194 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
176【交換ついでに合同演習編81】訓練二日目:滑るメモリカード
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・ミーティング室】
エリゴール
「じゃあ、次に映像交換会。……六班長、十班のメモリカードのコピーは全部終わったか?」
六班長・ラムレイ
「はい、終わりました」
エリゴール
「なら、それを一班から順にテーブルの上滑らせて配れ」
六班長・ラムレイ
「ええっ⁉」
エリゴール
「ケースに入ったメモリカード、さすがに投げ渡すのは危険だろ。受け取りそこねて壊したらもったいないし」
六班長・ラムレイ
「どうして元四班長は手渡しをしたがらないんですか?」
エリゴール
「まー、いいから試しにやってみろ」
六班長・ラムレイ
「……一班長! 届かなかったらすいません!」
フィリップス
「うおう! テーブルから落ちないように受け取るほうが大変!」
一班長・ハワード
「俺が取ろうと思ったのに!」
フィリップス
「……失敗したときのことを考えて、あえて俺が取ったんだよ、おとっつぁん」
一班長・ハワード
「そうか。それは有り難いが……挑戦はしてみたかった」
エリゴール
「おー、うまいじゃないか。その調子で十二班まで配れ」
六班長・ラムレイ
「ひいっ!」
九班長・ビショップ
「罰ゲームか?」
八班長・ブロック
「さあ……ただ、左側に座ってる班に配るのはテクニックがいるなとは思うが」
九班長・ビショップ
「バーカウンターみたいな」
六班長・ラムレイ
「じゃあ次、二班長、行きます!」
二班長・キャンベル
「よし、来い!」
七班長・カットナー
「すごいぞ、ラムレイ! もしかしたら、元四班長よりすごいかも!」
六班長・ラムレイ
「こ、これも何かの訓練なんだろうか……」
八班長・ブロック
「とりあえず、特技にはなりそうだ」
エリゴール
「六班、お疲れさん。じゃあ、今度はこっちが六班にお返しする番だ。昨日、六班が欲しいって言ってた、椅子レース五回戦のときの一班の映像と、六班と十一班が一対一で戦ったときの映像。メモリカードにダビングして持ってきてたら六班に渡してやれ。やっぱりテーブルの上滑らせて」
エリゴール以外
「何で⁉」
エリゴール
「六班がそうやって配ったんだから、受け取った側もそうやって返すのが礼儀ってもんだろ」
フィリップス
「いや、元四班長。それ礼儀じゃないから。むしろ失礼だから」
エリゴール
「六班はもうどこかの班から受け取ったか?」
六班長・ラムレイ
「いえ、受け取ってはいませんが、『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』は十一枚コピーしてきました! あと、今日のタイム計測のときの各班の映像と、〝最初から縦〟のエキシビションの映像と……」
八班長・ブロック
「さすが撮影班……ちゃんと全部用意して持ってきてた」
九班長・ビショップ
「昨日の映像、そんなに欲しいのか……」
エリゴール
「じゃあ、班ごとに順番に交換していくぞ。……仕事のできるフィリップス副長。そのへんに油性マジックないか?」
フィリップス
「油性マジック……こんなんでいいか?」
エリゴール
「おお、上等。六班に渡す前に、メモリカードのケースに班番書いてやれ。そのほうがわかりやすいだろ」
フィリップス
「一応、インデックスはつけたが、まあ、そっちのほうが一目でわかるな。……じゃあ六班、うちはまず対十一班戦のメモリカード渡す! ちゃんと届くかどうかわからないが、受け取れい!」
六班長・ラムレイ
「フィリップス副長! ありがとうございます!」
八班長・ブロック
「うまいな。練習でもしたのかな」
九班長・ビショップ
「いつ、何のために?」
エリゴール
「そしたら六班、一班に『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』と今日の映像渡してやれ。もちろんテーブルの上滑らせて」
六班長・ラムレイ
「了解しました! 三枚あるんで続けて滑らせます!」
エリゴール
「その間にマジック回してくから、ケースに班番書いていけ」
五班長・ロング
「絶対、手渡しのほうが早いと思うけどな」
四班長・ワンドレイ
「元四班長の意図がわからない」
五班長・ロング
「意図はわからないが、俺も早く滑らせたい」
四班長・ワンドレイ
「見当違いの方向に滑らせちまうよりも、テーブルの真ん中で止まらせちまうほうが恥だな」
五班長・ロング
