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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
173【交換ついでに合同演習編78】訓練二日目:延長戦終了
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エリゴール
『というわけで、〝レフト〟が全滅、〝ライト〟の〝護衛隊〟が八隻だけ生き残ったので、延長戦は〝ライト〟の勝ちで終了、この対抗戦の勝利者は〝ライト〟ということになった。〝飴ちゃん〟は最初の約束どおり、〝ライト〟全班に五個ずつ進呈する』
フィリップス
「く……悔しい! 十一班の班長艦と副班長艦は落とせたのに……!」
一班長・ハワード
「さすが〝護衛隊〟……いや、十一班だな。まさか、あんな勝ち方があったとは……やっぱり俺たちは元四班長がいないと〝あと少し〟だな」
フィリップス
「あの役立たずの十二班が全滅されてなかったら、もしかしたら勝てたんだろうか……」
一班長・ハワード
「さあ……どうだろうな。いずれにしろ、十二班は確実に〝飴ちゃん〟はもらえないな」
フィリップス
「一生もらえずにいろ、あの役立たず」
エリゴール
『それでは、これで今日の訓練は終了だ。俺は〝三班長〟から〝元四班長〟に戻る。基地に帰ったら、〝飴ちゃん〟進呈と、映像交換会と、明日の演習の最終打ち合わせをするから、各班長はミーティング室にすみやかに集合。映像は時間の都合上、編集はいっさいしなくてよし。メモリカードにダビングして持参してもらいたいが、もしメモリカードがなかったら、今、六班に送信してしまえ。六班ならきっと売るほどメモリカードを常備している』
六班長・ラムレイ
「な、なぜわかったんだ! 元四班長!」
六班・クルーA
「いや、元四班長じゃなくても、みんな想像はついてたと思いますけど」
六班長・ラムレイ
「でも、三班と〝先生〟の映像の編集だけはこっそりする! 〝先生〟! あなたのおかげで我々は勝利できました! やはりあなたは〝先生〟です! たとえ嫌われてもずっとお慕いつづけます!」
六班・クルーA
「班長……ストーカー宣言?」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「やった! 〝飴ちゃん〟五個ゲットだ! あと二個ゲットできれば、各艦一個ずつ〝飴ちゃん〟配れる!」
レラージュ
「各艦一個ずつ配って……その先はどうするんですか?」
ロノウェ
「その先は各艦長にまかせる。とりあえず、うちはジャンケン大会!」
レラージュ
「そうですか。俺はどうでもいいですけど。俺には〝飴ちゃん〟そのものより、〝飴ちゃん〟をもらえる権利を得たことのほうがずっと嬉しいです。今日のは敢闘賞じゃなくて、ちゃんと勝利してもらえる〝飴ちゃん〟です!」
ロノウェ
「おまえ……一言でもいいから班員褒めてやって……」
レラージュ
「褒めるかわりに、待機室に開きを投げこむのをやめます」
クルーたち(ロノウェ含む)
「えっ!?」
レラージュ
「……開き、投げこんでもらいたかったんですか。班長も」
ロノウェ
「どの開きにしようかと、もう頭ん中で考えてた……」
レラージュ
「自分で好きなの買って食べてください。ちなみに俺は魚嫌いです」
***
【パラディン大佐隊・第十班第一号ブリッジ】
十班長・ヒールド
「フィリップス副長の言うとおりだった……うちにはやっぱり〝飴ちゃん〟運がなかった……」
副長・ジョンスン
「いや、でもまだ、手間賃という望みが……」
ヒールド
「それ以上に、レラージュ副長運も……」
ジョンスン
「ああ……それはないかもしれないな……付き合い方を考えさせてもらうって言ってたもんな……」
ヒールド
「せめて一言くらい、レラージュ副長と直接話したかった……!」
***
【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】
副長補佐
「元四班長! 今日は本当にありがとうございました! 俺たちにとっては、夢のような一日でした!」
エリゴール
「そうか。最後の延長戦は、十班がもう全滅させられてて残念だったな」
副長補佐
「いえ、俺たちの〝縦走り〟が遅かったせいですから! これからもっと練習を重ねて速くします!」
エリゴール
「ついでに〝開き〟もな。〝移動しながら縦〟はあえて練習する必要はないぞ」
副長補佐
「え? それがいちばんやりたかったのに」
三班長・プライス
「元四班長……」
エリゴール
「ああ、三班長。〝今日だけ副長〟になった感想は?」
プライス
「感想というか……今日のどこが〝ペナルティ〟だったんだ? うちにとってはいいことしかなかったような気がするが……」
エリゴール
「……三班長。ちょっと食堂まで来てくれ。話がある」
プライス
「あ、ああ……?」
エリゴール
「三班長。あんたにとっては、今日のは〝ペナルティ〟にはならなかったか?」
プライス
「俺?」
エリゴール
「普通、班長だったら、部外者に自分の班をいいように動かされてたら、腹が立つと思うんだがな」
プライス
「それは……最初は確かに腹が立ったが、すぐに納得した。やっぱり、俺は班長の器じゃなかった。俺が班長に任命されたのは、何かの間違いだった」
エリゴール
「……三班長。あんたがそんなふうに自分のことを思ってるから、この班は〝班長不在〟状態でまとまれなかったんだ。器だろうがそうじゃなかろうが、この班に班長はあんた一人しかいない。その班長が自己否定してたら、班員はいったい誰を頼ればいい?」
プライス
「元四班長……」
エリゴール
「どうしても班長職が重荷にしか思えないんだったら、一班長を通して大佐に解任してもらえ。ただし、明日・明後日の演習だけは、班長の自覚をもってやりぬけよ。あとで悔いが残らないように」
プライス
「悔い?」
エリゴール
「一度自分から班長を辞めたら、まず班長には戻れない。役職上は戻れても、班員はもうついてこない。そんな無責任な班長、いったい誰が支持する? 少なくとも、俺はごめんだ」
***
【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】
四班長・ワンドレイ
「チームとしては勝ったが、猛烈な敗北感が……!」
副長
「結局、三班を越えることは、最後までできませんでしたからね」
ワンドレイ
「次の実戦では三班は留守番だが、その次は……危ない!」
副長
「その前に、元四班長が〝ペナルティ〟でうちに来てくれれば……」
ワンドレイ
「どうして元四班長に頼ろうとするんだ!」
副長
「え、だって今日の三班を見てたらやっぱり……ねえ」
ワンドレイ
「うう……明日は必ず三班を撃ち落とす!」
副長
「逆恨みしないでくださいよ。今日うちを全滅させたのは、八班と一班ですよ」
ワンドレイ
「そうか、明日は八班も『連合』役だ!」
副長
「……次の次の実戦では、うちが留守番になりますよ。きっと」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「フィリップス副長の罵倒はいいなあ。レラージュよりも小気味よくて」
ヴァッサゴ
「おまえ……あんなにこだわってた〝飴ちゃん〟は?」
ザボエス
「あの罵倒には〝飴ちゃん〟五個分以上の価値があった」
ヴァッサゴ
「おまえの価値観って……!」
『というわけで、〝レフト〟が全滅、〝ライト〟の〝護衛隊〟が八隻だけ生き残ったので、延長戦は〝ライト〟の勝ちで終了、この対抗戦の勝利者は〝ライト〟ということになった。〝飴ちゃん〟は最初の約束どおり、〝ライト〟全班に五個ずつ進呈する』
フィリップス
「く……悔しい! 十一班の班長艦と副班長艦は落とせたのに……!」
一班長・ハワード
「さすが〝護衛隊〟……いや、十一班だな。まさか、あんな勝ち方があったとは……やっぱり俺たちは元四班長がいないと〝あと少し〟だな」
フィリップス
「あの役立たずの十二班が全滅されてなかったら、もしかしたら勝てたんだろうか……」
一班長・ハワード
「さあ……どうだろうな。いずれにしろ、十二班は確実に〝飴ちゃん〟はもらえないな」
フィリップス
「一生もらえずにいろ、あの役立たず」
エリゴール
『それでは、これで今日の訓練は終了だ。俺は〝三班長〟から〝元四班長〟に戻る。基地に帰ったら、〝飴ちゃん〟進呈と、映像交換会と、明日の演習の最終打ち合わせをするから、各班長はミーティング室にすみやかに集合。映像は時間の都合上、編集はいっさいしなくてよし。メモリカードにダビングして持参してもらいたいが、もしメモリカードがなかったら、今、六班に送信してしまえ。六班ならきっと売るほどメモリカードを常備している』
六班長・ラムレイ
「な、なぜわかったんだ! 元四班長!」
六班・クルーA
「いや、元四班長じゃなくても、みんな想像はついてたと思いますけど」
六班長・ラムレイ
「でも、三班と〝先生〟の映像の編集だけはこっそりする! 〝先生〟! あなたのおかげで我々は勝利できました! やはりあなたは〝先生〟です! たとえ嫌われてもずっとお慕いつづけます!」
六班・クルーA
「班長……ストーカー宣言?」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「やった! 〝飴ちゃん〟五個ゲットだ! あと二個ゲットできれば、各艦一個ずつ〝飴ちゃん〟配れる!」
レラージュ
「各艦一個ずつ配って……その先はどうするんですか?」
ロノウェ
「その先は各艦長にまかせる。とりあえず、うちはジャンケン大会!」
