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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

102【交換ついでに合同演習編07】最終兵器・笑顔

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【パラディン大佐隊・執務室】

パラディン
「すぐに帰ってこいって言ったのに!」

エリゴール
「自分としてはすぐに帰ってきたつもりですが。それと、こちらをコールタン大佐殿から預かってまいりました」

パラディン
「何? 手紙? 内容は?」

エリゴール
「自分は預かっただけなのでわかりませんが、返信は必ずコールタン大佐殿にお届けしますとお約束してしまいました。恐れ入りますが、すぐに開封して返信を書いていただけませんでしょうか」

パラディン
「エリゴール中佐……君、コールタン大佐に脅されたのかい? 返事をもらってこなければ、軍艦ふねを交換しないとか演習をしないとか」

エリゴール
「そんなことはありません。すでに殿下から〝合同演習〟の許可もいただいておりますし、コールタン大佐殿もそう簡単には中止にできないでしょう」

パラディン
「そう言われてみればそのとおりだ。返信ねえ……どうせろくなこと書いてないんだろうな」

エリゴール
「あの、いま開封してしまうんですか?」

パラディン
「君が〝すぐに〟と言ったんじゃないか。……ああ、やっぱりろくなこと書いてない」

エリゴール
「え、まさかそこに直接書きこんで返信?」

パラディン
「便箋なんかもったいなくて使ってられないよ。せめて封筒は新品を使ってやろう。……はい、返信。これでコールタン大佐への義理は果たしたことになるだろう」

エリゴール
「ええ、まあ……そうですね。ありがとうございます……」

パラディン
「そんなことよりエリゴール中佐! 明日・明後日って、また十二班全部で訓練するんだよね! 私も……」

エリゴール
「大佐殿は三日後の演習から参加してください」

パラディン
「え?」

エリゴール
「明日・明後日は〝椅子〟と〝魚〟をマスターするだけの訓練です。申し訳ありませんが、大佐殿は基地にいらしてください」

パラディン
「ええ! そんな! また私一人留守番!? しかも二日連続で!?」

エリゴール
「いや、副官殿や専属班、その他大勢いらっしゃいますから」

パラディン
「いくらいたって君じゃあないし」

モルトヴァン
「大佐。その本音は口に出してはいけない本音です」

エリゴール
「三日後の演習でコールタン大佐隊に勝つためです。だから二日間、何とか我慢してください。……できますね?」

パラディン
「……うん」

 ***

 エリゴール、退室後。

パラディン
「うわあああ! またあの笑顔で丸めこまれたあああ! 今度こそついていきたかったのにいいい!」

モルトヴァン
「エリゴール中佐……わかってる。わかっててあの笑顔作ってる。大佐限定の最終兵器……!」
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