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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

165【交換ついでに合同演習編70】訓練二日目:ライト作戦会議2

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【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

レラージュ
「班長。班の並びは前半と同じにしますが、両翼は横置きにします。それと、今度はうちが〝護衛隊〟をするので、六班には前半うちがいた配置についてもらいます。……と〝ライト〟全班に伝えてください」

ロノウェ
「……何でおまえが自分で言わないんだよ」

レラージュ
「面倒くさいです」

ロノウェ
「何もしないで〝飴ちゃん〟三個もらえるチャンス、おまえが潰したくせに!」

レラージュ
「あんな形でもらえた〝飴ちゃん〟三個にいったい何の価値がありますか」

ロノウェ
「どんな形だろうと〝飴ちゃん〟は〝飴ちゃん〟だ!」

レラージュ
「……今、班長にも開きを投げつけたくなりました」

ロノウェ
「いいぜ! いくらでも投げつけろ! 俺は魚好きだ!」

クルーA
「班長! 副長! 作戦タイム、十五分しかありませんから、もう各班に連絡して配置につかせないと!」

クルーB
「……ケンカなんだかコミュニケーションなんだかわかんねえなあ……」

クルーA
「わかんねえほうが幸せだ……」

ゲアプ
(本当に癒やされるなあ……班長と副長の痴話ゲンカ)

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

六班長・ラムレイ
「〝先生〟! 後半では俺たちの期待どおり〝護衛隊〟を撃ってくれた上、さっきは加勢してくれてありがとうございました! でも……通信は〝先生〟から直接もらいたかったです……!」

クルーA
「人見知りだから……」

副長
「ということにしておこう」

ラムレイ
「うおお、〝レフト〟の〝魚〟、全部撃ち落としてやる! 特に一班!」

副長
「八つ当たりだ」

クルーB
「〝先生〟に〝護衛隊〟やめさせられたショックも入ってる」

クルーA
「もしかしたら、今日の班長会議で会えるかもしれないから、班長、ガンバ」

 ***

【パラディン大佐隊・第九班第一号ブリッジ】 

九班長・ビショップ
「結局、横からでも〝魚〟は撃ちにくかったな」

副長
「やっぱり〝卑怯撃ち〟がいちばん……」

ビショップ
「〝魚〟でなくてもそれがいちばん……」

 ***

【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】

エリゴール
「ほう。六班と十一班入れ替えて、両翼は横置きか。オーソドックスになったな」

副長補佐
「班長! 今度はうちはどうするんですか?」

エリゴール
「うん? もちろんこっちに向かってくる〝魚〟を撃つ」

副長補佐
「その後は?」

エリゴール
「護衛隊形を縦に走らせて〝魚〟を撃つ」

副長補佐
「ええっ! 横ではなく!?」

エリゴール
「〝魚〟を真後ろから撃つためだ。副班長隊と分離すれば、〝半身〟を二枚撃てる」

副長補佐
「でも、副班長隊と分離したら、もう護衛隊形とは言えなくなるのでは?」

エリゴール
「名前さえついていなければ、存在していないことになる。さらに、訓練終了直前にこっそり元の護衛隊形に戻ってしまえば、分離していなかったことになる」

クルーたち
「なるほどー」

副長・プライス
「今日だけ三班長……うちの奴らに何を吹きこんで……」

副長補佐
「生きるための知恵ですよ、今日だけ副長」

プライス
「あれは知恵というより悪知恵……」

副長補佐
「上に〝悪〟がついても、知恵には違いありません」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

ハワード
「今、元四班長から『もういいよ』と連絡があった」

十二班長・ザボエス
『やっぱりそれかい』

フィリップス
「こっちも号令はやっぱりあれかい」

十二班長・ザボエス
『じゃあ、今度は中央で華々しく散る予定の〝無旋回〟に言ってもらえ』

八班長・ブロック
『いろんな意味で、ええっ!?』

フィリップス
「よかったな、〝無旋回〟。こんな機会、この先もう一生ないぞ」

八班長・ブロック
『一生ものですか……なら〝一、二、三、たくさん!〟で』

フィリップス・二班長・五班長・十班長・十二班長
『何じゃそりゃあ!?』

八班長・ブロック
『そんな、みんなでいっぺんに言わなくても……』

五班長・ロング
「まあ、一生ものだから……一生に一回だけ言わせてやろう」

十二班長・ザボエス
『ああ、一回だけな。二回目には殴る』

八班長・ブロック
『じゃあ、行きます! ……〝一、二、三、たくさん!〟』

フィリップス
「六班の〝突進〟より意味わかんねえーっ!」

十二班長・ザボエス
『〝無旋回〟! おまえはこの先一生〝無旋回〟だ!』
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