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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
100【交換ついでに合同演習編05】消えた大佐代行
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【パラディン大佐隊・作戦説明室】
パラディン
「諸君、昨日はお疲れ様。私がここの指揮官になってから初めての出撃だったが、前回より戦闘時間は短縮され、君たちも誰一人欠けることなく帰還することができた。まずはそのことを喜びたい。……本当によかった」
砲撃隊の班長たち
「た、大佐殿……!」
ロノウェ
「今日はしんみり系……」
ザボエス
「俺らのあの礼状にも、多少は感動してくれたのかね」
ロノウェ
「エリゴールによると〝涙ぐんでた〟そうだが、大佐の場合、あっちのほうに感動してた可能性大だからな」
ザボエス
「そういや、そのエリゴールは、今日は作戦説明室の前にもいなかったな」
ロノウェ
「そのかわり、〝砲撃隊〟の隊員が立ってたぜ」
ザボエス
「ああ、あれ、きっと一班の班員だろうな。エリゴールの代理やらされてるんだろ」
ロノウェ
「じゃあ、エリゴールは今どこに?」
ザボエス
「さあ……大佐が普通にしてるから、大佐の命令で何か別の用事させられてるんじゃねえのか?」
ロノウェ
「別の用事……嫌な予感しかしねえ」
パラディン
「だが、そう喜んでばかりもいられない。相変わらず右翼よりフィニッシュは遅いし、アルスター大佐隊に〝押し戻す〟こともできていない。我々の能力が今よりもっと高ければ、戦闘時間もさらに短縮できていただろう」
砲撃隊の班長たち
「うっ!」
ロノウェ
「しんみり系から一転ばっさり系に」
ザボエス
「やっぱり、右翼にも対抗意識持ってたんだな」
ロノウェ
「つーか、ヴァラクに敵意を抱いてるんじゃねえのか?」
ザボエス
「それは……エリゴールがいまだに……のせいか?」
ロノウェ
「それしかねえだろ」
ザボエス
「ああ。それしかねえな」
パラディン
「そういうわけで、今度はより実戦に近い演習にするため、コールタン大佐隊と〝合同演習〟を行う」
砲撃隊の班長たち(ハワード除く)
「ええっ!?」
ロノウェ
「コールタン大佐隊!? 何でいきなり!?」
ザボエス
「これまで大佐が言い出した演習・訓練の中で、今のが最高に驚いた……」
ロノウェ
「いったいどんな経緯でそんなことに?」
パラディン
「合同演習は三日後から二日間に分けて行う。一日目はコールタン大佐隊が『連合』の右翼役、二日目は我々が無人護衛艦群を破った『連合』役をする。一日目はあえて昨日と同じ配置にするが、次の〝留守番〟に決定している三班と八班は、コールタン大佐隊の『連合』役のほうに回ってもらう。十二班は八班の代わりに入ってくれ」
三班長・プライス
「ひいっ!」
ロノウェ
「まあ、実戦のときには十班しか出撃できねえから、当然と言えば当然だが……容赦ねえな、大佐」
ザボエス
「ヴァッサゴが知ったら、また三班に同情するだろうな……」
パラディン
「一日目のほうはもう作戦説明の必要はないだろうから省略する。問題は二日目だ。現時点で、私の軍艦が〈フラガラック〉の代理をすることは決まっているが、それ以外ははっきり言って白紙だ」
ロノウェ
「え、〈オートクレール〉が〈フラガラック〉!?」
ザボエス
「言われてみりゃそうだよな。『連合』の砲撃艦群に〈オートクレール〉級の軍艦はいねえし、コールタン大佐の軍艦は護衛しなきゃならねえから、〈オートクレール〉が〈フラガラック〉の代わりするのがいちばん妥当だ」
ロノウェ
「でも、〈オートクレール〉に粒子砲はねえぞ?」
ザボエス
「本物の〈フラガラック〉だって、演習のときに粒子砲は使わねえよ。……たぶん」
パラディン
