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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
240【交換ついでに合同演習編145】合同演習二日目:おおむね大団円
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【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
オペレータ
「大佐! 検証完了しました! 砲撃したのは三班第二号! 申告どおり、被弾はしていません!」
パラディン
「にもかかわらず、〝墓場〟で死んだふりをしていたのか。……自分の独断だと艦長は言っていたが、間違いなく、エリゴール中佐の入れ知恵だな」
モルトヴァン
「間違いないですね。しかし、入れ知恵ではなく命令だったのでは?」
パラディン
「私もそう思うが、いずれにしろ、撃ったのは三班第二号だ。……くっ! ケチらないで軍艦全体にシールドを張っておけばよかった!」
モルトヴァン
「やはり、無効判定はしないんですか? いくら何でも、これはズルすぎるでしょう。実戦では絶対に成立しませんよ?」
パラディン
「それを言うなら、我々の〝演習区域を出てしまえば勝ち〟も成立しなくなる。今回だけは〝死んだふり〟は作戦の一つとして認めよう。しかし、次回以降は不正とみなす」
モルトヴァン
「ですよね」
パラディン
「おそらく、エリゴール中佐もそのつもりでこの作戦をとったんだろう。正直言って、私は助かった。これなら勝敗を曖昧にできる。あの赤ピーマン以外はな!」
モルトヴァン
「全滅必至の作戦押しつけておいて何て言い草! と言いたいところですが、コールタン大佐に限っては、もっといい負け方をしてほしかったですね……」
パラディン
「私的には〝栄転〟ものだ。まあ、今の状況で飛ばされることはないだろうが」
モルトヴァン
「そうですね。先にアルスター大佐を飛ばしておかないと」
パラディン
「まったく異論はないが、おまえも〝いい性格〟をしているな、モルトヴァン」
モルトヴァン
「いえいえ。大佐には及びません」
副長
(どちらも同じくらい〝いい性格〟……)
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
通信士
「元四班長! 三班第二号の砲撃が〝正当な攻撃〟として認められました!」
ハワード
「それはよかったが、なぜ真っ先に元四班長に報告する?」
通信士
「えーと……」
フィリップス
「おとっつぁん。我が儘言って、部下を困らせるなよ」
ハワード
「我が儘? これが我が儘?」
エリゴール
「了解。それなら、今回の演習は『連合』の勝ちで終わったってことだな。……ザボエス。喜べ。おまえは〝役立たず〟にならずに済んだぞ。そして、ザボエス以外。よかったな。十二班に〝飴ちゃん〟をやらずに済む」
十二班長・ザボエス
『おまえに言われても、素直に喜べねえな……』
エリゴール
「フィリップス副長。お願いします」
フィリップス
「えー……まあ、今回は仕事してたな、今回は」
十二班長・ザボエス
『ヨッシャーッ!』
ハワード
「え、あんなおざなりな言葉で?」
八班長・ブロック
『よかったです! フィリップス副長は〝飴ちゃん〟もらえるし、本当によかったです!』
フィリップス
「俺は〝魚〟で横泳ぎしたまま攻撃したかったんだがな……」
五班長・ロング
『文句ならコールタン大佐に言え』
フィリップス
「しかし、〝墓場〟から〈オートクレール〉を撃たせるなんて、よく思いついたな」
エリゴール
「あんたに『帰投と変わらない』と言われたときにな。そういや、〝墓場〟に行った奴らはもう帰投開始してるなと」
フィリップス
「でも、何で〝墓場〟に被弾してない軍艦が紛れこんでるってわかったんだ? それも三班第二号ピンポイントで?」
エリゴール
「そいつは逆だ。三班の中で、被弾していないのに〝墓場〟に行くような軍艦は、第二号だと思ったんだ」
フィリップス
「そらまたどうして?」
エリゴール
「あそこの操縦士は攻撃を避けるのがうまい。艦長は怠けるのがうまい」
フィリップス
「怠けるのがうまい……」
ハワード
「そういうのもうまいと言うのか……」
エリゴール
「三班で生き残ったのが第二号一隻だけだったら、それはもう自分たちも当たったふりして〝墓場〟に行くだろ。俺なら行くぞ」
フィリップス
「元四班長も行くんだ……」
ハワード
「で、〝墓場〟から〈オートクレール〉を撃つんだな。自分の判断で」
エリゴール
「もしかしたら、他の班にもそういう軍艦はいたかもしれないが、俺が直接関わったことがあるのは三班だけだったからな。一発ビンゴで助かった」
フィリップス
「怠けるのはうまくても、元四班長に嘘はつけなかったか……」
ハワード
「それはつけないだろ。バレたら最後、どんな目にあわされるか……」
エリゴール
「人聞きの悪い。せいぜい、コールタン大佐隊に飛ばすくらいだ」
ハワード・フィリップス
「やっぱり怖い……!」
五班長・ロング
『命拾いしたな、三班第二号……』
二班長・八班長・十班長
『本当に……』
***
【コールタン大佐隊・旗艦〈デュランダル〉ブリッジ】
コールタン
