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先程瑠夏は、確かに手首を切って意識が遠のくのを感じていた。真っ暗な部屋の中一人静かに眠ろうとしていた。
なのに。
今は見覚えのある景色が広がっている。
懐かしく忘れたい高校時代の教室。瑠夏を虐めていた同級生達。そして瑠夏を助けず、寧ろ生徒達と混ざって虐めをしていた教師。
全部覚えている。
「っ....痛った。」
混乱している中突然後ろから頭に小さい何かを投げられ小さく呟く。
床に転がったものは消しゴムだ。
後ろを見るとあの時俺を虐めていた奴らがニヤニヤと笑いながら此方を見ていた。
(くだらねぇなぁ.....。)
やることが小学生レベルなことに呆れてしまう。それでも高校生の瑠夏はそう思うことは出来ずやられっぱなしの日々だった。今ここにいる瑠夏はあの頃の瑠夏だけど、中身は成長したままなのだろう。
この状況自体理解できないが走馬灯か何かでこのような夢を見ているのならば瑠夏はこの状況を楽しもうと思った。
床に転がったもの消しゴムは拾わず、ニヤつく奴らに反応を見せることも無く前を向く。
虐める奴らは此方が反応をするから面白がるのだ。なら無反応でいれば相手も楽しめない。
折角の良い機会だ。
夢でも現実でもなんだっていい。意味の無いことだろうと瑠夏を虐めたヤツらもその周りのヤツらも全員に復讐してやる。
少し気分の良くなった瑠夏は受ける必要のない授業を受けることにした。
昼を迎えるも空腹が来ず何か食べたい訳でもない瑠夏は授業が終わって直ぐ教室を出た。
向かったのは人気の少ない屋上だった。
真っ暗な自分の部屋とは違って雲ひとつない綺麗な青空と太陽。そんな明るさから隠れるように日陰に入り込み壁によりかかって座る。
ここは出入口の裏側なのでより静かで心地がいい。
「.........煙草吸いてぇ。」
日陰から青い空を見上げては憂鬱そうに呟いた。過去の自分とは言え、中身は今のままだ。煙草も酒も男も大好きなまま。
これからどうしようなんて考えてはゆっくり瞼を閉じた。
このまま眠ってしまおうかと思った時屋上の扉が開く音が聞こえた。
屋上はあまり人が来ることがなく今も1人だった為、内心邪魔すんなよと呟く。
聞こえたのは毎回嫌がらせをしてくる奴らの声。
「今日のあいつおかしくね?」
「それな。
普段ならビクビク震えてごめんなさいって毎回言ってんのにな~」
どうやら瑠夏の話をしているようだ。
確かに瑠夏は口答えせず毎度毎度『ごめんなさい』を繰り返していた。
だから初めての態度に違和感があったのだろう。ほんとにくだらねぇ....なんて思いながら放っておこうとした時だった。
「あいつが嫌がってくんないと楽しくないんだけど..........。」
そう言葉を口にした直後、出入口の裏側へ回ってきた奴らが俺の前に姿を現した。
「なぁ??瑠夏ちゃんよぉ。」
なのに。
今は見覚えのある景色が広がっている。
懐かしく忘れたい高校時代の教室。瑠夏を虐めていた同級生達。そして瑠夏を助けず、寧ろ生徒達と混ざって虐めをしていた教師。
全部覚えている。
「っ....痛った。」
混乱している中突然後ろから頭に小さい何かを投げられ小さく呟く。
床に転がったものは消しゴムだ。
後ろを見るとあの時俺を虐めていた奴らがニヤニヤと笑いながら此方を見ていた。
(くだらねぇなぁ.....。)
やることが小学生レベルなことに呆れてしまう。それでも高校生の瑠夏はそう思うことは出来ずやられっぱなしの日々だった。今ここにいる瑠夏はあの頃の瑠夏だけど、中身は成長したままなのだろう。
この状況自体理解できないが走馬灯か何かでこのような夢を見ているのならば瑠夏はこの状況を楽しもうと思った。
床に転がったもの消しゴムは拾わず、ニヤつく奴らに反応を見せることも無く前を向く。
虐める奴らは此方が反応をするから面白がるのだ。なら無反応でいれば相手も楽しめない。
折角の良い機会だ。
夢でも現実でもなんだっていい。意味の無いことだろうと瑠夏を虐めたヤツらもその周りのヤツらも全員に復讐してやる。
少し気分の良くなった瑠夏は受ける必要のない授業を受けることにした。
昼を迎えるも空腹が来ず何か食べたい訳でもない瑠夏は授業が終わって直ぐ教室を出た。
向かったのは人気の少ない屋上だった。
真っ暗な自分の部屋とは違って雲ひとつない綺麗な青空と太陽。そんな明るさから隠れるように日陰に入り込み壁によりかかって座る。
ここは出入口の裏側なのでより静かで心地がいい。
「.........煙草吸いてぇ。」
日陰から青い空を見上げては憂鬱そうに呟いた。過去の自分とは言え、中身は今のままだ。煙草も酒も男も大好きなまま。
これからどうしようなんて考えてはゆっくり瞼を閉じた。
このまま眠ってしまおうかと思った時屋上の扉が開く音が聞こえた。
屋上はあまり人が来ることがなく今も1人だった為、内心邪魔すんなよと呟く。
聞こえたのは毎回嫌がらせをしてくる奴らの声。
「今日のあいつおかしくね?」
「それな。
普段ならビクビク震えてごめんなさいって毎回言ってんのにな~」
どうやら瑠夏の話をしているようだ。
確かに瑠夏は口答えせず毎度毎度『ごめんなさい』を繰り返していた。
だから初めての態度に違和感があったのだろう。ほんとにくだらねぇ....なんて思いながら放っておこうとした時だった。
「あいつが嫌がってくんないと楽しくないんだけど..........。」
そう言葉を口にした直後、出入口の裏側へ回ってきた奴らが俺の前に姿を現した。
「なぁ??瑠夏ちゃんよぉ。」
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