寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

文字の大きさ
95 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

80【異動編29】朝の班長会議プラス1

しおりを挟む
【パラディン大佐隊・ミーティング室】

一班長・ハワード
「みんな、昨日はお疲れさん。残念ながら、タイムでは五班だけしか十一班の記録を上回れなかったが、あの訓練の目的は戦闘力の向上だ。今後はまず右翼並みになることをめざす」

四班長・ワンドレイ
「高すぎる目標だ……」

五班長・ロング
「今なら、アルスター大佐隊と演習して勝つことのほうがたやすい気がする……」

一班長・ハワード
「昨日の反省会をする前に、一つ緊急の議題がある。……元四班長」

エリゴール
「ああ。だが、その前に、昨日正直に被弾数を申告した五班・六班・七班・九班に、約束の〝飴ちゃん〟をやる。貴重だから一個ずつな。今から投げて渡すから、落とさず受け取れ」

七班長・カットナー
「え、ほんとにくれるんですかッ!?」

エリゴール
「当たり前だろう。そう約束したんだから」

 そう答えつつ、五班から順に投げ渡していくエリゴール。
 受け取りやすいように、山なりに投げている。

五班長・ロング
「貴重なものを投げて渡すのか。……まあ、いいか。ありがとう」

六班長・ラムレイ
「うう……ほんとは正直に申告するのが当たり前なのに……でもいただきます! ありがとうございます!」

七班長・カットナー
「ありがとうございます! ……コントロール、滅茶苦茶いいですね!」

九班長・ビショップ
「確かに。……ありがとうございます!」

三班長・プライス
「Aチームは勝った上に、そんなことで〝飴ちゃん〟もらえるのか。いいなー」

二班長・キャンベル
「…………」

一班長・ハワード
「元四班長……う、うちにも……」

フィリップス
「同じ班で正直に申告も何もないだろ」

エリゴール
「しょうがないな。一班長にも今まで苦労してきた分を加味して一個やろう」

 さすがにハワードには手渡しするエリゴール。

一班長・ハワード
「ありがとう!」

フィリップス
「それなら、今までおとっつぁんの〝介護〟してきた俺にも一個おくれよ!」

エリゴール
「悪いな。一班一個ずつだ。〝おとっつぁん〟と仲よく分け合ってくれ」

フィリップス
「……どうやって?」

ハワード
「半分に割るか?」

七班長・カットナー
「一個を交互に舐めあうという手も……」

五班長・ロング
「この変態がっ!」

四班長・ワンドレイ
「リアルに想像しちまったじゃねえかよっ!」

七班長・カットナー
「別に口移しじゃなくても……」

五班長・ロング
「まだ言うか、この変態がっ!」

フィリップス
「……おとっつぁん。その飴、一人で舐めていいからな」

一班長・ハワード
「いや、あともう一個もらえるまでは、舐めないでとっとくよ」

フィリップス
「おとっつぁん! ……その一個の存在は、うちの班員には絶対内緒だよ?」

一班長・ハワード
「もちろんだ。わかってる」

エリゴール
「では本題だ。実は昨日、大佐に呼び出されて、訓練のときにうちがやった、護衛隊形の変形方法の名前を訊かれた。〝蛇〟はすんなり通ったが〝横縦ぐるり〟はものすごい勢いで駄目出しされて、名前をつけなおすよう指示された。午前中には報告したいので、今度は大佐に駄目出しされないような名前を今つけてもらいたい。ちなみに、あの変形方法自体はすごく気に入っているそうだ」