「くそう! 怖くてパラディンに通信入れられねえ!」
クルタナ
「では、私が代理で入れますから、速やかに帰還しましょう。……殿下からメールが届いているかもしれません」
クルタナ以外
「ひいっ!」
オペレータ
「大佐! 検証完了しました! 砲撃したのは三班第二号! 申告どおり、被弾はしていません!」
パラディン
「にもかかわらず、〝墓場〟で死んだふりをしていたのか。……自分の独断だと艦長は言っていたが、間違いなく、エリゴール中佐の入れ知恵だな」
モルトヴァン
「間違いないですね。しかし、入れ知恵ではなく命令だったのでは?」
パラディン
「私もそう思うが、いずれにしろ、撃ったのは三班第二号だ。……くっ! ケチらないで軍艦全体にシールドを張っておけばよかった!」
モルトヴァン
「やはり、無効判定はしないんですか? いくら何でも、これはズルすぎるでしょう。実戦では絶対に成立しませんよ?」
パラディン
「それを言うなら、我々の〝演習区域を出てしまえば勝ち〟も成立しなくなる。今回だけは〝死んだふり〟は作戦の一つとして認めよう。しかし、次回以降は不正とみなす」
モルトヴァン
「ですよね」
パラディン
「おそらく、エリゴール中佐もそのつもりでこの作戦をとったんだろう。正直言って、私は助かった。これなら勝敗を曖昧にできる。あの赤ピーマン以外はな!」
モルトヴァン
「全滅必至の作戦押しつけておいて何て言い草! と言いたいところですが、コールタン大佐に限っては、もっといい負け方をしてほしかったですね……」
パラディン
「私的には〝栄転〟ものだ。まあ、今の状況で飛ばされることはないだろうが」
モルトヴァン
「そうですね。先にアルスター大佐を飛ばしておかないと」
パラディン
「まったく異論はないが、おまえも〝いい性格〟をしているな、モルトヴァン」
モルトヴァン
「いえいえ。大佐には及びません」
副長
(どちらも同じくらい〝いい性格〟……)
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
通信士
「元四班長! 三班第二号の砲撃が〝正当な攻撃〟として認められました!」
ハワード
「それはよかったが、なぜ真っ先に元四班長に報告する?」
通信士
「えーと……」
フィリップス
「おとっつぁん。我が儘言って、部下を困らせるなよ」
ハワード
「我が儘? これが我が儘?」
エリゴール
「了解。それなら、今回の演習は『連合』の勝ちで終わったってことだな。……ザボエス。喜べ。おまえは〝役立たず〟にならずに済んだぞ。そして、ザボエス以外。よかったな。十二班に〝飴ちゃん〟をやらずに済む」
十二班長・ザボエス
『おまえに言われても、素直に喜べねえな……』
エリゴール
「フィリップス副長。お願いします」
フィリップス
「えー……まあ、今回は仕事してたな、今回は」
十二班長・ザボエス
『ヨッシャーッ!』
ハワード
「え、あんなおざなりな言葉で?」
八班長・ブロック
『よかったです! フィリップス副長は〝飴ちゃん〟もらえるし、本当によかったです!』
フィリップス
「俺は〝魚〟で横泳ぎしたまま攻撃したかったんだがな……」
五班長・ロング
『文句ならコールタン大佐に言え』
フィリップス
「しかし、〝墓場〟から〈オートクレール〉を撃たせるなんて、よく思いついたな」
エリゴール
「あんたに『帰投と変わらない』と言われたときにな。そういや、〝墓場〟に行った奴らはもう帰投開始してるなと」
フィリップス
「でも、何で〝墓場〟に被弾してない軍艦が紛れこんでるってわかったんだ? それも三班第二号ピンポイントで?」
エリゴール
「そいつは逆だ。三班の中で、被弾していないのに〝墓場〟に行くような軍艦は、第二号だと思ったんだ」
フィリップス
「そらまたどうして?」
エリゴール
「あそこの操縦士は攻撃を避けるのがうまい。艦長は怠けるのがうまい」
フィリップス
「怠けるのがうまい……」
ハワード
「そういうのもうまいと言うのか……」
エリゴール
「三班で生き残ったのが第二号一隻だけだったら、それはもう自分たちも当たったふりして〝墓場〟に行くだろ。俺なら行くぞ」
フィリップス
「元四班長も行くんだ……」
ハワード
「で、〝墓場〟から〈オートクレール〉を撃つんだな。自分の判断で」
エリゴール
「もしかしたら、他の班にもそういう軍艦はいたかもしれないが、俺が直接関わったことがあるのは三班だけだったからな。一発ビンゴで助かった」
フィリップス
「怠けるのはうまくても、元四班長に嘘はつけなかったか……」
ハワード
「それはつけないだろ。バレたら最後、どんな目にあわされるか……」
エリゴール
「人聞きの悪い。せいぜい、コールタン大佐隊に飛ばすくらいだ」
ハワード・フィリップス
「やっぱり怖い……!」
五班長・ロング
『命拾いしたな、三班第二号……』
二班長・八班長・十班長
『本当に……』
***
【コールタン大佐隊・旗艦〈デュランダル〉ブリッジ】
コールタン
「くそう! 怖くてパラディンに通信入れられねえ!」
クルタナ
「では、私が代理で入れますから、速やかに帰還しましょう。……殿下からメールが届いているかもしれません」
クルタナ以外
「ひいっ!」
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