112 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
94【合流編13】朝の反省会プラス1
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・ミーティング室】
一班長・ハワード
「みんな、昨日はお疲れさん。明日はとうとう出撃だ。さすがに大佐ももう訓練や演習はしないだろう。……たぶん」
フィリップス
「でも、油断はできない。だって、大佐だもの」
七班長・カットナー
「元四班長! 今回は〝飴ちゃん〟はないんですか!」
五班長・ロング
「……ものすごく不本意だが、何のためらいもなくそう訊ける、おまえを時々尊敬したくなる」
エリゴール
「〝飴ちゃん〟か。やれるとしたら、十二班くらいだな」
四班長・ワンドレイ
「それはそうだ」
五班長・ロング
「俺たちの〝ファイアー・ウォール〟かわして、〈オートクレール〉の射程圏内に突入したからな。自分たちはまったく砲撃せずに」
二班長・キャンベル
「本当に、同じ〝留守番〟でも雲泥の差ですよね」
二班長・三班長以外の班長たち
(うわぁ……俺たちが思っていても言えなかったことを名前を出さずに言ったぁ……)
フィリップス
「二班長……やっぱり……」
三班長・プライス
「うう……何も言えない……!」
エリゴール
「しかし、見てのとおり、今ここに十二班はいない。よって、〝飴ちゃん〟も渡せない」
エリゴール以外
「ええっ!?」
フィリップス
「いや、元四班長。今じゃなくても、会ったときに渡せば」
エリゴール
「渡したいときに渡せなかったら渡したくない」
一班長・ハワード
「元四班長。……最初から渡す気、まるでないな?」
エリゴール
「なお、この件を十二班に漏らした班には、この先未来永劫〝飴ちゃん〟はやらないのでそのつもりで」
エリゴール以外
「了解いたしました!」
六班長・ラムレイ
「あの……元四班長!」
エリゴール
「何だ、六班長。やっぱり十二班に〝飴ちゃん〟をやりたいか?」
六班長・ラムレイ
「いえ、そんな気持ちはまったくありません! 実は昨日、一班に依頼されて〝椅子〟の撮影をしたんですが、ぜひみんなに見てもらいたいと思いまして!」
エリゴール
「ああ、そういやそんなことを、フィリップス副長が言っていたな」
フィリップス
「しまった。依頼しといてすっかり忘れてた」
一班長・ハワード
「だから六班が不安になって、今、元四班長に申し出たんだろう」
フィリップス
「いや、〝飴ちゃん〟目当てじゃないか?」
一班長・ハワード
「自分で依頼しておいてよく言うな」
エリゴール
「そうか。じゃあ、見よう。どうせなら、この巨大ディスプレイで」
六班長・ラムレイ
「ありがとうございます! 光栄です!」
フィリップス
「そこ使うの、元四班長提供の護衛隊形動画見たとき以来だな」
一班長・ハワード
「コールタン大佐がくれたとかいう、使用前・使用後みたいなあれか」
フィリップス
「あれで二日後にはできるようにしろって、本当にサドな〝大佐〟だよな」
一班長・ハワード
「十一班長たちには訊いたことがないが、パラディン大佐はどうだったんだろうな……」
フィリップス
「さあ……コールタン大佐よりはましだったんじゃないかと思いたいけど、部下に指導を丸投げしたのかもな……」
エリゴール
「すまないが、〝おとっつぁん〟。今から映すから、こっちに移動してくれ」
一班長・ハワード
「ああ、了解」
フィリップス
「……空中ディスプレイもあるけど、実際のところ、使わないよな」
一班長・ハワード
「向こう側が透けて見えて、見づらいからな」
フィリップス
「空中タッチパネルも、結局のところ、使わないよな」
一班長・ハワード
「空中に腕を上げたままにしておくの、結構しんどいからな」
フィリップス
「技術の進歩に人間の体がついていけない現実……」
一班長・ハワード
「夢がないな」
七班長・カットナー
「おまえ、またタイトルつけたのか! それも『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』って……ホラーか!」
八班長・ブロック
「でも、内容的に間違っていない気がする」
九班長・ビショップ
「ああ。むしろ、前回よりわかりやすくていい」
十班長・ヒールド
「やっぱり、編集はしてあるんだな」
九班長・ビショップ
「それはもう、六班なら当たり前」
七班長・カットナー
「おまけに、今回はBGMまでつけてる! やっぱりホラーっぽいの!」
六班長・ラムレイ
「今回は時間的に余裕があったから」
