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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
72【異動編21】訓練二日目:一回戦裏・Bチーム攻撃
しおりを挟む【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「被弾十九隻っていうのは、おまえ的には多いのか? 少ないのか?」
レラージュ
「多いです。初回は十五隻以内に収めたかったんですが……最後の十二班はまったく砲撃していなかったのに、やはり、練習時間が短すぎましたか」
ロノウェ
「え、あいつら撃ってなかったのか?」
レラージュ
「気づきませんでしたか? 別にどうでもいいですけど」
ロノウェ
「俺らに義理立てしたのかな……」
レラージュ
「そのかわり、元四班長と何か取引したんじゃないですか?」
ロノウェ
「取引……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「しかし……十二班には気の毒としか言いようのない隊形だ」
エリゴール
「でも、俺たちも隊形崩したら終わりだぞ。向こうも攻撃方法はうちとまったく同じだろうしな」
ハワード
「ただし、向こうは六十隻全部攻撃してくる」
フィリップス
「攻撃くらいは免除してやらなきゃ。十二班、本当に気の毒だろ」
ハワード
「もし十二班がいなかったら、いったいどの班が十二班役になってたんだろうな……」
エリゴール
「……六班か一班」
フィリップス
「いちばん上かいちばん下か。いずれにしろ〝罰ゲーム〟だな」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「護衛隊形の作り方まで、元ウェーバー大佐隊と同じにしていいのか?」
レラージュ
「こちらのほうが早く作れますから」
ロノウェ
「……そうか。おまえがいいならそれでいい」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
ラムレイ
「うーん……この隊形は基本といえば基本だが……基本すぎて自信がない……」
クルーA
「理論上は、打ち合わせどおりの速度で飛べば、隊形は維持できるはずなんですがね」
副長
「現実はそうそううまくはいかない」
ラムレイ
「まあ、初回は試運転ぐらいに思っていこう。あと四回戦もある」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
レラージュ
「練習してるの見てましたけど……本当にあれで行くつもりなんですね」
ロノウェ
「あれって、護衛隊形とった十二班〝盾〟にして、他の班は横列隊形とってるってことだよな。……十二班……エリゴールに何で脅されたんだ……」
レラージュ
「……この場合、あの護衛隊形は〝前進〟することになるんでしょうか。〝横移動〟することになるんでしょうか」
ロノウェ
「最初から艦首が右向いてるから、あれはもう護衛隊形じゃねえだろ。〝前進〟じゃねえか?」
レラージュ
「班長……もうこれ以上賢くならないでください……」
ロノウェ
「なら、俺に訊くな」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ヴァッサゴ
「移動隊形〝縦〟にさせられたり、護衛隊形〝横移動〟させられたり、元ウェーバー大佐隊は大変だな……」
ザボエス
「護衛隊形〝横移動〟させられるのは俺らだけどな」
パラディン
『両チーム、準備できた? それじゃ、スタート!』
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
ハワード
「このスピードで護衛隊形が崩れない!」
フィリップス
「ごめんなさい、十二班! やっぱりあなたたちも親衛隊でした! 今この瞬間からリスペクトします!」
エリゴール
「向こうみたいにずれなければ、撃たれるのは十二班の十隻だけになるはずなんだがな、理論上」
フィリップス
「それ以上撃たれたら、十二班以外の班で撃たれたやつがいるってことだな、理論上」
エリゴール
「そういうことになるな、理論上」
パラディン
『一回戦裏終了ー。Aチーム・十七隻被弾だよー』
ハワード
「〝だよー〟がついた!」
フィリップス
「じゃなくて、七隻、どこが被弾した!?」
ハワード
「同じ班だったらすぐにわかるんだけどな」
フィリップス
「他の班は〝自己申告〟してもらわないとわかんないんだよな」
エリゴール
「……班長。十二班以外の班長たちに、被弾した軍艦の数を正直に申告したら、あとで〝飴ちゃん〟やると伝えてくれ」
ハワード
「わ、わかった……」
ハワード
「元四班長、内訳わかったぞ。六班三隻、九班二隻、五班一隻、七班一隻だ」
エリゴール