「だが、二日目の私は『帝国』。君たちは『連合』。お互い、敵同士だ。敵同士で作戦を立てるのもおかしな話だろう? だから、二日目の作戦に関しては、君たちで全部考えてくれ。ただし、二日目は三班・八班も参戦していいよ。思う存分、コールタン大佐隊を攻撃するがいい。……その前に撃ち落とされなければ」
砲撃隊の班長たち
「ひいいっ!」
ロノウェ
「大佐はコールタン大佐隊にも何か恨みがあるのか?」
ザボエス
「さあ……仲は悪くなかったはずだけどなあ。だいたい、仲が悪かったら合同演習もしねえだろ」
ロノウェ
「わかんねえぞ? アルスター大佐隊との前哨戦として、コールタン大佐隊に挑戦状を叩きつけたのかもしれねえ」
ザボエス
「……軍艦の数を同じにしたら、アルスター大佐隊とコールタン大佐隊、いったいどっちが強いんだろうな?」
ロノウェ
「どうだろうなあ。護衛が砲撃覚えると強いっていうのは、ダーナ大佐隊で証明済みだけどな」
ザボエス
「とりあえず、大佐は二日目の作戦に関しては、今度は〝砲撃隊〟も含めて俺らに丸投げしたってことだな?」
ロノウェ
「まあ、そういうことになるな」
ザボエス
「ということは、今度は〝砲撃隊〟と合同で作戦会議しなきゃならねえんじゃねえのか? コールタン大佐隊は二〇〇隻以上。こっちは一二〇隻。バラバラに攻撃してたら、間違いなく撤退される」
ロノウェ
「撤退? 〝全艦殲滅〟じゃなく?」
ザボエス
「無人護衛艦群が破られたら、もう撤退しかねえだろ。有人の護衛艦群はそのためにいるんじゃねえのか?」
ロノウェ
「そういやそうだ。でも、『連合』にしてみりゃ、ここで一気に〈フラガラック〉を潰しておきたいよな。〈フラガラック〉さえいなけりゃ、この艦隊は屁でもねえ」
ザボエス
「というようなことを、〝砲撃隊〟とも話さないといけねえと思うんだが」
ロノウェ
「うーん……こういうときこそエリゴールなんだが……あいつ、ほんとにどこ行ったんだ?」
パラディン
「ちなみに、明日・明後日と、自主練の時間と場所は確保しておいたよ。全班の待機室にメール送信しておいたから確認しておいてね。では解散」
ザボエス
「自主練……」
ロノウェ
「懐かしくて嫌な響き……」
ザボエス
「……とりあえず、いったん待機室に戻るか。きっと〝大佐代行〟のほうから連絡あるだろ」
パラディン
「諸君、昨日はお疲れ様。私がここの指揮官になってから初めての出撃だったが、前回より戦闘時間は短縮され、君たちも誰一人欠けることなく帰還することができた。まずはそのことを喜びたい。……本当によかった」
砲撃隊の班長たち
「た、大佐殿……!」
ロノウェ
「今日はしんみり系……」
ザボエス
「俺らのあの礼状にも、多少は感動してくれたのかね」
ロノウェ
「エリゴールによると〝涙ぐんでた〟そうだが、大佐の場合、あっちのほうに感動してた可能性大だからな」
ザボエス
「そういや、そのエリゴールは、今日は作戦説明室の前にもいなかったな」
ロノウェ
「そのかわり、〝砲撃隊〟の隊員が立ってたぜ」
ザボエス
「ああ、あれ、きっと一班の班員だろうな。エリゴールの代理やらされてるんだろ」
ロノウェ
「じゃあ、エリゴールは今どこに?」
ザボエス
「さあ……大佐が普通にしてるから、大佐の命令で何か別の用事させられてるんじゃねえのか?」
ロノウェ
「別の用事……嫌な予感しかしねえ」
パラディン
「だが、そう喜んでばかりもいられない。相変わらず右翼よりフィニッシュは遅いし、アルスター大佐隊に〝押し戻す〟こともできていない。我々の能力が今よりもっと高ければ、戦闘時間もさらに短縮できていただろう」
砲撃隊の班長たち
「うっ!」
ロノウェ
「しんみり系から一転ばっさり系に」
ザボエス
「やっぱり、右翼にも対抗意識持ってたんだな」
ロノウェ
「つーか、ヴァラクに敵意を抱いてるんじゃねえのか?」
ザボエス
「それは……エリゴールがいまだに……のせいか?」
ロノウェ
「それしかねえだろ」
ザボエス
「ああ。それしかねえな」
パラディン
「そういうわけで、今度はより実戦に近い演習にするため、コールタン大佐隊と〝合同演習〟を行う」
砲撃隊の班長たち(ハワード除く)
