寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

247【交換ついでに合同演習編152】合同演習二日目:懸念的中

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【パラディン大佐隊・執務室】

エリゴール
「え……ドレイク大佐が挨拶回り……?」

パラディン
「そうなんだ。大佐同士の直接交流が解禁になったから、だそうだけど、解禁直後ではなく、今このタイミングで回るということは、何かしら理由はあるだろうね。私には皆目見当がつかないけど」

エリゴール
「それで、うちにはいつ来られるんですか?」

パラディン
「明後日の十一時頃だそうだ。返信が早くてびっくりしたよ」

エリゴール
「そうですか……」

パラディン
「……体調、よくないのかい? 顔色が悪いよ?」

エリゴール
「いえ。ただ、驚いているだけです……」

パラディン
「さすがの君も、ドレイク大佐が挨拶回りをすることまでは予想していなかったか」

エリゴール
「まったくの予想外です。……大佐殿。ドレイク大佐殿が来られる時間帯には、自分は一班の待機室におります。何があっても呼び出しには応じませんのでそのおつもりで」

パラディン
「……君。ドレイク大佐とも何かあったのかい?」

エリゴール
「直接お目にかかったことはありませんが……例の転属騒動のときに……」

パラディン
「ああ。そういえばそんなこともあったね。いろんなことがありすぎて、すっかり忘れていたよ」

エリゴール
「それと……自分の元部下が……」

パラディン
「元部下?」

エリゴール
「いえ。何でもありません。とにかく、自分はドレイク大佐殿の視界には絶対に入らないようにいたします」

モルトヴァン
(こんなに動揺してるエリゴール中佐、初めて見たな……ドレイク大佐を尊敬してるみたいだったから、同席させてくれって言うかと思ってたのに……)

パラディン
「そうか……君が望むならそうするけれども……今日はもう早く帰ってゆっくり休んだほうがいいね……」

エリゴール
「ありがとうございます。そうさせていただきます……」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号待機室】

フィリップス
「おとっつぁん……三班長の件、どうする?」

ハワード
「そうだな……とりあえず保留にはしたが、早いうちにどうにかしないとな」

フィリップス
「たぶん、元四班長は大佐のとこ行って直帰だよ」

ハワード
「だろうな。元四班長も疲れてるだろうし、相談するのはここに来てからにしよう」

フィリップス
「……俺たち、元四班長に依存しまくってるな」

ハワード
「大佐が頼りにならないんだから、元四班長に頼るしかないだろ」

フィリップス
「その大佐も元四班長頼ってるし、本当に元四班長、お疲れ様です」

ハワード
「それより、フィリップス。〝飴ちゃん〟五個はないだろ」

フィリップス
「え、その話、今このタイミングでするの?」
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