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一章 記憶

神に記憶を消されましたっ

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「やぁ、突然だけど君は【死んだよ】」

「えっ?」

「僕は地球の神様、ゼスティス。
それでね、悪いんだけど君は違う世界で転生する事になったんだ」

「...神?転生?はぁ??」

「うん、転生。異世界転生って奴だね!それで異世界に地球の記憶を持って行かせる訳には行かないんだよね、ボクの立場上さ。だから今から消すよ!」

「え?記憶を消す?...っておい。やめ、やめろおおお!!」

「......ふぅ、終わった終わった。んじゃ、またね。悠介くん?いや、元 佐藤悠介くん」






王都エクセリト。 主に人間族が中心となり暮らしている王国だ。
過去2回に及ぶ 魔王軍 率いる魔族との争いに見事勝利して生まれた王都エクセリトは、いわゆる『剣と魔法のファンタジー世界』なのであった。
これはエクセリトに産まれる1人の少年の物語である。



ーーーーーーーーーーーーーーー

シタリと汗が垂れる夏の昼。窓から来る風が何処か光ってるように見える。

「オギャー、オギャー」

響き渡るその声は幼さと大きな希望を持っていた。

「元気な男の子ですよ、エリス様」

貴族ティアリスト家のメイドであるセルフィーは泣き叫ぶ子を抱いて言った。

「はぁ...はぁ.....なんて可愛い子なの...」

その子の母に、たった今なった 美しい女性はメイドから渡された子供を見て優しく微笑んだ。

「エリスっ!!エリス無事か!?子供はどうなった!?!?」

「無事ですよ、ほら見て下さいっ」 

「...可愛い。若い頃の俺そっくりで可愛いな!!」

「何を言ってるんですかルイスさん、いえ。お父さん?」

「おおおおお、お父さんかっ!?...よし、俺はここでエリスとこの子を守ることを誓うぞ!   
...って、名前考えて来たんだった!
俺の息子の名前は[ゴリドル]だっ!!どうだ、絶対強くなるぞ!!」

子供は嫌だと言わんばかりの顔を見せている。

「確かに強そうな名前ですね、しかしもう決めてしまいましたよ?」

「そ、そうか。残念だ。それで名前は?」

「ユリウス、《ティアリスト・バン・ユリウス》ですっ!」

「ユリウス...うん、良い名前だ!」

「「ユリウス、これから宜しく(な!)ね!」」

自分の名前を聞きニッコリと笑う男の子に、両親とメイドは思わずニヤけてしまっていた。




--6年後--


ユリウスが産まれてから6年の月日が経った。ユリウスは言葉の読み書きを覚え、本で世界には人間族以外にも色々な獣人族や魔族がいる事を知った。
そして魔法と剣のことも。

「父上、母上!僕魔法と剣が使いたい!」

昼ご飯を食べ終わり食後のティータイムを楽しんでいたリビングにユリウスの声が響き渡る。

「魔法と剣か...そっか、もう6歳だもんな!よし!父さんが剣を教えてやるぞ!」

「ルイスさん待って下さいっ!ユーちゃんはまだ6歳なんですよ!?
ルークリッド魔法学院は11歳からなのでまだ早いですっ!」


当然夫であるルイスが 「まだ早い」と言うのだと思っていたエリスは 思わず声を上げた。

「でもなぁエリス、11歳から始めたら遅くないか?このままだと入学試験だって合格するか分からんぞ?」

「ですが...ユーちゃんに魔法と剣を同時に教えるとすれば身体が持ちませんっ!可哀想です!いえ、可愛いですっ!」

「そ、そうだなぁ...こう言うのはどうだ?まずは魔法を使うのに必要な魔力を貯めつつ2年間、俺が剣を教える。
その後の2年で魔法の知識と初級魔法をエリスが教え、残りの1年で魔法と剣の同時使用能力を鍛える!」

「...確かにそれなら...。ユーちゃんが入学試験に合格しても 弱くていじめられちゃうのは嫌ですし..」

「僕魔法とか剣とか使えるようになるの?やったぁー!!」

「その代わりユーちゃん、頑張り過ぎちゃダメよ?」

「はぁーい!」

「良い返事だ!よし待ってろ...あったあった、ユリウス。お前にはこれをやる」

「これ、剣?」

「そうだ、言っても木刀だけどな。お前が一人前と感じた時は本物の剣をやる!」

「やったぁー!!!!僕頑張るよ!父上、母上(ニコッ)」

ズキューンっ

「「...(可愛い///)」」

そうしてユリウスは魔法と剣の稽古をつけてもらう事になった。








どうも、作者です(笑)
この手のファンタジー作品は山ほどあると思いますが「書きたいから書く!」って感じでやって行きますね(笑)
それと主人公の佐藤悠介くん、覚えといても良いですよ?
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