「俺はどっちも恥だと思うが」
フィリップス
「おとっつぁん……何なんだろうな、この時間……」
一班長・ハワード
「レクリエーションじゃないか?」
フィリップス
「レク……六班にだけものすごく負担を強いてるレクだな」
一班長・ハワード
「そうか? 俺にはその六班がいちばん楽しんでいるように見えるが」
フィリップス
「そういえばおとっつぁん、今のうちに隣の二班長に、椅子レース五回戦のときのうちの映像ちょうだいって言っといてくれよ」
一班長・ハワード
「それより、六班からもらったほうがよくないか? 六班なら自分で編集もしそうだ」
フィリップス
「……それもそうだな。手紙書いてケース入れて滑らせよう」
一班長・ハワード
「おいおい」
十二班長・ザボエス
「おい、ロノウェ。十一班は六班に渡せる映像ないだろ。そのメモリカードは何なんだ?」
十一班長・ロノウェ
「空カードだ。レラージュが六班と同じ映像欲しいから、これにコピーしてくれるように頼んでくれと俺に押しつけてきた」
十二班長・ザボエス
「……まっとうだな」
十一班長・ロノウェ
「ああ、俺も驚いた。よっぽど昨日のあの映像が欲しいらしい」
十二班長・ザボエス
「〝移動しながら変形・合体〟を極めるつもりか?」
十一班長・ロノウェ
「さあ……とにかく欲しいとしか言わなかったな。あいつが自分から理由を言わなかったってことは言いたくねえんだろうと思って、あえて突っこまなかった」
十二班長・ザボエス
「おまえんとこは本当に、どっちが班長かわかんねえな」
十一班長・ロノウェ
「名ばかりでも、レラージュが俺を班長と呼ぶから班長なんだよ」
十二班長・ザボエス
「……班長いろいろ」
エリゴール
「じゃあ、次に映像交換会。……六班長、十班のメモリカードのコピーは全部終わったか?」
六班長・ラムレイ
「はい、終わりました」
エリゴール
「なら、それを一班から順にテーブルの上滑らせて配れ」
六班長・ラムレイ
「ええっ⁉」
エリゴール
「ケースに入ったメモリカード、さすがに投げ渡すのは危険だろ。受け取りそこねて壊したらもったいないし」
六班長・ラムレイ
「どうして元四班長は手渡しをしたがらないんですか?」
エリゴール
「まー、いいから試しにやってみろ」
六班長・ラムレイ
「……一班長! 届かなかったらすいません!」
フィリップス
「うおう! テーブルから落ちないように受け取るほうが大変!」
一班長・ハワード
「俺が取ろうと思ったのに!」
フィリップス
「……失敗したときのことを考えて、あえて俺が取ったんだよ、おとっつぁん」
一班長・ハワード
「そうか。それは有り難いが……挑戦はしてみたかった」
エリゴール
「おー、うまいじゃないか。その調子で十二班まで配れ」
六班長・ラムレイ
「ひいっ!」
九班長・ビショップ
「罰ゲームか?」
八班長・ブロック
「さあ……ただ、左側に座ってる班に配るのはテクニックがいるなとは思うが」
九班長・ビショップ
「バーカウンターみたいな」
六班長・ラムレイ
「じゃあ次、二班長、行きます!」
二班長・キャンベル
「よし、来い!」
七班長・カットナー
「すごいぞ、ラムレイ! もしかしたら、元四班長よりすごいかも!」
六班長・ラムレイ
「こ、これも何かの訓練なんだろうか……」
八班長・ブロック
「とりあえず、特技にはなりそうだ」
エリゴール
「六班、お疲れさん。じゃあ、今度はこっちが六班にお返しする番だ。昨日、六班が欲しいって言ってた、椅子レース五回戦のときの一班の映像と、六班と十一班が一対一で戦ったときの映像。メモリカードにダビングして持ってきてたら六班に渡してやれ。やっぱりテーブルの上滑らせて」
エリゴール以外
「何で⁉」
エリゴール
「六班がそうやって配ったんだから、受け取った側もそうやって返すのが礼儀ってもんだろ」
フィリップス
「いや、元四班長。それ礼儀じゃないから。むしろ失礼だから」
エリゴール
「六班はもうどこかの班から受け取ったか?」
六班長・ラムレイ
「いえ、受け取ってはいませんが、『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』は十一枚コピーしてきました! あと、今日のタイム計測のときの各班の映像と、〝最初から縦〟のエキシビションの映像と……」
八班長・ブロック
「さすが撮影班……ちゃんと全部用意して持ってきてた」
九班長・ビショップ
「昨日の映像、そんなに欲しいのか……」
エリゴール
「じゃあ、班ごとに順番に交換していくぞ。……仕事のできるフィリップス副長。そのへんに油性マジックないか?」
フィリップス
