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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

238【交換ついでに合同演習編143】合同演習二日目:隠し玉

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【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】

オペレータ
「大佐! 十一班が砲撃してきました!」

パラディン
「まあ、他の班ならともかく、十一班なら迷わず撃つだろうな」

モルトヴァン
「今日だったら、一班も躊躇なく撃ってきそうですね」

パラディン
「だが、幸いにしてこれは演習だ。たとえ十一班でも、うちを故障させるような箇所に砲撃はしないはず」

モルトヴァン
「あ、大佐が悪い顔をしている!」

パラディン
「操縦士! さらに加速しつつ蛇行しろ! 副長! 船尾に防御シールドを張れ!」

操縦士・副長
「りょ、了解いたしましたッ!」

モルトヴァン
「演習なのに実戦でも使ったことないシールド使うんですか!?」

パラディン
「このままでは演習区域を出る前に当てられてしまうだろう! それに、十一班なら我々が区域外に出ても撃ってくる! 自分たちは区域内に留まったまま!」

モルトヴァン
「大佐は十一班に詳しいですね……」

パラディン
「十一班というか、レラージュ副長が考えそうなことならだいたいわかる」

モルトヴァン
「悪魔同士だから……」

パラディン
「何か言ったか、モルトヴァン」

モルトヴァン
「いえ、何も! 無事に逃げ切れるといいですね!」

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

ロノウェ
「まさかの防御シールド……!」

レラージュ
「護衛の旗艦にはあるんですね、あれ。やはり、スペックが違う……」

ロノウェ
「大佐、どうしても俺らに当てられたくねえんだな……」

レラージュ
「まあ、今日の〈オートクレール〉は〈フラガラック〉の代理ですから、気持ちはわからないでもありません。でも、俺は当てたいんです!」

ロノウェ
「んなこと言ったって、あれを張られちゃレーザーは全部弾かれちまうだろうが!」

レラージュ
「……駄目元で、出力、最高にしましょうか」

ロノウェ
「やめとけ。万が一当たったら洒落にならねえ」

レラージュ
「でも、せっかくここまで追いつめたのに……!」

オペレータ
「副長! 五秒後に〈オートクレール〉が演習区域を離脱……え?」

ロノウェ
「あ?」

オペレータ
「……〈オートクレール〉。たった今、右舷に被弾しました……」

レラージュ
「どこが撃った!?」

オペレータ
「ただいま解析中! 少々お待ちください!」

レラージュ
「わかった! 俺がやる!」

オペレータ
「ああ! 無能ですみません!」

ロノウェ
「おまえ……少しくらい待ってやれよ……」

レラージュ
「待ってる時間がもったいないです!」

ゲアプ(操縦士)
「えーと、班長! もう止まってもいいでしょうか! このままだと〈オートクレール〉を追い越して、演習区域外に飛び出てしまいます!」

ロノウェ
「そりゃまじい! 止めろ! 意地でも出るな!」

ゲアプ
「了解! 逆噴射します!」

クルーたち
「ぐわああああ!」

ロノウェ
「本当にそう簡単には止まらねえな、おい!」

レラージュ
「そうか! そういうことか!」

ロノウェ
「お、わかったのか?」

レラージュ
「わかりました。しかし、真犯人は元四班長でしょう……」

ロノウェ
「エリゴール? エリゴールはザボエスよりもずっと後ろにいるだろ? 一班の班長艦にいるんだからよ」

レラージュ
「そうです。だから、元四班長が命令したんです。……まだ死んでいないのに〝墓場〟に潜んでいた〝切りこみ組〟に」

レラージュ以外
「えええええ?」
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