寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

276【挨拶回りの前後編28】七班の場合

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【パラディン大佐隊・第七班第一号ブリッジ】

七班長・カットナー
「四班、悲惨なことになってたな。あれなら、〝魚〟にならないで失格になって、六班みたいに二巡目に賭けたほうがよかったな」

副長
「そうか、その手があったか!」

カットナー
「まあ、うちは普通にやって、五班よりちょっと下くらいになれればいいや」

副長
「何で五班よりちょっと下なんだ?」

カットナー
「うちは五班より、〝移動しながら縦〟がちょっと下手だから。あとはまあ、トントンだろ」

副長
「トントンねえ。トントンなのは〝縦走り〟くらいだと思うが……」

パラディン
『それでは、七班の計測、開始します! 五、四、三、二、一、ゴー!』

 ***

【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】

副長・ウィルスン
「七班も手堅く来たな」

八班長・ブロック
「七班はまあ、〝留守番〟にならなければいいか、程度だから。ただ、三班より下だと〝飴ちゃん〟を三班に献上しなくちゃいけないんだけど、それはわかってんのかな」

ウィルスン
「……献上って、元四班長に、だよな?」

ブロック
「それは、臨時でも元四班長が三班長だから……まさか!」

ウィルスン・ブロック
「元四班長に直渡しできる……!?」

ウィルスン
「いや、いくら何でも、そんな理由で手抜きは……」

ブロック
「する」

ウィルスン
「え」

ブロック
「カットナーならする! 元四班長も投げて返せとは言わないはず! 元四班長みたいにコントロールがいい班長ばかりじゃないからな!」

ウィルスン
「七班長……なんて恐ろしい……!」

ブロック
「あ、でも、元四班長だったら、テーブルの上を滑らせて回収する可能性も」

ウィルスン
「そっちの可能性のほうが高いな。というか、そうであってくれ」

 ***

【パラディン大佐隊・第七班第一号ブリッジ】

パラディン
『七班、お疲れ様! タイムは……五分十七秒二三! もう少し頑張っていれば、五班を越えられていたかな! 二巡目ではもっと頑張ってね!』

副長
「本当に、五班のちょっと下になった……」

七班長・カットナー
「これで暫定順位は、一班、三班、五班、うち、二班、四班。……三班より二つ下か。〝飴ちゃん〟二個献上だな」

副長
「あ! それがあったか!」

カットナー
「まあ、あくまで暫定だから。俺としては、このまま四班に最下位独走してもらいたいけど、二巡目で三班が最下位になる可能性もないわけじゃないからな。十二班の二巡目が終わるまで、どうなるかはわからない」

副長
「うちが最下位になる可能性は?」

カットナー
「ないとは言えない。だから、一巡目の結果しだいで二巡目は決める」

副長
「何を?」

カットナー
「一巡目より本気出すか。六班みたいなミスして無効にしてもらうか」
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