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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
251【挨拶回りの前後編03】復活した大佐代行
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【パラディン大佐隊・第一班第一号待機室】
エリゴール、仮眠室から待機室に戻る。
待機室にはハワードとフィリップスだけがいて、テイクアウトの弁当を食べている。
フィリップス
「あ、元四班長。……少しは眠れたみたいだな」
エリゴール
「おかげさまで。昼前には起きようと思ってたんだが」
フィリップス
「まあ、たまにはいいじゃん。元四班長の分もあるから一緒に食べようよ」
エリゴール
「他の班員はどうした?」
フィリップス
「主に軍艦の整備。俺たちは元四班長の出待ち」
エリゴール
「出待ち……また何かあったのか?」
フィリップス
「いや、特には。三班長がミーティングに来てて、俺がおとっつぁんとの賭けに負けて、〝飴ちゃん〟全部一班に寄贈する羽目になったくらい」
エリゴール
「ほう。まだミーティングには出るか。……三班長の件、他の班長たちは知らないんだよな?」
ハワード
「プライスが話していなければな。今朝の様子を見たかぎり、班長を辞めたいと思っていることすら気づかれていないようだ」
フィリップス
「っていうか、みんな、元四班長のことしか気にしてなかったよ。ちなみに、元四班長は用事があって欠席したことになってるからそのつもりで。仮眠室で寝てたなんて絶対言うなよ?」
エリゴール
「用事ねえ……まあ、そういうことになってるんなら、わざわざ訂正はしない」
エリゴール、二人のそばに座り、自分の分の弁当に手をつける。
エリゴール
「そういや、起きてから思い出したんだが、次の出撃では四班を〝留守番〟にしなくちゃいけなかったんだな」
フィリップス
「それ、本気だったの!?」
エリゴール
「もちろん本気だ。代わりに〝無旋回〟を出撃させる」
ハワード
「さすがに、三班ではないんだな」
エリゴール
「〝班長不在〟の班には無理だろ」
フィリップス
「それは確かに」
エリゴール
「たぶん、明日の挨拶回りが終わったら、大佐は作戦説明室で今回の合同演習の総括をする。だからその前に、四班を確実に〝留守番〟にできるような訓練を大佐に具申する」
ハワード
「四班が〝無旋回〟を見逃したのが、それほど許せないのか……」
エリゴール
「敵を味方と勘違いしたんだ、当然だろ。今回の演習では、コールタン大佐の次に許せない」
フィリップス
「それでも、大佐にお礼は書かせたんだね……」
エリゴール
「それはそれ、これはこれだ」
ハワード
「まあ、軍艦交換したくて合同演習申しこんだのはこっちだしな」
フィリップス
「コールタン大佐にしてみれば、むしろ、いい迷惑だったよな」
エリゴール
「とはいえ、訓練なら三班も参加させないわけにはいかない。大佐に訓練の具申をする前に、三班を本当に〝どうにか〟しないとな」
フィリップス
「どうにかって……」
エリゴール
「昨日、三班長と話したとき、辞職も退役もひとまず保留にしたんだったよな?」
ハワード
「あ、ああ……」
エリゴール
「じゃあ、今日のうちに確定しよう」
ハワード・フィリップス
「ええ?」
エリゴール
「これを食い終わってからでいいが、三班長に電話して、十四時に三班のドックで話がしたいってアポとってくれ。できたら、副班長も同席させてもらいたい。それと、一班長、フィリップス副長。立会人として一緒に来てくれ」
フィリップス
「うわあ……俺が三班長だったらビビりまくる……」
ハワード
「フィリップス。……俺もだ」
エリゴール
「ところで、〝無旋回〟はもう映像持ってきたか?」
フィリップス
「まだだけど……すっかり復活したな、元四班長」
エリゴール
「あと、俺が使った枕とシーツ、クリーニング袋の中に突っこんでおいたから、あのベッドを使うときはまたセッティングしてくれ」
フィリップス
「……いろいろ察した。了解」
ハワード
「うちのはそこまで変態じゃないと思うが……いや、わからないな」
フィリップス