八班長・ブロック
「でも、どうやって移動隊形から〝椅子〟に移行したのかはわからない……」
六班長・ラムレイ
「すまない! 十一班のスタートダッシュが速すぎて、間に合わなかったんだ!」
八班長・ブロック
「確かに、あれは速かった……」
七班長・カットナー
「俺たちと足並みそろえる気は微塵もなかったな」
八班長・ブロック
「こうして見ると、本当に十二班すごいな……」
九班長・ビショップ
「『連合』役なのに、思わず応援したくなるよな」
七班長・カットナー
「うわ……〈オートクレール〉の一方的な虐殺が始まった……」
八班長・ブロック
「こうして見ると、本当に〈オートクレール〉ひどいな……」
九班長・ビショップ
「十一班も容赦ないが、それ以上に〈オートクレール〉がえげつない……まさに〝〈オートクレール〉の恐怖〟……!」
五班長・ロング
「確かに、味方ながら怖すぎる……」
四班長・ワンドレイ
「俺たち、〝一班組〟でよかったな……」
エリゴール
「……六班長。これ、コピーもらえるか?」
六班長・ラムレイ
「はい! 喜んで!」
フィリップス
「案の定、元四班長が欲しがった!」
一班長・ハワード
「もしかして、こういう映像が好きなのか?」
エリゴール
「ただし、今回のメインである〝椅子〟の変形は撮れていないから、〝飴ちゃん〟はなしだ」
六班長・ラムレイ
「元四班長のおっしゃるとおりです! なので、タイトルも『火を噴く椅子』にできませんでした!」
八班長・ブロック
「そのタイトルはやめておいてよかった」
九班長・ビショップ
「スタートダッシュについていけなかったのが幸いしたな」
エリゴール
「あと、BGMもつけなくていい。画と合ってないから」
六班長・ラムレイ
「え! そっちに駄目出し!?」
フィリップス
「元四班長、動画には厳しいな……」
一班長・ハワード
「何にせよ、十二班も六班も〝飴ちゃん〟なしでよかった」
フィリップス
「いや、十二班にはあげてもいいだろ。……やっぱり、自分を追い出した〝護衛隊〟にはやりたくないのか……」
一班長・ハワード
「それ、もう〝嘘から出た実〟になってるな」
一班長・ハワード
「みんな、昨日はお疲れさん。明日はとうとう出撃だ。さすがに大佐ももう訓練や演習はしないだろう。……たぶん」
フィリップス
「でも、油断はできない。だって、大佐だもの」
七班長・カットナー
「元四班長! 今回は〝飴ちゃん〟はないんですか!」
五班長・ロング
「……ものすごく不本意だが、何のためらいもなくそう訊ける、おまえを時々尊敬したくなる」
エリゴール
「〝飴ちゃん〟か。やれるとしたら、十二班くらいだな」
四班長・ワンドレイ
「それはそうだ」
五班長・ロング
「俺たちの〝ファイアー・ウォール〟かわして、〈オートクレール〉の射程圏内に突入したからな。自分たちはまったく砲撃せずに」
二班長・キャンベル
「本当に、同じ〝留守番〟でも雲泥の差ですよね」
二班長・三班長以外の班長たち
(うわぁ……俺たちが思っていても言えなかったことを名前を出さずに言ったぁ……)
フィリップス
「二班長……やっぱり……」
三班長・プライス
「うう……何も言えない……!」
エリゴール
「しかし、見てのとおり、今ここに十二班はいない。よって、〝飴ちゃん〟も渡せない」
エリゴール以外
「ええっ!?」
フィリップス
「いや、元四班長。今じゃなくても、会ったときに渡せば」
エリゴール
「渡したいときに渡せなかったら渡したくない」
一班長・ハワード
「元四班長。……最初から渡す気、まるでないな?」
エリゴール
「なお、この件を十二班に漏らした班には、この先未来永劫〝飴ちゃん〟はやらないのでそのつもりで」
エリゴール以外
「了解いたしました!」
六班長・ラムレイ
「あの……元四班長!」
エリゴール
「何だ、六班長。やっぱり十二班に〝飴ちゃん〟をやりたいか?」
六班長・ラムレイ
「いえ、そんな気持ちはまったくありません! 実は昨日、一班に依頼されて〝椅子〟の撮影をしたんですが、ぜひみんなに見てもらいたいと思いまして!」
エリゴール
「ああ、そういやそんなことを、フィリップス副長が言っていたな」
フィリップス
「しまった。依頼しといてすっかり忘れてた」
一班長・ハワード
「だから六班が不安になって、今、元四班長に申し出たんだろう」
フィリップス
「いや、〝飴ちゃん〟目当てじゃないか?」
一班長・ハワード
「自分で依頼しておいてよく言うな」
エリゴール
「そうか。じゃあ、見よう。どうせなら、この巨大ディスプレイで」
六班長・ラムレイ
「ありがとうございます! 光栄です!」
フィリップス