「油性マジック……こんなんでいいか?」
エリゴール
「おお、上等。六班に渡す前に、メモリカードのケースに班番書いてやれ。そのほうがわかりやすいだろ」
フィリップス
「一応、インデックスはつけたが、まあ、そっちのほうが一目でわかるな。……じゃあ六班、うちはまず対十一班戦のメモリカード渡す! ちゃんと届くかどうかわからないが、受け取れい!」
六班長・ラムレイ
「フィリップス副長! ありがとうございます!」
八班長・ブロック
「うまいな。練習でもしたのかな」
九班長・ビショップ
「いつ、何のために?」
エリゴール
「そしたら六班、一班に『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』と今日の映像渡してやれ。もちろんテーブルの上滑らせて」
六班長・ラムレイ
「了解しました! 三枚あるんで続けて滑らせます!」
エリゴール
「その間にマジック回してくから、ケースに班番書いていけ」
五班長・ロング
「絶対、手渡しのほうが早いと思うけどな」
四班長・ワンドレイ
「元四班長の意図がわからない」
五班長・ロング
「意図はわからないが、俺も早く滑らせたい」
四班長・ワンドレイ
「見当違いの方向に滑らせちまうよりも、テーブルの真ん中で止まらせちまうほうが恥だな」
五班長・ロング
「俺はどっちも恥だと思うが」
フィリップス
「おとっつぁん……何なんだろうな、この時間……」
一班長・ハワード
「レクリエーションじゃないか?」
フィリップス
「レク……六班にだけものすごく負担を強いてるレクだな」
一班長・ハワード
「そうか? 俺にはその六班がいちばん楽しんでいるように見えるが」
フィリップス
「そういえばおとっつぁん、今のうちに隣の二班長に、椅子レース五回戦のときのうちの映像ちょうだいって言っといてくれよ」
一班長・ハワード
「それより、六班からもらったほうがよくないか? 六班なら自分で編集もしそうだ」
フィリップス
「……それもそうだな。手紙書いてケース入れて滑らせよう」
一班長・ハワード
「おいおい」
十二班長・ザボエス
「おい、ロノウェ。十一班は六班に渡せる映像ないだろ。そのメモリカードは何なんだ?」
十一班長・ロノウェ
「空カードだ。レラージュが六班と同じ映像欲しいから、これにコピーしてくれるように頼んでくれと俺に押しつけてきた」
十二班長・ザボエス
「……まっとうだな」
十一班長・ロノウェ
「ああ、俺も驚いた。よっぽど昨日のあの映像が欲しいらしい」
十二班長・ザボエス
「〝移動しながら変形・合体〟を極めるつもりか?」
十一班長・ロノウェ
「さあ……とにかく欲しいとしか言わなかったな。あいつが自分から理由を言わなかったってことは言いたくねえんだろうと思って、あえて突っこまなかった」
十二班長・ザボエス
「おまえんとこは本当に、どっちが班長かわかんねえな」
十一班長・ロノウェ
「名ばかりでも、レラージュが俺を班長と呼ぶから班長なんだよ」
十二班長・ザボエス
「……班長いろいろ」
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
僕の選んだバレンタインチョコレートはその当日に二つに増えた
光城 朱純
BL
毎年大量にバレンタインチョコレートをもらってくる彼に、今年こそ僕もチョコレートを渡そう。
バレンタイン当日、熱出して寝込んでしまった僕は、やはり今年も渡すのを諦めようと思う。
僕を心配して枕元に座り込んだ彼から渡されたのはーーー。
エブリスタでも公開中です。
無冠の皇帝
有喜多亜里
BL
「連邦」、「連合」に次ぐ銀河系内の第三勢力「帝国」。その宗主であった「連合」五星系の一つザイン星系は「帝国」の再植民地化をもくろみ侵攻しようとするも「帝国」宇宙軍と皇帝軍護衛艦隊に阻まれる。「帝国」の元皇太子アーウィンが司令官を務める皇帝軍護衛艦隊の鉄則はただ一つ。〝全艦殲滅〟。――なーんて感じの「なんちゃってSF」。コメディ寄りのボーイズラブ(自称)。大佐(変態だけどまとも)×元皇太子(ツンデレストーカー)。
◆BOOTH様で同人誌を通販しています。既刊4冊(https://aarikita.booth.pm/)。
◆表紙はかんたん表紙メーカー様で作成いたしました。ありがとうございました(2023/03/16)。
◆「第11回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました。ありがとうございました。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる