エリゴール
「可愛いだろ? 自分の分の徳用チョコ、喜んでレラージュに回すような奴らだぞ?」
ロノウェ
「俺には〝可愛い〟とまでは思えねえが、まあ、もう〝身内〟だとは思ってるよ。アルスター大佐隊に『連合』押しやってやれなかったのが、本当に残念だった」
エリゴール
「そうだな。俺らよりもあいつらのほうがよっぽど大人だったな」
ロノウェ
「……何とか異動せずに済めばいいな」
エリゴール
「俺もそう思ってる。今のところ確定してるのは、次の出撃では俺らはまた後衛に戻るってことだけだ」
ロノウェ
「戻るのか?」
エリゴール
「あんなにグダグダじゃ、奴らに後衛は任せらんねえだろ。また無人護衛艦群と入れ替えられるぞ」
ロノウェ
「確かにな。次までに後衛の仕事仕込むのは、いくら何でも無理だよな」
エリゴール
「ゆくゆくは奴らにも後衛やってもらおうと思ってるが、その前に奴らの中から隊を仕切れる人間を探し出さなきゃならねえ」
ロノウェ
「一班長でいいんじゃねえのか?」
エリゴール
「マクスウェル大佐隊では〝七班長〟だったぜ?」
ロノウェ
「ああ、そうだった。うっかり忘れてた」
エリゴール
「アルスター大佐隊にもああいうのが必ずいるはずだ。そいつにあっちは全面的に仕切らせちまったほうがうまく回る。それは右翼で証明済みだ。最初からそのつもりでああしたんだとしたら、ダーナ大佐はやっぱり賢かったな。ヴァラクに選ばれただけのことはある」
ロノウェ・レラージュ
「…………」
エリゴール
「今した話はザボエスにはしてもいいししなくてもいい。おまえの判断に任せるよ、元上司」
ロノウェ
「〝元上司〟だから、こっちに来たのか?」
エリゴール
「いや、一班からだとこっちのほうが近いから」
ロノウェ
「そこは嘘でも『そうだ』って言っとけよ」
エリゴール
「……俺も異動したくはねえんだよ。でも、ドレイク大佐の〝予言〟は当たりそうな気がする。コンプリートも達成しちまうかもな」
レラージュ
「コンプリート?」
エリゴール
「いや、何でもない」
エリゴール、椅子から立ち上がる。
エリゴール
「じゃあな、元上司。あとは頼む」
ロノウェ
「何をだよ。俺じゃ無理だから、七日間で〝七班長〟見つけて戻ってこい」
レラージュ
「……本当に〝七班長〟がいたら元四班長は戻ってこないのでは?」
ロノウェ
「さらっと不吉なことを言うんじゃねえ」
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ご感想ありがとうございます!
(実はまだ元アルスター大佐隊の班長たちの設定がほぼ白紙……)
本編と同時に更新! やっぱりそうなるのね〜。と思いました。
ご感想ありがとうございます!
やっぱりそうなりました!
(……異動の件でいいのかな)
裏完結お疲れさまです。疲れた身体にとても嬉しい更新です。
ご感想ありがとうございます!
健康第一! ご自愛ください!