「そこ使うの、元四班長提供の護衛隊形動画見たとき以来だな」
一班長・ハワード
「コールタン大佐がくれたとかいう、使用前・使用後みたいなあれか」
フィリップス
「あれで二日後にはできるようにしろって、本当にサドな〝大佐〟だよな」
一班長・ハワード
「十一班長たちには訊いたことがないが、パラディン大佐はどうだったんだろうな……」
フィリップス
「さあ……コールタン大佐よりはましだったんじゃないかと思いたいけど、部下に指導を丸投げしたのかもな……」
エリゴール
「すまないが、〝おとっつぁん〟。今から映すから、こっちに移動してくれ」
一班長・ハワード
「ああ、了解」
フィリップス
「……空中ディスプレイもあるけど、実際のところ、使わないよな」
一班長・ハワード
「向こう側が透けて見えて、見づらいからな」
フィリップス
「空中タッチパネルも、結局のところ、使わないよな」
一班長・ハワード
「空中に腕を上げたままにしておくの、結構しんどいからな」
フィリップス
「技術の進歩に人間の体がついていけない現実……」
一班長・ハワード
「夢がないな」
七班長・カットナー
「おまえ、またタイトルつけたのか! それも『パラディン大佐隊〈オートクレール〉の恐怖!』って……ホラーか!」
八班長・ブロック
「でも、内容的に間違っていない気がする」
九班長・ビショップ
「ああ。むしろ、前回よりわかりやすくていい」
十班長・ヒールド
「やっぱり、編集はしてあるんだな」
九班長・ビショップ
「それはもう、六班なら当たり前」
七班長・カットナー
「おまけに、今回はBGMまでつけてる! やっぱりホラーっぽいの!」
六班長・ラムレイ
「今回は時間的に余裕があったから」
八班長・ブロック
「でも、どうやって移動隊形から〝椅子〟に移行したのかはわからない……」
六班長・ラムレイ
「すまない! 十一班のスタートダッシュが速すぎて、間に合わなかったんだ!」
八班長・ブロック
「確かに、あれは速かった……」
七班長・カットナー
「俺たちと足並みそろえる気は微塵もなかったな」
八班長・ブロック
「こうして見ると、本当に十二班すごいな……」
九班長・ビショップ
「『連合』役なのに、思わず応援したくなるよな」
七班長・カットナー
「うわ……〈オートクレール〉の一方的な虐殺が始まった……」
八班長・ブロック
「こうして見ると、本当に〈オートクレール〉ひどいな……」
九班長・ビショップ
「十一班も容赦ないが、それ以上に〈オートクレール〉がえげつない……まさに〝〈オートクレール〉の恐怖〟……!」
五班長・ロング
「確かに、味方ながら怖すぎる……」
四班長・ワンドレイ
「俺たち、〝一班組〟でよかったな……」
エリゴール
「……六班長。これ、コピーもらえるか?」
六班長・ラムレイ
「はい! 喜んで!」
フィリップス
「案の定、元四班長が欲しがった!」
一班長・ハワード
「もしかして、こういう映像が好きなのか?」
エリゴール
「ただし、今回のメインである〝椅子〟の変形は撮れていないから、〝飴ちゃん〟はなしだ」
六班長・ラムレイ
「元四班長のおっしゃるとおりです! なので、タイトルも『火を噴く椅子』にできませんでした!」
八班長・ブロック
「そのタイトルはやめておいてよかった」
九班長・ビショップ
「スタートダッシュについていけなかったのが幸いしたな」
エリゴール
「あと、BGMもつけなくていい。画と合ってないから」
六班長・ラムレイ
「え! そっちに駄目出し!?」
フィリップス
「元四班長、動画には厳しいな……」
一班長・ハワード
「何にせよ、十二班も六班も〝飴ちゃん〟なしでよかった」
フィリップス
「いや、十二班にはあげてもいいだろ。……やっぱり、自分を追い出した〝護衛隊〟にはやりたくないのか……」
一班長・ハワード
「それ、もう〝嘘から出た実〟になってるな」
1
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
ザ・兄貴っ!
慎
BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は…
平凡という皮を被った非凡であることを!!
実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。
顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴…
けど、その正体は――‥。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる