206 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
188【交換ついでに合同演習編93】合同演習一日目:開きと椅子
しおりを挟む
【コールタン大佐隊・旗艦〈デュランダル〉ブリッジ】
コールタン
「結局、先々月の大佐会議から一度も顔を見ていない……」
クルタナ
「一昨日、ネトゲしたときに声を聞けただけいいじゃないですか。もうそう割りきりましょう。……それ以上は望めそうにありませんから」
コールタン
「今日の演習……勝っても負けても、パラディンには責められそうな気がする……」
クルタナ
「私もそんな気がすごくします」
コールタン
「かといって手抜きしたら、今度はエリゴールに嫌味言われそうだしな。あれにまで嫌われたら、マジでパラディンとのパイプがなくなっちまう」
クルタナ
「もう班長ではないのに、かえって班長時代より権力持ってますね、四班長」
コールタン
「退役決めたら出世したってのも皮肉な話だな」
クルタナ
「……大佐ももうパラディン大佐のことは諦めたほうが……」
コールタン
「駄目だ! 俺の場合は諦めたら終わる!」
クルタナ
「その諦めの悪さがパラディン大佐に嫌われている原因の一つだと今まで考えたことはありませんか?」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
パラディン
「へえ、今回はもうスタート地点で、六班全部〝椅子〟になってしまうんだ」
モルトヴァン
「〝一班組〟のほうは、やはり〝最初から縦〟にしておくようですね」
パラディン
「一班は〝移動しながら縦〟になれなくて残念だったね」
モルトヴァン
「きっと、エリゴール中佐に禁止されたんでしょう」
パラディン
「確かに、見せ物としてはかっこいいけどね。もしかしたら殿下に覗き見されてるかもしれない演習ではやれないよね」
モルトヴァン
「実戦ではもっとやれません」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「今回くらいは無人偵察機使わせてくれてもいいと思うんだけどなあ」
ハワード
「そうだな。向こうはこっちの二倍以上いるんだしな」
エリゴール
「三班か〝無旋回〟に通信入れて、どんな隊列組んでるか訊いてみたらどうだ?」
フィリップス
「さすが元四班長。真顔で不正行為を促してくるな」
エリゴール
「もともと『連合』にスパイを送りこんでいると思えば……」
ハワード
「いったいどこまでダークネス」
エリゴール
「それはまあ冗談だが、ゼロ・アワーになったら、即配置につくぞ。今日の俺たちは〝背面撃ち〟もしなくちゃならないからな。ぐずぐずしてる暇はない」
ハワード
「今日こそは〝ファイアー・ウォール〟で『連合』の数を減らせるのか……!」
フィリップス
「まあ、『〝偽〟連合』だけどな」
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
八班長・ブロック
「この位置で一班うまく撮れるかなあ。どうせなら右に並びたかった」
副長・ウィルスン
「あっちにいたら、あっというまに撮影終了だ」
ブロック
「この際、一班さえ撮れれば……」
ウィルスン
「第二の撮影班めざす気、まるでなし!」
***
【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】
副長
「班長……今日はうちが元四班長に〝背面撃ち〟されるんですね……」
三班長・プライス
「ああ。一瞬のためらいもなく容赦なく」
クルーA
「さすが……それでこそ元四班長!」
クルーB
「元四班長に退場させられるなら本望です!」
プライス
「おまえら……一班の班長は元四班長じゃなくてハワードだぞ。……一応」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
モルトヴァン
「〝魚〟とはよく言ったもんですね……確かに〝魚〟だ……」
パラディン
「あれが今度は口から割かれて〝開き〟になるんだ」
モルトヴァン
「口から……」
パラディン
「ロールケーキと違って、さすがにあれは自分では試せなかった」
モルトヴァン
「でも、料理人にはやらせたんですよね。あの写真、今でも忘れられません……特に裏側」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「やっぱりここには〝移動しながら縦〟で配置につきたい!」
エリゴール
「十一班のあのタイムを破ったら考えてやる」
フィリップス
「考えるだけか!」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
パラディン
「そして、今日は〝椅子〟が六脚」
モルトヴァン
「すごいですね。この十一班とほぼ同時に皆配置につきましたよ」
パラディン
「私に留守番させてエリゴール中佐と楽しく訓練してきたんだ。そうなってくれなくては困る」
モルトヴァン
「楽しくって……彼らは別に大佐を仲間はずれにして遊んでたわけじゃありませんよ」
パラディン
「仲間はずれ……!」
モルトヴァン
「あ、すみません。つい本音が」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「〈オートクレール〉と移動すんの、やっぱ気ィ遣うな」
レラージュ
「でも、さすが〈オートクレール〉。ちゃんと一緒に移動してきてくれましたよ」
ロノウェ
「あとはどんだけコールタン大佐隊を撃ち落としてくれるかだな」
レラージュ
「少なくとも、十二班十隻分以上の仕事はしてくださるでしょう」
ロノウェ
「……十二班に関しては、もう何も言えねえ……」
コールタン
「結局、先々月の大佐会議から一度も顔を見ていない……」
クルタナ
「一昨日、ネトゲしたときに声を聞けただけいいじゃないですか。もうそう割りきりましょう。……それ以上は望めそうにありませんから」
コールタン
「今日の演習……勝っても負けても、パラディンには責められそうな気がする……」
クルタナ
「私もそんな気がすごくします」
コールタン
「かといって手抜きしたら、今度はエリゴールに嫌味言われそうだしな。あれにまで嫌われたら、マジでパラディンとのパイプがなくなっちまう」
クルタナ
「もう班長ではないのに、かえって班長時代より権力持ってますね、四班長」
コールタン
「退役決めたら出世したってのも皮肉な話だな」
クルタナ
「……大佐ももうパラディン大佐のことは諦めたほうが……」
コールタン
「駄目だ! 俺の場合は諦めたら終わる!」
クルタナ
「その諦めの悪さがパラディン大佐に嫌われている原因の一つだと今まで考えたことはありませんか?」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
パラディン
「へえ、今回はもうスタート地点で、六班全部〝椅子〟になってしまうんだ」
モルトヴァン
「〝一班組〟のほうは、やはり〝最初から縦〟にしておくようですね」
パラディン
「一班は〝移動しながら縦〟になれなくて残念だったね」
モルトヴァン
「きっと、エリゴール中佐に禁止されたんでしょう」
パラディン
「確かに、見せ物としてはかっこいいけどね。もしかしたら殿下に覗き見されてるかもしれない演習ではやれないよね」
モルトヴァン
「実戦ではもっとやれません」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「今回くらいは無人偵察機使わせてくれてもいいと思うんだけどなあ」
ハワード
「そうだな。向こうはこっちの二倍以上いるんだしな」
エリゴール
「三班か〝無旋回〟に通信入れて、どんな隊列組んでるか訊いてみたらどうだ?」
フィリップス
「さすが元四班長。真顔で不正行為を促してくるな」
エリゴール
「もともと『連合』にスパイを送りこんでいると思えば……」
ハワード
「いったいどこまでダークネス」
エリゴール
「それはまあ冗談だが、ゼロ・アワーになったら、即配置につくぞ。今日の俺たちは〝背面撃ち〟もしなくちゃならないからな。ぐずぐずしてる暇はない」
ハワード
「今日こそは〝ファイアー・ウォール〟で『連合』の数を減らせるのか……!」
フィリップス
「まあ、『〝偽〟連合』だけどな」
***
【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】
八班長・ブロック
「この位置で一班うまく撮れるかなあ。どうせなら右に並びたかった」
副長・ウィルスン
「あっちにいたら、あっというまに撮影終了だ」
ブロック
「この際、一班さえ撮れれば……」
ウィルスン
「第二の撮影班めざす気、まるでなし!」
***
【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】
副長
「班長……今日はうちが元四班長に〝背面撃ち〟されるんですね……」
三班長・プライス
「ああ。一瞬のためらいもなく容赦なく」
クルーA
「さすが……それでこそ元四班長!」
クルーB
「元四班長に退場させられるなら本望です!」
プライス
「おまえら……一班の班長は元四班長じゃなくてハワードだぞ。……一応」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
モルトヴァン
「〝魚〟とはよく言ったもんですね……確かに〝魚〟だ……」
パラディン
「あれが今度は口から割かれて〝開き〟になるんだ」
モルトヴァン
「口から……」
パラディン
「ロールケーキと違って、さすがにあれは自分では試せなかった」
モルトヴァン
「でも、料理人にはやらせたんですよね。あの写真、今でも忘れられません……特に裏側」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「やっぱりここには〝移動しながら縦〟で配置につきたい!」
エリゴール
「十一班のあのタイムを破ったら考えてやる」
フィリップス
「考えるだけか!」
***
【パラディン大佐隊・旗艦〈オートクレール〉ブリッジ】
パラディン
「そして、今日は〝椅子〟が六脚」
モルトヴァン
「すごいですね。この十一班とほぼ同時に皆配置につきましたよ」
パラディン
「私に留守番させてエリゴール中佐と楽しく訓練してきたんだ。そうなってくれなくては困る」
モルトヴァン
「楽しくって……彼らは別に大佐を仲間はずれにして遊んでたわけじゃありませんよ」
パラディン
「仲間はずれ……!」
モルトヴァン
「あ、すみません。つい本音が」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「〈オートクレール〉と移動すんの、やっぱ気ィ遣うな」
レラージュ
「でも、さすが〈オートクレール〉。ちゃんと一緒に移動してきてくれましたよ」
ロノウェ
「あとはどんだけコールタン大佐隊を撃ち落としてくれるかだな」
レラージュ
「少なくとも、十二班十隻分以上の仕事はしてくださるでしょう」
ロノウェ
「……十二班に関しては、もう何も言えねえ……」
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
無冠の皇帝
有喜多亜里
BL
「連邦」、「連合」に次ぐ銀河系内の第三勢力「帝国」。その宗主であった「連合」五星系の一つザイン星系は「帝国」の再植民地化をもくろみ侵攻しようとするも「帝国」宇宙軍と皇帝軍護衛艦隊に阻まれる。「帝国」の元皇太子アーウィンが司令官を務める皇帝軍護衛艦隊の鉄則はただ一つ。〝全艦殲滅〟。――なーんて感じの「なんちゃってSF」。コメディ寄りのボーイズラブ(自称)。大佐(変態だけどまとも)×元皇太子(ツンデレストーカー)。
◆BOOTH様で同人誌を通販しています。既刊4冊(https://aarikita.booth.pm/)。
◆表紙はかんたん表紙メーカー様で作成いたしました。ありがとうございました(2023/03/16)。
◆「第11回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました。ありがとうございました。
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています!
あああ
BL
おれはには双子の弟がいる。
かわいいかわいい弟…だが、中学になると不良になってしまった。まぁ、それはいい。(泣き)
けれど…
高校になると───もっとキャラが変わってしまった。それは───
「もう、お兄ちゃん何してるの?死んじゃえ☆」
ブリッコキャラだった!!どういうこと!?
弟「──────ほんと、兄貴は可愛いよな。
───────誰にも渡さねぇ。」
弟×兄、弟がヤンデレの物語です。
この作品はpixivにも記載されています。
嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる