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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
275【挨拶回りの前後編27】六班の場合
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【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「暫定一位が一班。二位が三班。以下、五班、二班、四班。……三班以外は妥当な結果だな」
副長
「いや、三班は元四班長が臨時で班長やってるから、やっぱり妥当」
ラムレイ
「しかし、俺たちの目標はあくまで一班越え! 三班に〝飴ちゃん〟は献上しない!」
副長
「あ! それもあったか!」
クルーA
「献上というより返上のような気がしますけど、確かに一度もらったものを返したくはないですね!」
ラムレイ
「うちがちょっと苦手なのは〝開き〟くらいだ! 一巡目で一班を越えるぞ!」
ラムレイ以外
「了解!」
パラディン
『それでは、六班の計測、開始します! 五、四、三、二、一、ゴー!』
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
副長・ウィルスン
「うわ! 六班、はええ! 予想はしてたが、やっぱりはええ!」
八班長・ブロック
「〝移動しながら縦〟は得意中の得意だからな……下手したら一班よりも」
ウィルスン
「〝開き〟もはええ! あとは〝縦走り〟……はええ!」
ブロック
「うーん。確かに速いけど、一班に比べると、ところどころで荒さが目立つな」
ウィルスン
「それはおまえの欲目だろ! とか何とか言ってる間にゴール!」
ブロック
「オペレータ!」
オペレータ
「……よ、四分五十九秒八九……」
ウィルスン
「とうとう五分を切った……!」
ブロック
「……俺、倒れてもいいかな」
ウィルスン
「倒れてもいいが、うちの計測のときには起き上がってくれ」
ブロック
「鬼だな」
パラディン
『六班、お疲れ様! ものすごいタイムが出たよ! 四分五十九秒七一! ついに五分を切った! でも、〝ファイアー・ウォール〟で三秒間静止していなかったという物言いがついたよ!』
ウィルスン
「物言いって……いったい誰がつけたんだ?」
ブロック
「たぶん、〈オートクレール〉のブリッジクルーじゃないかな」
ウィルスン
「なるほど」
パラディン
『それでは、みんなで検証してみよう!』
ウィルスン
「透明性あるな」
ブロック
「いや、あとで揉めたくないんだろ」
六班の〝開き〟の映像が配信される。
映像の隅には経過時間の表示つき。
ブロック
「……確かに、三秒経つ前に動き出してるな」
ウィルスン
「というか、よく気づいたな、物言い」
パラディン
『というわけで、六班は三秒間静止していなかったので失格! 一巡目のタイムは無効とします! 二巡目ではきちんと三秒間静止してね!』
ウィルスン
「六班……二回計測で助かったな……」
ブロック
「……規定どおり、三秒間静止していても、一班の記録は破られていた気がする……」
ウィルスン
「俺もそんな気はするが、この三秒間静止ルール、六班をピンポイントで狙って作られたんじゃ……?」
ブロック
「そうかもな……六班には三秒は長いだろう……」
ウィルスン
「もしかしたら、静止がいちばん苦手なのかもな、六班」
ブロック
「……確かに」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「まさか、物言いがつくとは! 一班に大差で勝ったと思ったのに!」
副長
「三秒間静止か……こうなることを恐れて、この軍艦で号令することにしたんだが……それでも、各艦の動きは止められないよな」
クルーA
「やはり、三秒ギリギリを攻めるのは危険ですね」
ラムレイ
「たぶん、四秒静止していたとしても、一班には勝っていたな。二巡目では静止だけ注意して、あとはひたすらかっ飛ばす!」
ラムレイ以外
「了解!」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「おとっつぁん……命拾いしたね……」
ハワード
「ああ……でも、二巡目では六班に抜かれるな……」
フィリップス
「いや、おとっつぁん、六班だけじゃないよ。十一班には確実に抜かれるよ」
ハワード
「ああ、そっちもあったか! うちのタイムだと、十二班にも抜かれそうだ!」
フィリップス
「十二班長にうちを抜かすなって言っとこうか?」