四班長・ワンドレイ
「え、〝横縦ぐるり〟が駄目出しされたのか?」

五班長・ロング
「まあ、よく考えてみたら、恥ずかしい名前だよな」

四班長・ワンドレイ
「〝開脚屈伸〟よりちょっとましなくらいか」

フィリップス
「おまえらだって、反対はしなかったじゃねえかよ!」

五班長・ロング
「それは、元四班長が却下しなかったから」

エリゴール
「すまん。俺の読みが甘かった。まさか、大佐があれほど怒るとは……」

フィリップス
「元四班長まで……!」

六班長・ラムレイ
「俺は〝横縦ぐるり〟、気に入ってるけどなあ……」

フィリップス
「六班長……ありがとう……!」

七班長・カットナー
「でも、大佐が嫌だって言うんならしょうがないよな。……何だろうなあ。やっぱ、生き物シリーズ?」

六班長・ラムレイ
「生き物シリーズねえ……副班長隊が旋回するところは〝蝶〟っぽいが、〝蝶〟はもう使っちまってるからなあ……」

八班長・ブロック
「それに、〝蝶〟の羽って両開きだろ? 開き方が〝蝶〟じゃない気がする」

エリゴール
「……九班長には、あれはどう見える?」

九班長・ビショップ
「え、俺ですか?」

エリゴール
「大佐に認められたら〝飴ちゃん〟四個だ」

フィリップス
「〝蛇〟のときより一個増えてる! ……何で?」

一班長・ハワード
「大佐に一度却下されて、難易度が上がったからじゃないか?」

フィリップス
「じゃあ、また却下されたら、今度は五個?」

一班長・ハワード
「たぶんな」

九班長・ビショップ
「あれですか……あれは〝縦〟になった状態が、熱帯魚みたいに見えますね……」

七班長・カットナー
「熱帯魚!?」

十班長・ビショップ
「一班長の〝開脚屈伸〟ほどじゃないが、不思議な視覚……」

九班長・ビショップ
「で、最後は口から切り割かれて、開きにされているような……」

六班長・ラムレイ
「熱帯魚を口から開き!?」

七班長・カットナー
「言いたいことはわかるけど、その感覚がこええ!」

エリゴール
「……〝熱帯魚〟じゃ長いから、〝魚〟でいいか?」

フィリップス
「元四班長は採用する気だ!」

一班長・ハワード
「大佐に今のをそのまま説明するつもりか!?」

九班長・ビショップ
「はい……別にかまいませんけど……いいんですか?」

エリゴール
「〝横縦ぐるり〟よりは、大佐の反発が少なそうだ」

フィリップス
「元四班長……わかりやすいって言ったくせに……!」

一班長・ハワード
「正確には〝まだわかりやすいから妥協する〟だ」

エリゴール
「一班長、俺の用は済んだ。いつもの反省会、始めてくれ」

一班長・ハワード
「反省会か……昨日はタイム計測と対抗戦の二部構成だったから、正直言って反省しづらいな」

フィリップス
「特に対抗戦は親衛隊も交ざってたからな。反省するとしたら……〝親衛隊の皆さん、足引っ張っちゃってごめんなさい〟」

一班長・ハワード
「サプライズのつもりだったのか、大佐が十二班全部に差し入れをしてくれていなかったら、今こうしてミーティングなんかしていられなかったかもしれないな」

五班長・ロング
「差し入れねえ……最初から勝利特典に差し入れはいらなかったが、一応大佐に礼は言っとくべきだよな?」

四班長・ワンドレイ
「じゃあ、隊を代表して一班長に行ってもらおう」

一班長・ハワード
「ふ……やっぱり俺は〝代表者〟……」

フィリップス
「おとっつぁん、しっかり!」

エリゴール
「礼か……六班長、『オープン・ザ・〝ファイアー・ウォール〟』、編集できるか?」

フィリップス
「え、元四班長、あれのタイトル覚えてたの?」

一班長・ハワード
「俺なんか、そういう映像を見たことすら忘れ去ってた」

六班長・ラムレイ
「あ、はい……待機室に戻ればできますが……?」

エリゴール
「じゃあ、あれのタイトルを消して、今から一時間以内に一班に送信しておいてくれ。手ぶらじゃ何だから、あれを一班長の手土産にする。ついでに〝魚〟の報告もしてきてもらおう」

一班長・ハワード
「元四班長……その報告はあんたの仕事だろう……!」

エリゴール
「ついでだ」

フィリップス
「行くの、面倒くさくなったんだな……」

一班長・ハワード
「大佐にまた怒られたくないだけだろう……うっ、久しぶりに胃が痛い!」
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール

雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け 《あらすじ》 4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。 そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。 平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

ひみつのモデルくん

おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。 高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎ 主人公総受け、総愛され予定です。 思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。 後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。

先輩たちの心の声に翻弄されています!

七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。 ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。 最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。 乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。 見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。 **** 三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。 ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️

俺の兄貴、俺の弟...

日向 ずい
BL
俺の兄貴、俺の弟... 登場人物 兄貴 成瀬 都和 (なるせ とわ) 27歳 身長 184cm 体重 67kg 弟 成瀬 尊 (なるせ たける) 17歳 身長167cm 体重 47kg 久我 子春 (くが こはる) 24歳 女性 都和の同僚で仕事仲間。 音海 恋 (おとみ れん) 18歳 男性 尊の同級生で腐れ縁。 阿澄 璃織 (あずみ りお) 17歳 女性 尊と恋と同じクラスの美女。 上城 志希 (かみじょう しき) 25歳 男性 都和の部下で頼れる友人。 物語内容 一言で言うとBLものです。 恋愛要素と笑い要素が入ったものになる予定ですが、言葉などは私の語彙力が足りないため少し見苦しいところが多々あると思いますが、良ければ読んでいただけるとありがたいです!

処理中です...