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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

295【挨拶回りの前後編47】留守番決定戦・最終結果

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【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】

パラディン
『みんな! お疲れ様! それじゃ、最終結果を一位から順に発表するよ!』

副長・ホフマン
「今日の大佐は、ものすごく親切ですね……」

エリゴール
「計画どおり、四班が最下位になったから嬉しいんだろ」

ホフマン
「それは班長の意向……いえ、何でもないです」

パラディン
『一位・十一班! 四分五十八秒八八! 二位・六班! 四分五十九秒〇八! 三位・一班! 五分十一秒〇四! 四位・十二班! 五分十一秒九一! 五位・三班! 五分十二秒五一!』

ホフマン
「うちが五位……大佐の口から言われても、いまだに信じられません……」

エリゴール
「うちは五位だ」

ホフマン
「信じます」

パラディン
『六位・八班! 五分十五秒七三! 七位・九班! 五分十五秒九八! 八位・五班! 五分十六秒三五! 九位・十班! 五分十六秒五九! 十位・七班! 五分十七秒二三! そして、十一位・二班! 五分二十一秒八五! 十二位・四班! 六分三秒〇五!』

ホフマン
「改めて聞くと、四班の六分台が、本当に飛び抜けていますね……」

エリゴール
「ああ。俺もまさか、六分台になるとは思わなかった。まあ、おかげで大佐に不正を頼まなくて済んだが」

ホフマン
「……そうですね。よかったですね」

パラディン
『よって、今回の〝留守番〟は、十一位の二班、十二位の四班! ……と言いたいところだが、あくまで臨時の三班長から、三班は今回は〝留守番〟にしてほしいとの申し出があった! そのため、二班は出撃! 三班が〝留守番〟だ!』

ホフマン
「え! いつのまに申し出てたんですか!?」

エリゴール
「この訓練を大佐に提案したときに」

ホフマン
「あ、それはもう隠さないんですね」

エリゴール
「おまえらは悔しいだろうが、パラディン大佐隊になってからの実戦経験は二班のほうがあるからな。今回は〝飴ちゃん〟二十八個で我慢しておけ」

ホフマン
「え……〝飴ちゃん〟が二十八個!?」

エリゴール
「ああ。十二班の四位が確定してから計算してみたんだがな。まず、うちは最下位にならなかったから〝飴ちゃん〟十個獲得できる。が、うちより上位の四班に合計十個進呈しなくちゃならないから、結局プラマイゼロ。ただし、うちより下位の班は七班もあるから、そいつらからの献上分を合計すると二十八個になる」

ホフマン
「もしかして、さっき手帳を開いていたのは、その計算をするためですか?」

エリゴール
「そのとおりだが……よく見てたな」

ホフマン
「しかし、うちに献上できるほど〝飴ちゃん〟を持っていない班もいると思うんですが、そういう班はどうするんですか?」

エリゴール
「そうだな。普通はツケにするんだろうが、うちより下位ってことは、いつまで経っても獲得できない可能性のほうが高いからな……」

ホフマン
「確かにそうですが、身も蓋もないですね」

エリゴール
「よし。他の班から〝飴ちゃん〟借りさせる」

ホフマン
「取り立て厳しいですね……」

エリゴール
「何を言う。うちは五位なのに〝留守番〟になるんだぞ。〝飴ちゃん〟くらい耳を揃えて寄こしやがれ」

ホフマン
(〝飴ちゃん〟二十八個……十隻で分け合うことになるんだろうか……)
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