寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

147【交換ついでに合同演習編52】訓練二日目:元祖一班

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【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】

エリゴール
『一班・六班のタイム計測をするまでもなく、明日の演習では〝最初から縦〟とすでに決定したが、この二班がどうしても自分たちもタイム計測をしてもらいたいと言うので、みんな、我慢して付き合ってやってくれ』

八班長・ブロック
「あ、もう決定したんだ」

副長・ウィルスン
「そりゃ、二班・四班・五班が〝移動しながら縦〟部門を棄権した時点で決定だろ」

ブロック
「一班の夢が一つ潰えたな」

エリゴール
『一班・六班も、一巡目〝最初から縦〟、二巡目〝移動しながら縦〟だ。四班はもう配置についている。六班、撮影準備。一班、スタートラインにつけ』

ブロック
「さくさく進行するなあ、元四班長」

ウィルスン
「早く終わらせたいんだろう。もう〝最初から縦〟って決定したし」

ブロック
「一班と六班の〝変形マニア〟対決か」

ウィルスン
「一概に違うとも言いきれない」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

フィリップス
「くっ、やっぱり〝最初から縦〟にされてしまった!」

ハワード
「まあ……今回は仕方ないな。各班の配置は替えられない以上、妥協するしかない」

フィリップス
「しかし! 六班だけには勝つ!」

ハワード
「ああ! 六班だけにはな! 〝元祖〟の意地にかけて、六班だけには負けられない!」

フィリップス
「実戦でこれができなかった俺たちの悔しさを思い知らせてやる!」

 ***

【パラディン大佐隊・第八班第一号ブリッジ】

副長・ウィルスン
「うおお! はええ!」

八班長・ブロック
「さすが、何度も練習してるだけあって、コース取りも完璧だ!」

ウィルスン
「班長隊と副班長隊の旋回も半端なく速い! 班長隊はもう全艦砲撃態勢になってる!」

ブロック
「〝元祖〟一班の意地……!」

 ***

【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】

六班長・ラムレイ
「くそう、一班! 配置につくまではともかく、〝開き〟のスピードがめちゃくちゃ速い! 副班長隊が旋回しきる前に、班長隊は砲撃できる態勢になっている!」

副長
「班長……」

ラムレイ
「悔しいが、〝開き〟の完成度では一班のほうが上だ。俺たちは配置につくスピードでその分稼ぐしかない。その前に、今の一班、何位に食いこんだ?」

四班長・ワンドレイ
『一班のただいまのタイム。二分五十八秒〇三。現在暫定一位』

ラムレイ
「せ……〝先生〟が抜かれた……!?」

クルーA
「やはり、コース取りでタイムロスが……」

副長
「それより、十一班が今、たぶん地獄……」

ラムレイ
「でも、これで俺たちが撮った映像は〝先生〟に歓迎されるな!」

クルーA
「班長……そんな眩しい笑顔で……」

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

レラージュ
「さあて。これで六班にも抜かれたら、本当にどうしてくれてやりましょうかねえ」

ロノウェ
「……魚の開き、大量に買ってきて、各待機室に投げこんでやれ」

レラージュ
「いいですね、それ。もちろん、床に落ちた開きは洗わないでそのまま食す」

クルーたち(ゲアプ含む)
「ひいいっ!」
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