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プロローグ
六話
しおりを挟む到着。東天宮駐屯地に俺たち42名は無事でたどり着いた。そこに待っていたのは赤いラインの入った黒い服を着た新日本軍の兵たちだった。
「ようこそ、新日本軍の本拠地へ。
山中大隊長殿、それと他の自衛隊員の皆さん。お話が有りますので着いて来てください」
「...分かった。祐樹は母さんたちを地下の避難施設に案内してくれ。これがこの駐屯地の資料だ」
そう告げると父さんは紙を渡す。
さっき片付けていた資料の1つだと思い見てみると、そこには見取り図などが書かれていた。
それにしても地下に避難施設があるなんて、凄いな。避難者の確認もスムーズ過ぎる。
新日本軍か...戦争になるのかな。
「分かった。自衛隊員以外の人は俺に着いて来て下さい」
晴人のお母さんは夫に息子のことを伝えたそうにしていたが、落ち着いてから話す事にするようだ。
資料に書かれている地下の施設に向け歩きだす12人の人々。母さん、妹、親友の母親、お年寄りなどがいる。
42人中12人が自衛隊員じゃ無いなら30人いたって感じなのかな。
そんな事を考えながら歩くと地下の入り口らしき扉が石や砂の壁に付いていた。
...ここか。
祐樹は扉を開き、中を確認するが真っ暗であまり見えない。
「俺が先頭になります。皆さんは俺の後をついて来て下さい」
暗い洞窟のような場所を突き進む。
足場は思っていたほど悪く無かったが、少し下り坂だった為ゆっくりと進む。
5分ほど進むとオレンジの灯りが見えた。
そしてその光をたどって更に進むとドアのような物を見つけた。
ガチャっと開くとそこには明るい大きな部屋があった。そこには20人ほどの避難者と思われる人々がいた。
「...新しい避難者ですか?話は聞いています。
ようこそ地下の避難施設へ。
どうぞお入り下さい。
食料は新日本軍が決まった時間に持って来ます。個室が奥に沢山用意されてますので使って良いそうですよ。
あぁ、申し遅れましたね。私は新日本軍の小林と言います。宜しくお願い致しますね」
小林と名乗る茶髪の男性。年は20代前半ほどで見た目はチャラいのだが、中身は真面目な人だと分かる。
「山中祐樹です、俺を含めた12名がこれからお世話になります」
頭を下げると後ろにいたみんなも釣られて頭を下げる。
「はい、では個室に案内しますね」
そう言うと小林さんは俺たちを個室に案内してくれた。
一人一部屋だったが、個室と言っても中はベッドと机があるだけでテレビなど当然ない。
ま、あったとして地下のここじゃ電波届かないだろうけどな。
俺はベッドに横になり、食事まで寝る事にした。今は夕方。寝過ぎかも知れないが身体を休ませるべきだと判断したのだ。
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