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17話
しおりを挟む「大翔くん、今日早いね」
「う、うん」
まだ状況が飲み込めていなかった。
たった一瞬、瞬きしたくらいの時間で、彼女はあらわれた。
薄暗い空から、舞い降りてきた。
「なんかぼーってしてるけど」
「えっと、あのさ。気持ち悪いって思ったらごめん。」
「うん」
「今、ずっと美月が来るの待ってた。見てた。それで、美月歩いてきてなかったよね。どうやってきたの。」
彼女は黙り込んだ。
前に言われた。
俺は彼女の素性を、知ってはいけないと。
でも、知りたい。
だって、初恋の人で彼女だから。
「私ね。凄く簡単に言うとここの世界にいちゃいけないって言ったでしょ。それは、この世界の人じゃないから。2022年に私の存在はないから。」
「え、どういうこと」
理解が出来なかった。
2022年に存在がないって?
だって、彼女は居る。
この目の前に。
なんで存在してないの。
「私は、、」
彼女が話そうとしてくれた時だった。
俺の携帯がなったのは。
誰もいない公園。2人しかいない公園に、俺の着信音だけが鳴り響く。
なんでこのタイミング?
そう思ったけど、何だか嫌な予感がした。
ここでこの電話に出なかったら、一生後悔するような。
そんな気がした。
「ごめん」
そう言って俺は電話をとった。
表示されているのは、「非通知発信」
その時、俺は思いもしなかった。
電話を取った事に後悔するなんて。
でも、出なくても後悔するだろうと思い返したことを。
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