「班員を試すような真似はしたくないから、もうクリーニング出しとこうか、おとっつぁん」
ハワード
「そうだな」
エリゴール
「悪いが、そうしてもらえると非常に助かる」
エリゴール、仮眠室から待機室に戻る。
待機室にはハワードとフィリップスだけがいて、テイクアウトの弁当を食べている。
フィリップス
「あ、元四班長。……少しは眠れたみたいだな」
エリゴール
「おかげさまで。昼前には起きようと思ってたんだが」
フィリップス
「まあ、たまにはいいじゃん。元四班長の分もあるから一緒に食べようよ」
エリゴール
「他の班員はどうした?」
フィリップス
「主に軍艦の整備。俺たちは元四班長の出待ち」
エリゴール
「出待ち……また何かあったのか?」
フィリップス
「いや、特には。三班長がミーティングに来てて、俺がおとっつぁんとの賭けに負けて、〝飴ちゃん〟全部一班に寄贈する羽目になったくらい」
エリゴール
「ほう。まだミーティングには出るか。……三班長の件、他の班長たちは知らないんだよな?」
ハワード
「プライスが話していなければな。今朝の様子を見たかぎり、班長を辞めたいと思っていることすら気づかれていないようだ」
フィリップス
「っていうか、みんな、元四班長のことしか気にしてなかったよ。ちなみに、元四班長は用事があって欠席したことになってるからそのつもりで。仮眠室で寝てたなんて絶対言うなよ?」
エリゴール
「用事ねえ……まあ、そういうことになってるんなら、わざわざ訂正はしない」
エリゴール、二人のそばに座り、自分の分の弁当に手をつける。
エリゴール
「そういや、起きてから思い出したんだが、次の出撃では四班を〝留守番〟にしなくちゃいけなかったんだな」
フィリップス
「それ、本気だったの!?」
エリゴール
「もちろん本気だ。代わりに〝無旋回〟を出撃させる」
ハワード
「さすがに、三班ではないんだな」
エリゴール
「〝班長不在〟の班には無理だろ」
フィリップス
「それは確かに」
エリゴール
「たぶん、明日の挨拶回りが終わったら、大佐は作戦説明室で今回の合同演習の総括をする。だからその前に、四班を確実に〝留守番〟にできるような訓練を大佐に具申する」
ハワード
「四班が〝無旋回〟を見逃したのが、それほど許せないのか……」
エリゴール
「敵を味方と勘違いしたんだ、当然だろ。今回の演習では、コールタン大佐の次に許せない」
フィリップス
「それでも、大佐にお礼は書かせたんだね……」
エリゴール
「それはそれ、これはこれだ」
ハワード
「まあ、軍艦交換したくて合同演習申しこんだのはこっちだしな」
フィリップス
「コールタン大佐にしてみれば、むしろ、いい迷惑だったよな」
エリゴール
「とはいえ、訓練なら三班も参加させないわけにはいかない。大佐に訓練の具申をする前に、三班を本当に〝どうにか〟しないとな」
フィリップス
「どうにかって……」
エリゴール
「昨日、三班長と話したとき、辞職も退役もひとまず保留にしたんだったよな?」
ハワード
「あ、ああ……」
エリゴール
「じゃあ、今日のうちに確定しよう」
ハワード・フィリップス
「ええ?」
エリゴール
「これを食い終わってからでいいが、三班長に電話して、十四時に三班のドックで話がしたいってアポとってくれ。できたら、副班長も同席させてもらいたい。それと、一班長、フィリップス副長。立会人として一緒に来てくれ」
フィリップス
「うわあ……俺が三班長だったらビビりまくる……」
ハワード
「フィリップス。……俺もだ」
エリゴール
「ところで、〝無旋回〟はもう映像持ってきたか?」
フィリップス
「まだだけど……すっかり復活したな、元四班長」
エリゴール
「あと、俺が使った枕とシーツ、クリーニング袋の中に突っこんでおいたから、あのベッドを使うときはまたセッティングしてくれ」
フィリップス
「……いろいろ察した。了解」
ハワード
「うちのはそこまで変態じゃないと思うが……いや、わからないな」
フィリップス
「班員を試すような真似はしたくないから、もうクリーニング出しとこうか、おとっつぁん」
ハワード
「そうだな」
エリゴール
「悪いが、そうしてもらえると非常に助かる」
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