「六班が三隻。意外だな」
ハワード
「どうしても十二班より前に出たくなるそうだ」
エリゴール
「……次から六班と七班、一班と九班、位置入替」
ハワード
「了解……」
ロノウェ
「被弾十九隻っていうのは、おまえ的には多いのか? 少ないのか?」
レラージュ
「多いです。初回は十五隻以内に収めたかったんですが……最後の十二班はまったく砲撃していなかったのに、やはり、練習時間が短すぎましたか」
ロノウェ
「え、あいつら撃ってなかったのか?」
レラージュ
「気づきませんでしたか? 別にどうでもいいですけど」
ロノウェ
「俺らに義理立てしたのかな……」
レラージュ
「そのかわり、元四班長と何か取引したんじゃないですか?」
ロノウェ
「取引……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「しかし……十二班には気の毒としか言いようのない隊形だ」
エリゴール
「でも、俺たちも隊形崩したら終わりだぞ。向こうも攻撃方法はうちとまったく同じだろうしな」
ハワード
「ただし、向こうは六十隻全部攻撃してくる」
フィリップス
「攻撃くらいは免除してやらなきゃ。十二班、本当に気の毒だろ」
ハワード
「もし十二班がいなかったら、いったいどの班が十二班役になってたんだろうな……」
エリゴール
「……六班か一班」
フィリップス
「いちばん上かいちばん下か。いずれにしろ〝罰ゲーム〟だな」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ロノウェ
「護衛隊形の作り方まで、元ウェーバー大佐隊と同じにしていいのか?」
レラージュ
「こちらのほうが早く作れますから」
ロノウェ
「……そうか。おまえがいいならそれでいい」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
ラムレイ
「うーん……この隊形は基本といえば基本だが……基本すぎて自信がない……」
クルーA
「理論上は、打ち合わせどおりの速度で飛べば、隊形は維持できるはずなんですがね」
副長
「現実はそうそううまくはいかない」
ラムレイ
「まあ、初回は試運転ぐらいに思っていこう。あと四回戦もある」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
レラージュ
「練習してるの見てましたけど……本当にあれで行くつもりなんですね」
ロノウェ
「あれって、護衛隊形とった十二班〝盾〟にして、他の班は横列隊形とってるってことだよな。……十二班……エリゴールに何で脅されたんだ……」
レラージュ
「……この場合、あの護衛隊形は〝前進〟することになるんでしょうか。〝横移動〟することになるんでしょうか」
ロノウェ
「最初から艦首が右向いてるから、あれはもう護衛隊形じゃねえだろ。〝前進〟じゃねえか?」
レラージュ
「班長……もうこれ以上賢くならないでください……」
ロノウェ
「なら、俺に訊くな」
***
【パラディン大佐隊・第十二班第一号ブリッジ】
ヴァッサゴ
「移動隊形〝縦〟にさせられたり、護衛隊形〝横移動〟させられたり、元ウェーバー大佐隊は大変だな……」
ザボエス
「護衛隊形〝横移動〟させられるのは俺らだけどな」
パラディン
『両チーム、準備できた? それじゃ、スタート!』
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
ハワード
「このスピードで護衛隊形が崩れない!」
フィリップス
「ごめんなさい、十二班! やっぱりあなたたちも親衛隊でした! 今この瞬間からリスペクトします!」
エリゴール
「向こうみたいにずれなければ、撃たれるのは十二班の十隻だけになるはずなんだがな、理論上」
フィリップス
「それ以上撃たれたら、十二班以外の班で撃たれたやつがいるってことだな、理論上」
エリゴール
「そういうことになるな、理論上」
パラディン
『一回戦裏終了ー。Aチーム・十七隻被弾だよー』
ハワード
「〝だよー〟がついた!」
フィリップス
「じゃなくて、七隻、どこが被弾した!?」
ハワード
「同じ班だったらすぐにわかるんだけどな」
フィリップス
「他の班は〝自己申告〟してもらわないとわかんないんだよな」
エリゴール
「……班長。十二班以外の班長たちに、被弾した軍艦の数を正直に申告したら、あとで〝飴ちゃん〟やると伝えてくれ」
ハワード
「わ、わかった……」
ハワード
「元四班長、内訳わかったぞ。六班三隻、九班二隻、五班一隻、七班一隻だ」
エリゴール
「六班が三隻。意外だな」
ハワード
「どうしても十二班より前に出たくなるそうだ」
エリゴール
「……次から六班と七班、一班と九班、位置入替」
ハワード
「了解……」
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