「ええっ!?」
ロノウェ
「コールタン大佐隊!? 何でいきなり!?」
ザボエス
「これまで大佐が言い出した演習・訓練の中で、今のが最高に驚いた……」
ロノウェ
「いったいどんな経緯でそんなことに?」
パラディン
「合同演習は三日後から二日間に分けて行う。一日目はコールタン大佐隊が『連合』の右翼役、二日目は我々が無人護衛艦群を破った『連合』役をする。一日目はあえて昨日と同じ配置にするが、次の〝留守番〟に決定している三班と八班は、コールタン大佐隊の『連合』役のほうに回ってもらう。十二班は八班の代わりに入ってくれ」
三班長・プライス
「ひいっ!」
ロノウェ
「まあ、実戦のときには十班しか出撃できねえから、当然と言えば当然だが……容赦ねえな、大佐」
ザボエス
「ヴァッサゴが知ったら、また三班に同情するだろうな……」
パラディン
「一日目のほうはもう作戦説明の必要はないだろうから省略する。問題は二日目だ。現時点で、私の軍艦が〈フラガラック〉の代理をすることは決まっているが、それ以外ははっきり言って白紙だ」
ロノウェ
「え、〈オートクレール〉が〈フラガラック〉!?」
ザボエス
「言われてみりゃそうだよな。『連合』の砲撃艦群に〈オートクレール〉級の軍艦はいねえし、コールタン大佐の軍艦は護衛しなきゃならねえから、〈オートクレール〉が〈フラガラック〉の代わりするのがいちばん妥当だ」
ロノウェ
「でも、〈オートクレール〉に粒子砲はねえぞ?」
ザボエス
「本物の〈フラガラック〉だって、演習のときに粒子砲は使わねえよ。……たぶん」
パラディン
「だが、二日目の私は『帝国』。君たちは『連合』。お互い、敵同士だ。敵同士で作戦を立てるのもおかしな話だろう? だから、二日目の作戦に関しては、君たちで全部考えてくれ。ただし、二日目は三班・八班も参戦していいよ。思う存分、コールタン大佐隊を攻撃するがいい。……その前に撃ち落とされなければ」
砲撃隊の班長たち
「ひいいっ!」
ロノウェ
「大佐はコールタン大佐隊にも何か恨みがあるのか?」
ザボエス
「さあ……仲は悪くなかったはずだけどなあ。だいたい、仲が悪かったら合同演習もしねえだろ」
ロノウェ
「わかんねえぞ? アルスター大佐隊との前哨戦として、コールタン大佐隊に挑戦状を叩きつけたのかもしれねえ」
ザボエス
「……軍艦の数を同じにしたら、アルスター大佐隊とコールタン大佐隊、いったいどっちが強いんだろうな?」
ロノウェ
「どうだろうなあ。護衛が砲撃覚えると強いっていうのは、ダーナ大佐隊で証明済みだけどな」
ザボエス
「とりあえず、大佐は二日目の作戦に関しては、今度は〝砲撃隊〟も含めて俺らに丸投げしたってことだな?」
ロノウェ
「まあ、そういうことになるな」
ザボエス
「ということは、今度は〝砲撃隊〟と合同で作戦会議しなきゃならねえんじゃねえのか? コールタン大佐隊は二〇〇隻以上。こっちは一二〇隻。バラバラに攻撃してたら、間違いなく撤退される」
ロノウェ
「撤退? 〝全艦殲滅〟じゃなく?」
ザボエス
「無人護衛艦群が破られたら、もう撤退しかねえだろ。有人の護衛艦群はそのためにいるんじゃねえのか?」
ロノウェ
「そういやそうだ。でも、『連合』にしてみりゃ、ここで一気に〈フラガラック〉を潰しておきたいよな。〈フラガラック〉さえいなけりゃ、この艦隊は屁でもねえ」
ザボエス
「というようなことを、〝砲撃隊〟とも話さないといけねえと思うんだが」
ロノウェ
「うーん……こういうときこそエリゴールなんだが……あいつ、ほんとにどこ行ったんだ?」
パラディン
「ちなみに、明日・明後日と、自主練の時間と場所は確保しておいたよ。全班の待機室にメール送信しておいたから確認しておいてね。では解散」
ザボエス
「自主練……」
ロノウェ
「懐かしくて嫌な響き……」
ザボエス
「……とりあえず、いったん待機室に戻るか。きっと〝大佐代行〟のほうから連絡あるだろ」
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