寂しいからそばにいて（仮）【『無冠の皇帝』スピンオフ】

砲撃のパラディン大佐隊編（【05】の裏）

183【交換ついでに合同演習編88】訓練二日目：十一班一号待機室の遊戯

【パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】

　ゲアプは明日に備えてもう帰宅済み。

班員Ａ
「メモリカードを滑らせるか……ミーティング室のテーブルじゃないと滑らねえのかな？」

班員Ｂ
「試しに、このテーブルでやってみるか。……どこ行くかわかんねえから、そこらへん固めといてくれ」

班員たち
「了解」

班員Ｂ
「……お、滑った！」

班員Ａ
「ちょっと勢いつけすぎ。テーブルの端でピタッと止まるように滑らせろよ。ピタッと」

班員Ｂ
「そうそううまく滑らせられるか。そんなこと言うなら、今度はおまえが滑らせてみろよ」

班員Ａ
「よし、じゃあやってやる！」

班員Ｂ
「……ほら見ろ。やっぱりこっちで押さえねえと飛び出しちまうじゃねえか」

班員Ａ
「くぬう！」

班員Ｃ
「あ、今度俺！」

班員Ｂ
「……力抑えすぎたな。テーブルの真ん中で止まっちまった」

班員Ａ
「やってみるとかなり難しいな。しかも、これで六班長は各班長にメモリカード配ったんだろ？」

班員Ｄ
「各班長に配る……こんな感じか？」

班員Ａ
「おまえ！　何でそんなにうまいんだ!?」

班員Ｄ
「いや、俺も今、自分でやってみて驚いた。できると何か楽しいな」

班員Ａ
「くそ、もう上から目線か！」

班員Ｂ
「ところで、班長はいつになったら一班から帰ってくるんだ？」

班員Ａ
「さあ……副長が映像解析に集中してるからいいようなものの、いつもだったらもう〝帰ってこい〟コールされてるな」

班員Ｃ
「俺らもこんなことして遊んでられねえな」

班員Ｄ
「じゃあ、今のうちに……秘技〝放物線〟！」

班員Ｂ
「おお、メモリカードが弧を描いた！　天才か!?」