寂しいからそばにいて（仮）【『無冠の皇帝』スピンオフ】

砲撃のパラディン大佐隊編（【05】の裏）

301【予定は未定編01】三班一号待機室の秘密

【パラディン大佐隊・第三班第一号待機室】

副長・ホフマン
「班長。ここにある〝飴ちゃん〟五個は、分配しなくてよかったんですか？」

エリゴール
「ああ、それか。それなら昨日、俺が立て替えといた」

ホフマン
「立て替え……ええ？」

エリゴール
「どっちも大佐にもらった〝飴ちゃん〟だ。価値は同じだろ」

ホフマン
「それはそうですが……なら、この五個はどうすれば……？」

エリゴール
「そうだな。まず、他の艦の奴らには秘密にしておけ」

ホフマン
「秘密……つまり、この五個は昨日分配されたことにしておけということですか？」

エリゴール
「そういうことだ。そのかわり、これをおまえらにやる」

　エリゴール、手に提げていた紙袋から飴の大袋を二つ取り出す。

ホフマン
「それはいったい……？」

エリゴール
「昨日、大佐にもらった。その五個と合わせて、おまえらで分け合え」

ホフマンとその周囲にいた班員たち
「班長!?」

エリゴール
「これだけあれば、全員一個は取れるだろ。ただし、これも他の艦の奴らには秘密だぞ。今回、班長艦は〝飴ちゃん〟はなしってことにしてあるからな」

ホフマンたち
「班長……！　一生ついていきます……！」

エリゴール
「たかが飴玉で大袈裟な。でも、他の艦の奴らには絶対言うなよ？」

ホフマンたち
「了解です！　口が裂けても言いません！」