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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

228【交換ついでに合同演習編133】合同演習二日目:大佐代行もガチ

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【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】

通信士
「大佐! 〈デュランダル〉から撤退要請が入りました!」

パラディン
「……殿下だったら、コールタン大佐の要請にはすぐに応じないだろう」

パラディン以外
「ええ!?」

モルトヴァン
「そんなところでリアリティを追求しないでください! 今日は演習ですよ、演習!」

パラディン
「ドレイク大佐なら、間違いなくもっと早く撤退させている」

モルトヴァン
「私もそう思いますが、今はとにかく撤退しましょう! エリゴール中佐は間違いなく本気で攻撃してきます!」

パラディン
「それでこそエリゴール中佐! きっとコールタン大佐隊も全艦殲滅してくれるに違いない!」

モルトヴァン
「……まあ、うちさえ逃げ切れればそれでいいか」

副長
「いいんですか!?」

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

オペレータ
「〝敵〟右翼撤退! 左翼が中央に回って散開しました!」

ロノウェ
「元パラディン大佐隊が〝護衛隊〟で、コールタン大佐隊が〝砲撃隊〟。……フィリップス副長、そこは外したな」

レラージュ
「そうですね。でも、俺はフィリップス副長の予想のほうが〝正しい〟と思います」

ロノウェ
「あー……〈フラガラック〉を護衛しながら、少しずつ隊を割いて攻撃してくってやつか?」

レラージュ
「そうです。実際問題、それでうちの班は勝ちました」

ロノウェ
「訓練の話だろうが。あと、〝うちの班〟じゃなくて〝ライト〟な。一応」

レラージュ
「今だって演習で実戦ではないでしょう。基本は同じです」

ロノウェ
「それはそうだが。……へー。護衛も砲撃隊形とれたんだな」

レラージュ
「それはとれるでしょう。護衛は砲撃より優秀ですから」

ロノウェ
「でも、あの隊形で〝敵〟は何回撃ったかねえ……」

レラージュ
「さあ……もしかしたら今日が初めてかもしれませんね。……隙だらけです」

ロノウェ
「よし! 全艦殲滅は〝背面撃ち組〟に任せて突破するぞ!」

レラージュ
「今日は『連合』役ですから、全艦殲滅する必要はまったくありません。でも、元四班長はするでしょうね……」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

フィリップス
「なんでそこで二隊に分けちゃうかなあ、コールタン大佐! 俺の予想、半分はずれた!」

ハワード
「この場合、もらえる〝飴ちゃん〟は五個になるのか?」

フィリップス
「おとっつぁん……」

エリゴール
「いや、フィリップス副長の予想のほうが適切だから、〝飴ちゃん〟は十個やるよ」

フィリップス
「やった!」

ハワード
「適切か……確かに、最初から〝護衛隊〟と〝砲撃隊〟に分けると、悲惨なことになるからな……」

フィリップス
「あの対抗戦は本当に訓練になってたんだな……」

エリゴール
「本当にって、いったい何だと思ってたんだ」

フィリップス
「いや、まあ、とにかく訓練しといてよかったな! しかし、コールタン大佐隊が砲撃隊形をとるとは……そこもまた予想外」

ハワード
「そうだな……〝ファイアー・ウォール〟はしないんだな……」

フィリップス
「有人艦でそれしたがるの、きっとうちの隊だけだよ、おとっつぁん」

ハワード
「……元四班長。この場合、砲撃隊形は〝適切〟なのか?」

エリゴール
「まあ、本番だったら〝適切〟だろうな。護衛隊形より攻撃の自由度は上がる」

フィリップス
「それは確かに」

エリゴール
「ただし、それで〝魚〟に当てられるかどうかは別問題だ。砲撃なめるな、護衛馬鹿野郎ども」

フィリップス
「うわあ……ガチで言ってる……」

ハワード
「一時は自分も護衛だったのに……」
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