レラージュ
「そうですか。俺はどうでもいいですけど。俺には〝飴ちゃん〟そのものより、〝飴ちゃん〟をもらえる権利を得たことのほうがずっと嬉しいです。今日のは敢闘賞じゃなくて、ちゃんと勝利してもらえる〝飴ちゃん〟です!」
ロノウェ
「おまえ……一言でもいいから班員褒めてやって……」
レラージュ
「褒めるかわりに、待機室に開きを投げこむのをやめます」
クルーたち(ロノウェ含む)
「えっ!?」
レラージュ
「……開き、投げこんでもらいたかったんですか。班長も」
ロノウェ
「どの開きにしようかと、もう頭ん中で考えてた……」
レラージュ
「自分で好きなの買って食べてください。ちなみに俺は魚嫌いです」
***
【パラディン大佐隊・第十班第一号ブリッジ】
十班長・ヒールド
「フィリップス副長の言うとおりだった……うちにはやっぱり〝飴ちゃん〟運がなかった……」
副長・ジョンスン
「いや、でもまだ、手間賃という望みが……」
ヒールド
「それ以上に、レラージュ副長運も……」
ジョンスン
「ああ……それはないかもしれないな……付き合い方を考えさせてもらうって言ってたもんな……」
ヒールド
「せめて一言くらい、レラージュ副長と直接話したかった……!」
***
【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】
副長補佐
「元四班長! 今日は本当にありがとうございました! 俺たちにとっては、夢のような一日でした!」
エリゴール
「そうか。最後の延長戦は、十班がもう全滅させられてて残念だったな」
副長補佐
「いえ、俺たちの〝縦走り〟が遅かったせいですから! これからもっと練習を重ねて速くします!」
エリゴール
「ついでに〝開き〟もな。〝移動しながら縦〟はあえて練習する必要はないぞ」
副長補佐
「え? それがいちばんやりたかったのに」
三班長・プライス
「元四班長……」
エリゴール
「ああ、三班長。〝今日だけ副長〟になった感想は?」
プライス
「感想というか……今日のどこが〝ペナルティ〟だったんだ? うちにとってはいいことしかなかったような気がするが……」
エリゴール
「……三班長。ちょっと食堂まで来てくれ。話がある」
プライス
「あ、ああ……?」
エリゴール
「三班長。あんたにとっては、今日のは〝ペナルティ〟にはならなかったか?」
プライス
「俺?」
エリゴール
「普通、班長だったら、部外者に自分の班をいいように動かされてたら、腹が立つと思うんだがな」
プライス
「それは……最初は確かに腹が立ったが、すぐに納得した。やっぱり、俺は班長の器じゃなかった。俺が班長に任命されたのは、何かの間違いだった」
エリゴール
「……三班長。あんたがそんなふうに自分のことを思ってるから、この班は〝班長不在〟状態でまとまれなかったんだ。器だろうがそうじゃなかろうが、この班に班長はあんた一人しかいない。その班長が自己否定してたら、班員はいったい誰を頼ればいい?」
プライス
「元四班長……」
エリゴール
「どうしても班長職が重荷にしか思えないんだったら、一班長を通して大佐に解任してもらえ。ただし、明日・明後日の演習だけは、班長の自覚をもってやりぬけよ。あとで悔いが残らないように」
プライス
「悔い?」
エリゴール
「一度自分から班長を辞めたら、まず班長には戻れない。役職上は戻れても、班員はもうついてこない。そんな無責任な班長、いったい誰が支持する? 少なくとも、俺はごめんだ」
***
【パラディン大佐隊・第四班第一号ブリッジ】
四班長・ワンドレイ
「チームとしては勝ったが、猛烈な敗北感が……!」
副長
「結局、三班を越えることは、最後までできませんでしたからね」
ワンドレイ
「次の実戦では三班は留守番だが、その次は……危ない!」
副長
「その前に、元四班長が〝ペナルティ〟でうちに来てくれれば……」
ワンドレイ
「どうして元四班長に頼ろうとするんだ!」
副長
「え、だって今日の三班を見てたらやっぱり……ねえ」
ワンドレイ
「うう……明日は必ず三班を撃ち落とす!」
副長
「逆恨みしないでくださいよ。今日うちを全滅させたのは、八班と一班ですよ」
ワンドレイ
「そうか、明日は八班も『連合』役だ!」
副長
「……次の次の実戦では、うちが留守番になりますよ。きっと」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ザボエス
「フィリップス副長の罵倒はいいなあ。レラージュよりも小気味よくて」
ヴァッサゴ
「おまえ……あんなにこだわってた〝飴ちゃん〟は?」
ザボエス
「あの罵倒には〝飴ちゃん〟五個分以上の価値があった」
ヴァッサゴ
「おまえの価値観って……!」
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