ハワード
「フィリップス……! おまえ、いつからそんな悪に……!」
フィリップス
「冗談だよ、冗談。……わざわざ言わなくても空気読むだろ」
ハワード
「フィリップス!?」
六班長・ラムレイ
「暫定一位が一班。二位が三班。以下、五班、二班、四班。……三班以外は妥当な結果だな」
副長
「いや、三班は元四班長が臨時で班長やってるから、やっぱり妥当」
ラムレイ
「しかし、俺たちの目標はあくまで一班越え! 三班に〝飴ちゃん〟は献上しない!」
副長
「あ! それもあったか!」
クルーA
「献上というより返上のような気がしますけど、確かに一度もらったものを返したくはないですね!」
ラムレイ
「うちがちょっと苦手なのは〝開き〟くらいだ! 一巡目で一班を越えるぞ!」
ラムレイ以外
「了解!」
パラディン
『それでは、六班の計測、開始します! 五、四、三、二、一、ゴー!』
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
副長・ウィルスン
「うわ! 六班、はええ! 予想はしてたが、やっぱりはええ!」
八班長・ブロック
「〝移動しながら縦〟は得意中の得意だからな……下手したら一班よりも」
ウィルスン
「〝開き〟もはええ! あとは〝縦走り〟……はええ!」
ブロック
「うーん。確かに速いけど、一班に比べると、ところどころで荒さが目立つな」
ウィルスン
「それはおまえの欲目だろ! とか何とか言ってる間にゴール!」
ブロック
「オペレータ!」
オペレータ
「……よ、四分五十九秒八九……」
ウィルスン
「とうとう五分を切った……!」
ブロック
「……俺、倒れてもいいかな」
ウィルスン
「倒れてもいいが、うちの計測のときには起き上がってくれ」
ブロック
「鬼だな」
パラディン
『六班、お疲れ様! ものすごいタイムが出たよ! 四分五十九秒七一! ついに五分を切った! でも、〝ファイアー・ウォール〟で三秒間静止していなかったという物言いがついたよ!』
ウィルスン
「物言いって……いったい誰がつけたんだ?」
ブロック
「たぶん、〈オートクレール〉のブリッジクルーじゃないかな」
ウィルスン
「なるほど」
パラディン
『それでは、みんなで検証してみよう!』
ウィルスン
「透明性あるな」
ブロック
「いや、あとで揉めたくないんだろ」
六班の〝開き〟の映像が配信される。
映像の隅には経過時間の表示つき。
ブロック
「……確かに、三秒経つ前に動き出してるな」
ウィルスン
「というか、よく気づいたな、物言い」
パラディン
『というわけで、六班は三秒間静止していなかったので失格! 一巡目のタイムは無効とします! 二巡目ではきちんと三秒間静止してね!』
ウィルスン
「六班……二回計測で助かったな……」
ブロック
「……規定どおり、三秒間静止していても、一班の記録は破られていた気がする……」
ウィルスン
「俺もそんな気はするが、この三秒間静止ルール、六班をピンポイントで狙って作られたんじゃ……?」
ブロック
「そうかもな……六班には三秒は長いだろう……」
ウィルスン
「もしかしたら、静止がいちばん苦手なのかもな、六班」
ブロック
「……確かに」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「まさか、物言いがつくとは! 一班に大差で勝ったと思ったのに!」
副長
「三秒間静止か……こうなることを恐れて、この軍艦で号令することにしたんだが……それでも、各艦の動きは止められないよな」
クルーA
「やはり、三秒ギリギリを攻めるのは危険ですね」
ラムレイ
「たぶん、四秒静止していたとしても、一班には勝っていたな。二巡目では静止だけ注意して、あとはひたすらかっ飛ばす!」
ラムレイ以外
「了解!」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「おとっつぁん……命拾いしたね……」
ハワード
「ああ……でも、二巡目では六班に抜かれるな……」
フィリップス
「いや、おとっつぁん、六班だけじゃないよ。十一班には確実に抜かれるよ」
ハワード
「ああ、そっちもあったか! うちのタイムだと、十二班にも抜かれそうだ!」
フィリップス
「十二班長にうちを抜かすなって言っとこうか?」
ハワード
「フィリップス……! おまえ、いつからそんな悪に……!」
フィリップス
「冗談だよ、冗談。……わざわざ言わなくても空気読むだろ」
ハワード
「フィリップス!?」
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