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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

157【交換ついでに合同演習編62】訓練二日目:後半戦・ライト〝魚〟

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【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

十班長・ヒールド
『たぶん今夜、俺は九班と七班に追われる夢を見てうなされると思います……』

十二班長・ザボエス
『きっと六班も、一班に〝元四班長撃ち〟される夢見てうなされるだろうよ』

フィリップス
「そう言う十二班は、十一班に〝元四班長撃ち〟なんかしてよかったのか?」

十二班長・ザボエス
『よくはねえが、今は後のことはあえて考えねえようにしてる』

フィリップス
「同じ〝護衛隊〟を〝元四班長撃ち〟してまで〝飴ちゃん〟が欲しいのか?」

十二班長・ザボエス
『同じ〝護衛隊〟だから、向こうがもらっててこっちがゼロだと余計欲しいんだよ!』

ハワード
「まあ……気持ちはわかる」

フィリップス
『前半は、五班と〝無旋回〟が突破できずに全滅したのが予想外だったな』

八班長・ブロック
『提案しといて全滅させられちゃって、どうもすいません』

五班長・ロング
『こっちは十二班が無傷だったのが大予想外だ!』

フィリップス
「結論。〝魚〟で〝盾〟は無理。そして無駄」

十二班長・ザボエス
『でも、中央が複数だったら、もっと突破はできたと思うんだよな。中央が十一班だけだってわかった時点で、二班と十班も〝壁〟の外側行かせるべきだったかもしれねえ。いずれにしろ、九班と七班には追われることになってたと思うが』

二班長・十班長
『ひいっ!』

フィリップス
「いや、それを言うなら、そもそも中央突破なんかする必要なかっただろ。最初からみんな〝壁〟を迂回していけばいい」

十二班長・ザボエス
『そしたら、今度は全艦反転されて撃たれるだけだろうが』

フィリップス
「あ、そうか。だったら、〝ライト〟は俺たちの陣形見たら、〝壁〟のどちら側を飛んでいこうとするかね?」

十二班長・ザボエス
『やっぱり、俺らと同じだろ。〝壁〟の外側と内側を飛んでいく』

フィリップス
「じゃあ、俺たちは護衛隊形で〝縦走り〟しながら両側いっぺんに砲撃しなきゃならないのか? ……できるのか?」

十二班長・ザボエス
『縦走り……まあいいか。理論上はできるはずだが、もし撃ち落としそこねた軍艦ふねが出たら、そいつらに〝元四班長撃ち〟されないように必死で逃げろ』

ハワード
「結局、それしか対策はないのか」

十二班長・ザボエス
『〝護衛隊〟のほうはな。でも〝砲撃隊〟のほうは、さっき〝今日だけ三班長〟がヒントをくれた。ただ、その〝今日だけ三班長〟が今度はどう動くかな。それだけが不安材料だ』

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

六班長・ラムレイ
「皆さん! 本当に申し訳ありませんでしたあああ!」

四班長・ワンドレイ
『いや……おまえたちはよく逃げた……ただ……』

エリゴール
『謝罪と反省会は基地に戻ってからしろ。今、〝レフト〟から〝もういいよ〟と連絡があった。うちも早く隊列組んで、とっとと出撃するぞ。出撃の合図は十一班にまかせる。隊列の速度もな。みんな、十一班に合わせろ』

十一班長・ロノウェ
『ええっ!? 俺らっ!?』

ラムレイ
「……もしかして、俺は今、元四班長に救われたんだろうか」

クルーA
「何か、海に突き落とされてから、浮き輪投げられて救助されたような感じしますけどね……」
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